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舞台「甘くない話 ~ノン・ドサージュ~」観劇レポート

2021年11月3日(水祝)から11月7日(日)まで東京・日経ホールで上演され、11月13日(土)には大阪・松下IMPホールでの公演を控える、黒木瞳初演出の舞台「甘くない話 ~ノン・ドサージュ~」。11月5日夜の公演からレポートをお届けする。

これまでも、「嫌な女」(2016年)、「十二単衣を着た悪魔」(2020年)などの長編映画のメガホンをとり、「Hitomi Kuroki~ハート・ハート」(2019年、品川プリンスホテルクラブex)などのショーの演出も手がけてきた黒木が、企画から演出を担当した本作。

サスペンスだと思って劇場を訪ねると、幕開けまもなく、全キャスト揃ってのダンス!歌!♪「私はやってない」
張り詰めた心理劇でありもありながら、「おっと!そう来るか!」と思わせる仕掛けをちりばめた2幕劇。登場人物の個性をじっくり描き、映像使いも楽しく、推理ドラマらしいオチまで、一気に見せてくれる。

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馬場良馬  西野太盛   村井良大 蘭乃はな 高崎翔太  市川九團次

描かれるのは、女性料理研究家・蘭子の死にまつわる物語。
蘭子は蕎麦粉のアナフィラキシーショックで亡くなったのだが、その一周忌となる12月26日。蘭子に縁があった6人が、彼女のキッチンスタジオの集められた。
6人は差出人不明の赤い封筒の招待状を受け取って集まったのだ。

そしてこの部屋に「この中に犯人がいる。君たちの秘密を暴露されたくなければ、犯人を見つけ出せ」という何者かの声が響いた。

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知られたくない秘密を抱えた6人。自分以外は、誰もが蘭子と利害関係がありそうで怪しく見えてくる。

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推理をひっぱるのは、蘭子の料理教室に通っていたという水原ひかる(村井良大)。売れない役者だというが、検索しても全く引っかからない。とっても怪しい?!

いやいや、蘭子が死んで番組を引き継いだ油屋(高崎翔太)。蘭子の料理本の編集者でありながら、漢字がろくろく読めない夢咲(馬場良馬)。蘭子のアシスタント的存在にもなった星野(西野太盛)。蘭子の税理士土井(蘭乃はな)。蘭子の番組のプロデューサー大木(市川九團次)が断然怪しい?!

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犯人探しに躍起になる6人。次第に各人と蘭子との知られざる関係が明らかになって・・・

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6人が葛藤抱えるキャラクターを自然体で見せる。市川九團次が「現代劇への出演は初めて」というのも意外で、貴重な見どころだ。

企画から携わった黒木の、女性としての目線や願いもたっぷり取り込まれているに違いない物語。推理ドラマに加えて、蘭子という女性の人生を通して、自分自身の、あるいは身近な女性の生き方を考えさせられたりもする、心に堪える舞台だった。

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残る公演は大阪公演11月13日(土)松下IMPホールただ一日、2公演のみ。お見逃しなく!

 

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甘くない話 ~ノン・ドサージュ~
企画・演出:黒木瞳
脚本:西田征史 吉﨑崇二
振付:ラッキィ池田
出演:村井良大/高崎翔太 馬場良馬 西野太盛 遊佐航 蘭乃はな/市川九團次
企画協力:Poem Co.,Ltd 制作協力:株式会社ちあふる 製作:全栄企画株式会社
【東京公演】2021年11月3日(水)~11月7日(日) 日経ホール (終了)
チケット料金:10,000円(税込・全席指定)

【大阪公演】2021年11月13日(土)松下IMPホール
チケット料金:10,000円(税込・全席指定)

公式サイト:http://www.zen-a.co.jp/amakunai/