正門良規(Aぇ! group)の主演、森新太郎の演出により、シェイクスピア喜劇の最高作といわれる、舞台『十二夜』が、2025年10~11月に東京グローブ座、そして11月に大阪・森ノ宮ピロティホールにての上演される。正門良規と森新太郎は、舞台『ヴィンセント・イン・ブリクストン』(22年)以来の2回目のタッグとなる。
また、『十二夜』の世界観を彷彿とさせる撮り下ろしの正門良規のイメージビジュアルも公開された。
翻訳は松岡和子、作編曲・音楽監督は、多数の舞台・ミュージカル作品での生演奏、「らんまん」「虎に翼」等映像作品の録音参加の他、アルバム「Ocean portraits」をリリースするなど、ジャンルや形態を問わず幅広く活動しているBUN Imaiが手掛ける。
演出:森新太郎 コメント
十二夜とは、クリスマスから数えて十二日目の夜のこと、長い祝祭シーズンの最後の夜にあたります。人々のどんちゃん騒ぎはピークに達し、かなりの無礼講が許されたそうです。この時ばかりは社会に引かれたさまざまな境界線が忘れられ、そこは束の間、混乱に満ちた解放区となりました。
『十二夜』というお芝居は一言で言って、混乱の喜劇です。登場人物の多くがアイデンティティ・クライシスの沼にはまります。自己喪失。思うにシェイクスピアがすごいのは、自分が自分でなくなることの不安だけでなく恍惚感も描いたところです。さらには、自分がふたたび自分になることの喜びだけでなく、その寂寥感も。人間という生き物は実にややこしい。我々は笑いながら、舞台上に我々の姿を見つけることでしょう。
正門良規にはシェイクスピアをやらせたいとずっと思ってきました。一本気で、心優しく、たまに天然な正門良規にぴったりな役は——ヴァイオラしかありません。恋に身を焦がす男装のお姫様です。エリザベス朝の時代には、少年俳優がこれを演じました。すなわち男子が女子の役を演じ、重ねてその女子が男子の役を演じたわけです。この境界線の曖昧さこそがまさに『十二夜』です。
今回は、彼に限らず他の俳優の何人かにも性別が逆の役を演じてもらいます。グローブ座という自由空間に、これまで以上にカオスな解放区を出現させたい。混乱をたくましく笑い飛ばしていきたい。ヴァイオラの台詞を借りるなら「時、所、運命のすべてがぴたりと決まった」このたびの公演です。どうぞお楽しみに。
主演・ヴァイオラ役:正門良規(Aぇ! group) コメント
シェイクスピアの作品はいつか演じてみたいと思っていましたが、まさか女性の役とは思っておらず、出演が決まりびっくりしました。いままで錚々たる俳優の方々がヴァイオラを演じてきて、そこに急に男性の僕が入るという驚きの連続ですが、舞台だからこそできるマジックがあると思っています。今から演じることにワクワクドキドキしていて、このチャレンジングな配役だけでも好奇心が刺激されます。ちゃんと綺麗、かっこいいと思われたいです(笑)
演出の森新太郎さんは役者やお芝居に対して愛情深い方で、またご一緒できることがすごく嬉しいし、今から稽古に入るのが非常に楽しみです。3年前の同じく東京グローブ座の作品での稽古も忘れられないくらい濃密で、舞台欲や芝居欲に火がついて学ばせてもらいました。そこからさらに舞台も経験しているので、成長して面白くなっているところを観てほしいです。
ファンを増やし続けている作品の喜劇ですので、お客様に笑って楽しんでいただけるような、新しい『十二夜』をお届けしたいと思います。
舞台『十二夜』
<東京公演>2025年10月~11月 @東京グローブ座
<大阪公演>2025年11月 @森ノ宮ピロティホール
出演:正門良規 他
作:ウィリアム・シェイクスピア
翻訳:松岡和子
演出:森新太郎
作編曲・音楽監督:BUN Imai
主催・企画製作:東京グローブ座 シーエイティプロデュース
■公式ホームページ:https://twelfth-night.com