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松たか子&森山未来 演出:串田和美 舞台「メトロポリス」インタビュー

11月7日(月)~30日(水)までBunkamuraシアターコクーンにて上演する舞台「メトロポリス」。
その稽古場を訪ねて、演出の串田和美、出演する松たか子、森山未來に話を聞きいた。
稽古場取材の様子はこちらから

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森山未来 松たか子 串田和美

この舞台は、SF映画の金字塔といわれるモノクロ・サイレント映画「メトロポリス」と、その原作小説を大胆にアレンジしたもの。
映画「メトロポリス」は、映画「スターウォーズ」の“C-3PO”デザインや、手塚治虫の漫画「メトロポリス」に大きな影響を与えた名作中の名作だ。

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稽古場で揃った串田和美、松たか子、森山未來に原作について尋ねてみると、森山は「映画も小説も頂いて、映画もYouTubeでも見られるけれど見ていない」「メトロポリスの印象といえば、手塚治虫。初期の作品の「メトロポリス」の原点にこの映画がある。すごいなぁと思っている」と言う。

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松は「映画は見ました。ここまでの技術があったなら、(サイレント映画ではなく)台詞を入れることもできたんではないかと思うほど緻密で細かい。その作った当時のパワーをもらってやりたい」との答え。
それを受けて串田が「ふたりの答えの歯切れが悪いのは、原作はこういう物でしたよ、と舞台で説明するものとは、ほど遠いものを、今作っていますから。100年近く経った今の人間が、当時と同じ熱量で物をつくるとしたら、相当離れなきゃいけない…」と、今回の舞台が原作映画や小説とはかなり違ったものになることを示唆した。

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森山が「映画では労働者の数、建物の大きさなど規模の大きさを見せる作品でしたが、それを舞台でそのままやることはできない。そこには1人しかいないけれど、群衆が群れているように想像力を喚起するような作り方を、今模索している状態。脚本もそうなっている」と「今、まさに作っている」のだと言う。

串田は「(潤色の)加藤直さんに『完成図じゃなくて出発点の本を書いて欲しい』とお願いしました。どこに行くか分からずに、「どこ集合」ぐらいしか書いてないというのが出発点。でも出発点に集まった人たちが「あっちじゃないか」「こっちじゃないか」と言いながら旅をする。良く知っている人がくたびれた時には、元気な子供みたいなのが「あっちだ!」と叫んでついて行ってホントだった…みたいな、そういう風に作れたらいいなと。いろんな役割の人がいますが、役割ってこっちが考えているようにはいかなくて、集団では役割が自然にきまるんだなと思います。自由なチームができています」と、「生みの苦しみ=楽しみ」のような答えが返ってきた。

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森山は松について「すごく柔らかいけれどずっしりしている。
僕らが動いていて、松さんがいるという存在の説得力を日々感じてやっています」

キャストについて、松は「稽古が始まって、舞台の「メトロポリス」の世界がだんだんと明らかになっている中、皆さんがとても掘るのが似合う人たち。地に足の着いた、とことん掘っていくことができる人たち」だと言う。さらに「個性はそれぞれで、その中で趣里ちゃんは、掘るんだけどほじくるタイプ。(笑)  飴屋(法水)さんみたいに立っているだけで何かを発している。でも優しくて、思っていた以上に穏やかな、かわいらしい方もいれば、(森山)未來みたいに身体能力がすごい、具体的に優れたものを見せてくれる人たちもいる。どんなことでも、絶対になんとかするような、頼もしい元気な先輩たちもいる。その中で私は「みんな、すごいなぁ」と思って見ている日々です」と教えてくれた。

インタビューの最後に串田は今回の舞台を「歌とも踊りともジャンル分けのできないもの…照明でも映像でもないもの、セットか・・・?というものなど、決まったものでないものがたくさんある」「今回のねらいは見たことないことを使って『見たことある』『知ってる。どうして知っているんだろう』と思ってもらうこと。そのためにありとあらゆる表現を使う」と、とても楽しみな話をしてくれた。

どんな表現で、どんなものを見せてもらえるのか。
ドキドキする思いで稽古が始まるのを待った。

稽古場取材の様子はこちらから

【公演名】  メトロポリス
【日 程】 11月7日(月)~30日(水)
【会 場】 Bunkamuraシアターコクーン
【原 作】  テア・フォン・ハルボウ『新訳 メトロポリス』(訳・酒寄進一、中公文庫)
【潤 色】 加藤直
【音 楽】 平田ナオキ
【振 付】 山田うん
【演出・美術】  串田和美
【出 演】  松たか子、森山未來、飴屋法水、佐野岳、大石継太、趣里、
さとうこうじ、内田紳一郎、真那胡敬二、大森博史、大方斐紗子、串田和美 他
【主催/企画・製作】  Bunkamura

【お問合せ】 《チケットに関するお問合せ》  Bunkamuraチケットセンター 03-3477-9999(10:00~17:30)
※チケット好評発売中
《公演に関するお問合せ》  Bunkamura 03-3477-3244(10:00~19:00) http://www.bunkamura.co.jp/