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橋爪功主演、三浦涼介 岡本圭人ほかの出演で自死を問う戯曲『GOTT 神』をリーディングシアターで上演決定

【GOTT神】組み写真

パルテノン多摩企画製作・主催で、本年10月に橋爪功主演、三浦涼介 岡本圭人ほかの出演でフェルディナント・フォン・シーラッハ作の戯曲、『GOTT 神』のリーディングシアター形式での上演が決定した。テーマとなるのは自死。命とは誰のものかという深遠なテーマを問いかける。演出は石丸さち子。

刑事事件を専門とする弁護士でもあるシーラッハが、2009年に自らの事務所で扱った事件をベースに創作した短篇集『犯罪』は瞬く間に450万部を越えるベストセラーとなり、世界30か国以上で翻訳された。14年には、一般乗客を乗せた旅客機をテロリストが乗っ取り、7万人を収容したサッカースタジアムに突っ込もうとしたことから、164人の乗員の旅客機を撃墜した空軍少佐が有罪か無罪かを審議する裁判を描いた初の戯曲『テロ』を上梓。同作は観客から有罪か無罪の投票を募って、その結果によって判決が下るという斬新な戯曲で、日本でも2018年に上演され、橋爪功 今井朋彦 松下洸平 前田亜季 堀部圭亮 原田大輔 神野三鈴という達者な出演陣によって各地で大好評を得た

今回、シーラッハの最新戯曲『GOTT 神』(日本では翻訳書が昨年刊行)のリーディングシアター形式での上演に出演するのは、13年に処女作『犯罪』と『罪悪』を続けてソロ朗読劇で演じ、『テロ』は16年に朗読で、18年にはストレートプレイとして空軍少佐の弁護士・ビーグラー役を演じた橋爪功。
倫理委員会の委員長に三浦涼介、倫理委員会委員に岡本圭人、 健康であるにもかかわらず自死を望む老人ゲルトナー役に山路和弘という実力派男優が集結する。

STORY
78歳の元建築家ゲルトナーは心身共に健康であるが、愛妻を亡くし今後は生きる意味はないと考え、医師に 薬剤を用いた自死の幇助を求めている。
ドイツの倫理委員会主催の討論会が、ベルリンのブランデンブルク科学アカデミーで開かれ、法学、医学、神学の各分野の参考人、ゲルトナーの主治医や弁護士が意見を述べ合い、活発な議論が展開される。
死を望むゲルトナーの意志を尊重し、致死薬を与えるべきか否か・・・
個が尊重される西洋社会でこそ生まれる「死ぬ権利」をシーラッハは非科学的な世界と科学的な世界で対比させる。ティール司教は「生きるか死ぬかを決められるのは神だけだ」と主張するが、ビーグラー弁護士は「どう生きて死ぬかの決定を委ねられているのは人間自身」と断言する。

<石丸さち子 演出家メッセージ>
舞台は、独倫理委員会主催の会議の場。公開の討論会が行われます。
議題は、ゲルトナー氏の訴えに端を発します。妻を喪い、死を選びたい彼に、医師は致死量の薬品を処方できるか否か、処方すべきか否か。
討論しあうのは、医師、法学者、医師会役員、カトリック教会の司教、そして、ゲルトナーの弁護士、ビーグラー。
日本では「安楽死」と呼んで一様に語られることが多いのですが、この討論では、自殺幇助、嘱託殺人、延命措置の中止による消極的臨死介助、死に至る薬を処方する積極的臨死介助、と、高齢者の命の価値、と、様々な観点から語られていきます。
……いかめしい漢字ばかり並んでしまいますが、どれもとても身近だと思えます。 スイスの臨死介助組織に、自らを託す方々のニュースを御覧になって皆様、どう感じられたでしょう?
自らの人生の幕引きを決定する自由意志、命の選択権は、誰にあるのでしょう?
ここから、討論は、タイトルになる「神」の意志についてに移行していきます。

死について語ることは、どう生きるかについて語ること。
そして、他者の人生にどう向き合うかを語ること。
劇場では、この公開討論を聞いた上で、実際にお客さまに意見の投票をしていただきます。

橋爪功さんを中心に、今を生きる様々な年代の素晴らしい俳優陣と、この作品を読み解いていけることを、僥倖と感じています。

リーディングシアター 『GOTT 神』
2024年10月11日(金)~14日(月祝) パルテノン多摩 大ホール
作: フェルディナント・フォン・シーラッハ
翻訳: 酒寄進一(2023年 東京創元社「神」)
演出: 石丸さち子
出演: 橋爪功
三浦涼介 岡本圭人 浅野雅博 石井一彰 玉置孝匡 瑞木健太郎
山路和弘
公式HP: https://www.parthenon.or.jp/event/202410gott