舞台『２つの「ヒ」キゲキ』が10月7 日（木）に初日を迎えた。
初日に先立って囲み取材とゲネプロが行われた。
女優であり、演劇ユニット＜プロペラ犬＞の主宰も務める水野美紀と、2016 年放送、TBS テッペン！水ドラ！『毒島ゆり子のせきらら日記』（主演：前田敦子）で全話の脚本を手がけ、第 35 回向田邦子賞を受賞し、その後もドラマ・映画・舞台など多くの脚本を手がける東京マハロの矢島弘一がタッグを組んで、二人がそれぞれ1作ずつ脚本・演出を担当した戯曲を上演。
水野美紀が自ら出演する他、和田雅成、剛力彩芽をを迎え、さらに富田翔・真凛・椎名鯛造・宮下貴浩 という個性豊かなキャストが、２作品ともに出演。まったくスタイルの違う、物語の内容にも関連がない２作品だが、それぞれの世界が深く、おもわず引き込まれてしまう。そして、見終わった時には、なんとなくつながりを感じられるのも面白い。
【囲み取材】
後左より）水原 宮下 真凛 富田 椎名 福田
前左より）矢島 剛力 和田 水野
矢島は自作について、剛力演じる主人公の女子高生・桜子は「生きにくい世の中で、どうやっていきるか、葛藤している女の子」と解説。「時代に合った見やすい作品」であり、水野の作品とは「生きるとは何ぞやで2つが１つになっている」
一方、水野は「毛色の違う２本の演劇作品をならべた。読み応えのある短編小説を読み終えた感じになれたら」と今回の２作品についてかたり、自作については「普段は２時間だが、１時間にギュッとテンポよく凝縮して、キャストの魅力を活かした。楽しんで頂けると思います」と自信をのぞかせた。
ひとりの俳優が、２作品で２役を演じるのはもちろん、水野の作品で和田は１つの役だが、少年・大人、劇中劇のヒーローといろんな顔を見せてくれるのも見どころと紹介。
脚本、 演出、 出演とフル稼働した水野。「ずっと鼻血が出そうでしたし、 禿げそうで、 切り替えが思うようにいかないことがありました」と大変だったようだが、矢野から「エネルギーの怪獣」とまで評された水野。和田からも「パワフルでひっぱって頂いている」と絶大なる信頼を得ている。
１作目では桜子のクラスメート・内山正晴役、２作目では複雑な背景を持つ俳優タクトを演じる和田雅成。
「内山正晴は桜子に影響を与える重要な役、タクトは僕の持つすべてで勝負させてもらっています」と重責を担う。矢島には「隠している嫌な部分・リアルな部分を引き出され、また隠されて」と俳優としても人間的にもハードに挑んだ。またこれまでの人生について「ひ（悲劇）が多かったが、今ではき（喜劇）に変えられるようになった」ととも語った。
剛力は「眉間にずっとシワが寄っている」ような苦しい」役だと桜子役を説明。水野作品では「難しい役。根底にあるのは母性」と難役に挑む。
【ゲネプロ】1幕目は矢島が脚本・演出を手掛けた「パンティーアナキズム」
桜子は家でも学校でも緊張する時間を送っていた。
学校ではいじめられていたが、彼女は「支配されたくない！」と心で叫び続けていた。
ただ、桜子にはクラスメートや
教師
今時らしいつながりもあって、それが彼女に影響を与えていく。
桜子は何を考え、生き抜いていくのか。リアルがあふれた緊迫の中を、観客も桜子をともに生きて考える。
その先にあるものは…。悲劇なのか喜劇のか？！
2幕目は、水野が脚本・演出を手掛けた「テクタイト」。物語の舞台となるのは、ある劇場の千秋楽公演。
ヒーローものの主人公を演じる俳優・タクト（左：和田雅成）の、知られざる過去が公になり、混乱の中、舞台の幕が開いた。 右：富田翔
幕間に、互いを「小田島」と呼び合うファンたちが幕間に集まっていたとき
ことが起きて、かれらは皆、時間の狭間に取り残されてしまう。
そして明かされる数々の謎・・・
サスペンスとミステリーにユーモアもたっぷりちりばめた群像劇。俳優たちはそれぞれが、個性あふれるキャラクターを造形し新境地を開拓。観客は、誰に注目して観るかで、何度も楽しめるに違いない。
アクションや身体表現も楽しめる公演は14 日（木）まで。
舞台『２つの「ヒ」キゲキ』
脚本・演出：水野美紀
脚本・演出：矢島弘一
出演者：水野美紀・和田雅成・剛力彩芽・
富田翔・真凛・椎名鯛造・宮下貴浩
福田ユミ 水原ゆき 南部麻衣
竹内真里 久保田武人 西野優希
中原果南 竹若元博（バッファロー吾郎）
日程：2021 年 10 月 7 日（木）～14 日（木）
会場：新国立劇場 小劇場
公式サイト：2-hi-kigeki.com
公式 Twitter：https://twitter.com/2hikigeki
お問い合わせ：2hikigeki@gmail.com
企画・プロデューサー：水野美紀・矢島弘一・宮下貴浩
主催：水野美紀×矢島弘一『２つの「ヒ」キゲキ』企画
