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ミュージカル『SUNNY』プレイベント 原作の韓国映画「サニー 永遠の仲間たち」のスクリーン上映&トーク

花總まり、瀬奈じゅん、小林綾子、馬場園梓、佐藤仁美 他の出演で、2023年6~7月に東京・大阪で上演されるミュージカル『SUNNY』。そのプレイベントとして、原作の韓国映画「サニー 永遠の仲間たち」のスクリーン上映&トークイベントが、4月25日に韓国文化院ハンマダンホールにて行われた。
映画「SUNNY」を大スクリーンで堪能した後、古家正亨が司会のもと、ミュージカル『SUNNY』の脚本・演出を担当する西田征史、韓国エンタメライター・翻訳家の桑畑優香が登壇。
NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」脚本など、数々の人気ドラマや映画、舞台まで幅広く脚本や演出を手掛ける西田が、ミュージカル『SUNNY』制作の苦労や見どころなどをたっぷり聞かせてくれた。(ネタバレもありです!)

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桑畑優香 西田征史 古家正亨

映画「SUNNY」は、2011年に韓国で製作され大ヒット。その後、日本をはじめアジア各国で各地の風土に合わせリメイク版が製作された大人気作品。
高校の仲良しグループ“サニー”として青春を謳歌したメンバーが、25年後に再会。それぞれが悩みや挫折を抱える中、共に過ごした輝かしい高校時代の想いや絆が、彼女たちを再び突き動かしていく物語。

ミュージカルでは舞台を1980年と現代の日本に移して描かれ、懐かしの1980年代J-POPもふんだんに登場する。

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古谷:テレビドラマ、映画、舞台などで脚本・監督・演出を手掛けてきた西田さんが、今回のミュージカルの脚本と演出を手がけるきっかけは?
西田:そもそもは梅田芸術劇場のプロデューサーさんから「脚本・演出をやってくださいませんか」とお話をいただきました。それまで私は、舞台ではオリジナルにこだわっていたので、1回はお断りしたんです。でも「是非に」とのお話いただいて、映画を見させていただいた時に「自分の形や色で表現させてもらえたら、楽しいかもしれない」と思ったので、引き受けさせていただきました。あともう1つに理由は、自分の舞台作品が韓国でリメイクされて小さな劇場ですが2~3ヶ月のロングラウンで上演されたことがあり、ご招待いただいて観に行った時に、文化の違いが面白かったですし、自分の作品を海外でやってもらう嬉しさを感じたので、「今回これを私がリメークすることで、韓国のエンタメ業界演劇の方が、日本の演劇にも興味を持ってくださると嬉しいな」という思いもあります。

桑畑:ミュージカルでは、バブル経済絶頂期の1980年代と現代の日本に移して描くとのこと。その時代にした理由は?
西田:私の青春時代は90年代なんですが、80年代への憧れもあり、小さい頃にテレビを見ていても、アイドルが輝いていた時代で、エネルギーを感じていました。原作映画を見た時に、主人公たちが拳で決着をつけるようなところが、90年代ではピンと来なかった。時代として80年代のイメージもあったので、80年代のアイドルの曲をふんだんに使って楽しい、懐かしい思い出とともに振り返る作品にできたら面白いのかなと思いました。

桑畑:舞台化するのに一番難しかったのは?
西田:稽古がまだこれからなので、ちょっと不安もあるんですけれども、場面やお話の展開を変えてしまうと、『SUNNY』の魅力が変わってしまうような気がするので、まず舞台の使い方を工夫して、映像を見てるかのように場面が進むようにしようと尽力しています。歌については、素晴らしいキャストなので、その生歌の力を借りて、皆さんと共に皆が知ってる歌を楽しんでもらえるように、ふんだんに織り交ぜてと、意識してやってるところです。

桑畑:♪スイートメモニー ♪ランシングヒーロー ♪センチメンタルジャーニーがあるとか。お好きな曲だったのでしょうか?
西田:そうですね。もちろん、ストーリーに一番ふさわしい曲は何かを、脚本を書きながら考えて聞き直して、一番ピタッとくるのを選んだのですが、どれも元々自分が好きだった歌の中から選んでますね。

桑畑:映画ではSUNNYのメンバーは7人ですが、ミュージカルでは1人減りますか?
西田:やはり舞台なので、役者さんを拘束することもあり、一緒に作っていく中で、なるべく人数が少ない方が喜ばれることもあるので。その中で役者さん1人1人を深堀りして見せ場を作っていくと、今のイメージで言うと、2つの役を1つにしたという感じですね。

