少女漫画界の巨星・大島弓子の自伝的コミックエッセイが原作の「グーグーだって猫である」が、10月18日よりWOWOW土曜オリジナルドラマとして放送される。それを記念し、16日、都内にて完成披露試写会が行われ、主演の宮沢りえ、共演の長塚圭史、犬童一心監督が舞台挨拶に登壇した。
本作は、シリーズ累計80万部を発行し、2008年には小泉今日子主演で映画公開もされ大ヒットとなった。東京・吉祥寺を舞台に、主人公の麻子が飼い猫との愛しい日々をつづったハートウォーミングな物語。監督は、映画版に引き続き犬童一心がメガホンを取り、原作の世界観を踏襲しながらも、連続ドラマとして新たなアプローチでオリジナルストーリーを再構築した。
作品の注目ポイントを問われると、開口一番に「“宮沢りえ”という女優でしょう」と、犬童監督。「ただ歩いているだけで長いシーンが撮れる。今の彼女の魅力を最後まで楽しんでもらいたいですね」とベタ褒め。さらに「原作を読み切り映画も撮って、あらためてどうアプローチをしたらいいかがはっきりしたんです。毎日を大切に生きる、その積み重ねに未来がるということを大島さんがずっと昔から言っていたので、テーマとして訴えるのではなく、ただそれを撮ろうと思いました」と作品に対する思いを伝えた。
宮沢は、「犬童監督の、映画を撮り、さらにドラマを撮りたいという欲望が何なのかを知りたいと思ったんです。監督の大島弓子さんへのリスペクトと愛情が、私の背中を押してくれました」と出演のきっかけを明かし、「最初は猫との距離をとっていたんですが、だんだん仲良くなってきて、最後には10匹の猫に囲まれても平気なんです。私、今後は猫が出る映画に重宝されるんじゃないかしら。それで売っていこうかな(笑)」と屈託ない笑顔をみせた。
本番中もどこかに行ってしまいそうな感じをかもし出していたという宮沢。「本当に猫がのびのびとして撮影しているんです。私も猫的な女優になりたいなぁ」と、すっかり猫に魅了されている様子。また、「吉祥寺は、私のなかで、今一番住みたい街ナンバー1なんです。特にハモニカ横丁が好き。井の頭公園と相まってとってもカオスな地域です」と、こちらにもしっかりハマってしまったようだ。
麻子を支える編集者、大森を演じる長塚は、「とにかく宮沢さんと食事をするシーンが多いんです。最初は緊張してあまり食べられなかったんです。だって、“宮沢りえ”が目の前で食事してるんですよ~。でも、回を重ねるうちに、たくさん食べるようになっちゃって・・・(笑)」と語り、会場の笑いを誘う。宮沢と長塚の食事のシーンを、「こんなに食事をしながら自然な会話を演じられるのは、他にはいませんね」と監督。宮沢も「思わずビールを注文したくなるくらいよね」と話し、いい雰囲気のなかでの撮影をうかがわせた。
「麻子のモノを生み出す苦悩と、それを見せない穏やかな部分。麻子のすべてのものに興味があります。そんな彼女の魅力を出せたらいいなと思います」と目を輝かせる宮沢。最後に「物語が早いスピードで展開していくような作品とは違う、不思議なドラマを楽しんで欲しいです」とメッセージを伝えた。監督も「画と音だけで十分楽しんでもらえると思う。ドラマを見て、自由な気持ちになってもらえたら嬉しいですね」と自信をのぞかせた。
<STORY>
吉祥寺に住む小島麻子(宮沢りえ)は、人気連載を持つ少女漫画家。締め切りに追われる多忙な日々の中、長年共に暮らしてきた愛猫のサバが突然息を引き取ってしまう。以来、漫画が描けなくなり、食事ものどを通らなくなる麻子。心配した担当編集者・大森(長塚圭史)の勧めで一軒家に引越しをしたものの、依然として生活のペースは戻らない。
ある日、井の頭公園を散歩していた麻子は、病気の子猫を連れたホームレス(田中泯)と出会う。彼と何度か顔を合わせるうちに、子猫の病気を治してあげたいと思い始めた麻子は、ホームレスに無断で子猫を病院に連れて行くのだが…。
原作: 大島弓子(「グーグーだって猫である」角川文庫)
脚本:高田亮
シリーズ構成・監督:犬童一心
音楽: 高田漣
挿入歌:「パレード」高田漣 feat.UA (ビクターエンタテインメント/ スピードスターレコーズ)
出演: 宮沢りえ 長塚圭史 黒木華 中岡創一(ロッチ) 市川実和子 菊地凜子 岩松了 田中泯ほか
WOWOW 土曜オリジナルドラマ「連続W グーグーだって猫である」
10月18日(土)スタート(全4話)
毎週土曜夜 10:00【第1話無料放送】
特設サイト:http://www.wowow.co.jp/dramaw/gou-gou