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『恋、燃ゆる。』製作発表 檀れい「心震えるような命がけの恋物語を」

2020年10月19日(月)~11月15日(日)に 明治座にて上演される「恋、 燃ゆる。 ~秋元松代作『おさんの恋』より~』の製作発表が、9月29日(火)にオンライン生配信でおこなれた。
登壇したのは、主演の檀れい、出演する中村橋之助、東啓介、多田愛佳、石倉三郎、西村まさ彦、高畑淳子と、上演台本・演出を手掛ける石丸さち子。 さらに主題歌を歌う氷川きよしが映像出演した。

「恋、燃ゆる。」制作発表お写真

本作は、近松門左衛門作の浄瑠璃「大経師昔暦」をもとに、 劇作家・秋元松代が書いたテレビドラマシナリオ『おさんの恋』を、石丸さち子が舞台化。 江戸時代という抑圧されていた時代に生きた女性おさんを、 自分の意志を持った人間として描き出す。

まずマイクを握ったのは、上演台本・演出を担う石丸さち子。「浄瑠璃を大胆に書き換えたテレビドラマの台本を多くの名戯曲の中から上演したいと大胆にも選びました。今に訴えるほとばしるような恋があると思います。普通ならばこれば当たり前と生きて、そんなことは自分の人生には一生起こることはないと思っているような叶わない恋を、最初は運命のいたずらと言いつつ選んでいくのは自分自身。恋を知って、おさんと茂兵衛は胸の奥に隠していた強さを発揮して自分の人生を選びとっていく。それが、今上演されることがあまりにも素敵だと想像し、こういう冒険をさせて頂きます。素晴らしい出演者が揃いました。コロナ禍のこういう状況で大変ですが、稽古真っ盛りで、立ち上げる喜びに満ち満ちて、大変幸福に感じています。劇場に足を運んでいただけたらいいなと思っています。がんばります」と力強く語った。

京都の大店の内儀・おさんを演じる檀れい。最初の挨拶では「今年はコロナの問題があり、公演できるか不安に思っていました。今日、オンラインでもありますが製作発表させて頂ける喜びと、毎日石丸さんの情熱ある演出のもと、皆さんと七転八倒しなから稽古していることを幸せに思っています。稽古していてとても難しく、日々の稽古の中で、どのように演じるか、もがいている最中です。秋元先生の描かれる女性は、はかなくも強くたくましい。恋を知った女性は本当に強いと感じています。それをお届けできればと思っています」と話した。
「伝えたいことは?」との質問には「時代物を演じる時、西洋東洋問わず、女性が生きるのがつらい時代が長く続いたと思います。おさんも主人ため、店のため自分を押し殺して生きるのが当たり前という時代の女性ですが、茂兵衛からのまっすぐな恋心を伝えられて、女性として人として本当の自分を見つける。見つけた時にどう変化していくか。その女性の強さや逞しさを伝えられたらと思っています」と語った。

茂兵衛を演じる中村橋之助は「毎日、熱く熱く石丸さんにお稽古して頂き、茂兵衛の役をつとめさせて頂けることを幸せに思っています。一生懸命つとめなくてはと私も燃えております」と語る。またコロナ禍で食事を共にできないなど制限の多い中、同じ年の東啓介とは「お稽古初日から『とんちゃん、くにちゃん(本名が国生)』と呼び合おうと話し、仲良くしているとのこと。

その東啓介は、「コロナの影響で、舞台やライブが中止になると聞いて、幕が開くか不安をかかえつつ望んでいますが、稽古は活気あふれる稽古場になっています。幕があけばぽっかり穴が空いてしまったものや、見失ったものが、この作品にはがこめられているのではないかと思っています。僕は複雑な役をつとめさせて頂きますが、それが担えるように頑張っています。ぜひ劇場に足をお運び頂いて、この作品の魅力を生で肌で感じて頂きたいと思っております。」と話し、また「方言は初めてで苦戦しています。石丸さんと対面してイントネーションの練習をしていると、だんだん何を言ってるのか分からなくなります。そこをクリアしたとしても、次は心情が乗ってこなくて…」と苦労の様を語った。