桑畑:では、どの役の2人が1人になっているかもちょっと楽しみです。
西田:そうですね、楽しんでいただければいいですね。

桑畑:キャストの花總まりさんと瀬奈じゅんさんが宝塚歌劇団出身ということで、SUNNYの仲間みたいな友情があったりしそうですね?
西田:まだ稽古前なので、役のお話は直接にはできてないんですけれども、チラシ撮影の時に、もうすでにおふたりで空気が出来上がっていて、「久しぶり」というのが映画の病室での再会のシーンと重なるというか、そういう2人の関係があるんだなと思いました。そのおふたりの人生が重ねてみえると面白いかなと思っています。

桑畑:これから作っていくにあたって、おふたりのエピソードをアドリブで入れることも?
西田:実際のエピソードが入ってくるかはわかりませんが、おふたりの関係性を活かした生ぽいセリフにしていければと思っています。

桑畑:キャストでは、NHK連続テレビ小説「おしん」で子供時代のおしんを演じた小林綾子さんが、ミュージカルに出演されるのは珍しいのかなと思ったのですが。
西田:最初はプロデューサーから「小林さんは歌はなしで」と言われたのですが、よく聞いてみたら、「やってみても…」とのことだったので、ちょっと何曲か歌っていただこうと思っています。

桑畑:振付けが“バブリーダンスで大ブームを巻き起こした振付師のakaneさんですね。パブリーダンスを踊ったりしますか?
西田:そういう部分もあります。 ただ80年代のシーンだったりするので、あの時代感やエネルギシュさでは、akaneさんらしさが満載です。

桑畑:高校時代のメインの二人は、アイドル出身の方が演じるとのことですが、どんなところに期待されていますか?
西田:やはり歌唱力と表現力はほしいですね。このふたりはまだ出会ってないのですが、お稽古を通して、この役のようなふたりになってくれたら嬉しいなと思っています。

桑畑:映画での音楽喫茶の場面は、ミュージカルでは?
西田:ネタバレしてしまいますと、音楽喫茶はディスコに置き換えて、あのシーンのまま再現してみようと思っています。楽曲については、プロデューサーとの調整がありまして。既存曲を使うと、どうしてもお金がかかるので。それっぽい曲をお願いして作っていただいて、そのまま使えればと思っております。

桑畑:映画と同じ曲を使ったシーンもありますか?
西田:あります。もちろん ♪SUNNYは使います。

桑畑:映画とは違うところは?
西田:最初の掴みのシーンは、映画とは変わっているので、楽しんでいただけたらいいなと思っています。色々楽しんでもらえる仕掛けを仕込んでいます。
桑畑:学生時代と大人になってからの分量も変わってきますか?
西田:このお話を頂いて、私が最初にプロデューサーに確認したのがその点です。「映画は高校時代の分量が多いけれども、ミュージカルではファンの皆さんを考えると、一番良いのは、現代の5人が高校時代を振り返るというのでは?」と、お話をしました。すると、さすがに高校の制服を着るのは…ということで、2つの時代をそれぞれで演じましょうということになりました。ですので、ミュージカル版では現代の大人の時間をオリジナルで作っているところもあり、だいぶ膨らんでいます。現代で奈美(花總まり)と千夏(瀬奈じゅん)が出会って、皆がどう変わっていくかが、メインストーリーになりますね。

桑畑:ラストのダンスシーンは、すごい仕掛けがあるのではと期待しています。
西田:すごい仕掛けかどうかは、ちょっとハードルが上がっちゃうと怖いんですけれども、楽しめるようには作ってるつもりですし、映画の高揚感をそのまま持って帰っていただけるようにと思っています。

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ミュージカル『SUNNY』

■脚本・演出:西田征史
■振付:akane
■出演:花總まり、瀬奈じゅん、小林綾子、馬場園梓、佐藤仁美/渡邉美穂、須藤茉麻/片桐 仁
川村咲季、横岡沙季、古沢朋恵、伊藤友惠、伊藤彩夏、池田晴香、
飯沼帆乃佳、菊田万琴、浅倉智尋、鈴樹志保、井阪郁巳、寺田彩乃
■公演日程:
〔東京〕2023年6月26日(月)~7月5日(水) 東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)
〔大阪〕2023年7月9日(日)~13日(木)大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
■チケット料金:〔東京〕S席12,500円 A席8,000円 B席5,000円
〔大阪〕全席指定席12,500円
(全席指定・税込)
■お 問 合 せ :梅田芸術劇場(10:00~18:00)
〔東京〕0570-077-039 〔大阪〕06-6377-3888
■企画・制作・主催:梅田芸術劇場
■HP: https://www.umegei.com/sunny/
■Twitter:@SUNNY_umegei