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構想10年栗山民也×蒼井優、生瀬勝久 『アンチゴーヌ』 実力派俳優たちの豪華競演!

2018年1月、時代を超え世界中で上演され続けている、フランスの劇作家ジャン・アヌイの代表的悲劇作品「アンチゴーヌ」。
栗山民也演出のもと、岩切正一郎の新訳・豪華俳優陣の競演で現代によみがえります。
アンチゴーヌ役には、パルコ・プロデュース公演には初出演となる蒼井優。
クレオン役には、映像・舞台にと幅広く活躍し、圧倒的な存在感と演技力を放っている生瀬勝久が挑みます。
また、舞台を中心に活躍する梅沢昌代、伊勢佳世、佐藤誓ら実力派俳優陣が脇を固め、多彩な顔ぶれがそろいます。

314アンチゴーヌ_宣材ヴィジュアル

蒼井優(アンチゴーヌ)                生瀬勝久(クレオン)

法と秩序を守り、権力者として政治の責任を貫こうとする冷静な王クレオンに対し、自分の良心にまっすぐに従い、自己の信念を貫くアンチゴーヌ。
2つの相対する立場と信念は、そのまま国家と個人・現実と理想の対決でもあり、それぞれが抱える想いは通じ合うことなく、物語は悲劇へと進行します。
クレオンとアンチゴーヌの対決を通して、私たちは生きることの矛盾や人間存在の本質を目撃することとなるでしょう。

 

アンチゴーヌ役・蒼井優コメント
ちょうど10年前にこの戯曲に出会い、今まで何度も読み返して来ました。あるセリフをどうしても生で聞きたいと思っていたのですが、まさかそれを自分が口にすることになるとは。
栗山さんとは「あわれ彼女は娼婦」でご一緒させていただき、生瀬さんとは「楽屋~流れ去るものはやがてなつかしき」で、演出家と役者という立場でお会いしました。なので、お芝居をさせていただくのは初めてです。
尊敬するお二方を始め、スタッフ、キャスト皆さんと稽古できることが嬉しいです。本番思い切り楽しめるまで、稽古を頑張ります。

クレオン役・生瀬勝久コメント
今回共演する蒼井さんとは、『楽屋~流れ去るものはやがてなつかしき~』(09年)という芝居で、演出家と女優という立場でご一緒しているので、非常にやりづらいです(笑)。演出家として偉そうなことをずっと言いましたから、「なんでこんなお芝居をする人に……」と言われないように頑張ります。
演出の栗山さんとは2作品でご一緒しているので、栗山さんを信じて演じるという図式はもう出来上がっていると思っています。また、この作品には力強い台詞がたくさんあるので、その台詞に負けないような芝居に自分をどう持っていけるか。毎回そうですが、自分のできることを精いっぱいやるということですね。

演出・栗山民也コメント
「アンチゴーヌ」に出会う
随分まえからソフォクレスの「アンチゴーヌ」が好きで、何度も読み返し、いつか舞台化したいと思っていた。それから時が過ぎ、フランスの劇作家であるジャン・アヌイの翻案した「アンチゴーヌ」と出会った。ひどく面白かった。すぐにでも舞台に立ち上げたくなるほどの熱い言葉の熱が、そこにはあった。
絶対的な関係にある二つの精神が、一つのテーマで向き合いぶつかる。そこに激しく歪んだ世界が見えてくる。厳重に管理された国家という装置のまえで、「個」が無残にも壊されていく。だが、その「個」である一人の少女の声は、強い意志で、遠くギリシャの神話からわたしたちへと響く。今の混沌とした時代を鏡に映し、この永遠に続く積極的な問いを、考えてみようと思う。

 

 <公演概要>
パルコ・プロデュース2018 「アンチゴーヌ」
作=ジャン・アヌイ  翻訳=岩切正一郎
演出=栗山民也
出演=蒼井 優、生瀬勝久、
梅沢昌代、伊勢佳世、佐藤 誓、渋谷謙人、富岡晃一郎、高橋紀恵、塚瀬香名子

STAFF 美術=伊藤雅子  照明=服部 基  音楽=国広和毅  音響=井上正弘  衣裳=西原梨恵
ヘアメイク=鎌田直樹  演出助手=坪井彰宏  舞台監督=藤崎 遊
プロデューサー=佐藤 玄・今 絵里子  制作=冨士田 卓・山家かおり  製作=井上 肇
宣伝美術=榎本太郎 宣伝写真=尾嶝 太 宣伝スタイリスト=安野とも子 宣伝ヘアメイク=CHIHIRO
宣伝=る・ひまわり

【東京】  2018年1月9日(火)~1月27日(土)  新国立劇場 小劇場〈特設ステージ〉
【松本】  2018年2月3日(土)~4日(日) まつもと市民芸術館〈特設会場〉
【京都】  2018年2月9日(金)~12日(祝/月) ロームシアター京都サウスホール〈舞台上特設ステージ〉
【豊橋】  2018年2月16(金)~18日(日) 穂の国とよはし芸術劇場PLAT〈舞台上特設ステージ〉
【北九州】 2018年2月24日(土)~26日(月) 北九州芸術劇場 大ホール〈舞台上特設ステージ〉

 2017年11月11日(土)東京公演 一般発売開始!!

「アンチゴーヌ」あらすじ
古代ギリシャ・テーバイの王オイディプスは、長男ポリニス、次男エテオークル、長女イスメーヌ、次女アンチゴーヌという、4人の子を残した。
 ポリニスとエテオークルは、交替でテーバイの王位に就くはずであったが、王位争いを仕組まれて刺し違え、この世を去る。
 その後、王位に就いたオイディプスの弟クレオン(生瀬勝久)は、亡くなった兄弟のうち、エテオークルを厚く弔い、国家への反逆者であるとして、ポリニスの遺体を野に曝して埋葬を禁じ、背く者があれば死刑にするよう命じた。
 しかし、オイディプスの末娘アンチゴーヌ(蒼井優)は、乳母の目を盗んで夜中に城を抜け出し、ポリニスの遺体に弔いの土をかけて、捕えられてしまう。
 クレオンの前に引き出されるアンチゴーヌ。クレオンは一人息子エモン(渋谷謙人)の婚約者で姪である彼女の命を助けるため、土をかけた事実をもみ消す代わりにポリニスを弔うことを止めさせようとする。
 だが、アンチゴーヌは「誰のためでもない。わたしのため」と言い、兄を弔うことを止めようとしない。そして自分を死刑にするようクレオンに迫る。懊悩の末、クレオンは国の秩序を守るために苦渋の決断を下す。
 姉イスメーヌ(伊勢佳世)に今生の別れを告げたアンチゴーヌに、生き埋め刑執行の刻が近づく。穴に入れられ土をかけられていくアンチゴーヌ。
 そして入口をふさぐ最後の石が置かれようとしたとき、墓の中からアンチゴーヌではない声が聞こえてくる。エモンがいつの間にか穴に入っていたのだ。一度は助け出されたエモンだったが、自ら命を絶ちアンチゴーヌと永遠の眠りに就く。そして、エモンの死を知った王妃ユリディスも自害し、この世を去る。
 そして、1人になったクレオンは、早く大人になりたいという小姓に言う。
 ばかだな。大人になんかなっちゃいけないんだ――。