女中おたまを演じる多田愛佳は「はじめての時代劇で所作や方言と課題が多いのですが、石丸さんに声の出し方や感情の動かし方などを細かく指導頂き、有難い環境で稽古させて頂いていると感謝しています。また素敵な先輩方とご一緒させて頂けることも光栄に思っています。お玉は燃え上がる恋心がテーマになると思います。ひたむきに茂兵衛を思う気持ちを熱く熱く演じていきたいと思っています」とフレッシュな覚悟を披露した。

住職・宗林を演じる石倉三郎は「今まで生きてきて、こんなにつまらない世の中になったことはないですが、明るく素晴らしい戯曲の元に頑張りたいと思います」。

おさんの夫を演じる西村まさ彦は「情熱と熱意と才能あるふれる演出家、石丸さんとご一緒できることを大変うれしく思っています。素晴らしいスタッフ・キャスト、明治座の舞台に立たせていただけること、嬉しく思っています。嬉しさに満ち溢れています」とあいさつ。マスクをしてフェイスガードをしての稽古とのことで「今日初めて檀さんの生のお顔を拝見して、こんなにうれしいことはありません」と笑顔を見せた。

高畑淳子は「西村さんの母、檀さんの義理の母を演じます。長期の公演中、ケガ・病気をしないように心掛けたい。稽古場でマスクをしても美しい檀さんにうっとりしているのに、マスクをとった檀さんが本当に美しくて、相手役の橋之助さんは大変だろうと思います。お客さまにもうっとりしていただきたいです。劇場に人が集い、たくさんの感想を持って頂きたい。思うところ、ツボがそれぞれ違う。檀さんがきれいと思う方がいれば、万にひとつは、高畑さんがきれいと思う方がいるかもしれない。お互い違う価値観の中で、平和を保つ、これが人類の使命だと思います。劇場でお待ちしております」と、ユーモアあふれるあいさつ。

さらに、舞台主題歌を歌う氷川きよしからも動画メッセージが届いた。
「初めてデモテープを聞いたときに、自分の心の底から訴えるような、胸が締め付けられるようで、舞台はすごいお話なんだろうと思い、歌の歌詞に共感しました。好きな人と結ばれない切なさ、誰しも幸せになりたくて生きているのに、いろんなルールにしばられていますという歌詞に、今の時代に合ったバラードだと、自分の宝物の歌が増えたと思います。
新たな自分を表現したいと今年が始まり、「パピヨン」というポップスアルバムを出しましたが、後半の「生々流転」というアルバムの中に収録させていただきます。幅広い世代の多くの方に聞いていただけるアルバムになります。この歌がお芝居の中で流れるのも楽しみにしています。 舞台とともに歌の世界も楽しんで頂きたいと思います。いい作品が出来上がりました」と自信をのぞかせた。

作詞 石丸さち子 作曲 森大輔による主題歌は、10月13日発売の「生々流転」に収録される。

最後は、檀れいからのメッセージで締めくくられた。
「舞台に立つものにとって、お客様が劇場に足を運んでくださってこそ、私たちが存在するのだと、今回感じて思っております。スタッフ・キャスト一丸となって感染対策をしながら日々、稽古に励んでいます。見に来てくださったお客様が心震えるような物語を作るために頑張っています。おさんと茂兵衛の命をかけた恋物語、是非劇場でご覧ください」

【公演情報】
公演名:  恋、燃ゆる。~秋元松代作『おさんの恋』より~
原作: 秋元松代
上演台本・演出:石丸さち子
出演:   檀 れい
中村橋之助 東 啓介 多田愛佳 石倉三郎
西村まさ彦 高畑淳子 他
会場:   明治座
公演期間: 2020 年 10 月 19 日(月)~11 月 15 日(日)
開演時間: 12:00 / 17:30
料金(税込): S席(1・2階席)12,000円
A席(3階席)6,000円
※6歳以上有料/5歳以下のお子様のご入場はご遠慮ください
※車いすスペースは明治座チケットセンターにお問い合わせください
お問い合わせ: 明治座チケットセンター 03-3666-6666(10:00~17:00)
公式サイト: https://www.meijiza.co.jp/lineup/2020/10/
主催: 明治座・読売新聞社