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満島ひかり×永山絢斗共演 充実した奄美ロケを遂行! 映画『海辺の生と死』完成披露上映会

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映画『海辺の生と死』の完成披露上映会が、6月27日、東京・テアトル新宿にて行われ、主演の満島ひかりをはじめ、共演の永山絢斗、津嘉山正種、井之脇海、川瀬陽太の主要キャストと、越川道夫監督が舞台挨拶に登壇した。

太平洋戦争末期の奄美群島・加計呂麻島を舞台に、島に赴任してきた海軍特攻艇の隊長・朔と国民学校教師・大平トエの出会いと恋を描く本作。小説「死の棘」を世に放った小説家・島尾敏雄と同じく作家の妻・ミホがそれぞれ描いた原作をもとに映画化。島尾ミホがモデルのヒロイン・トエ役を満島、トエの恋人で島尾敏雄をモデルとした朔(さく)中尉を永山が演じている。

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淡いピンクの大島紬の着物に身を包んで登場した満島は「泊まっているホテルのロビーで祖母の弟に会ったりして驚きました(笑)。映画の撮影をしながらも故郷に戻たようでした。まるで上京した13歳からの生活をやり直してるような不思議な感覚でした」と、東京では感じることのできない、満島家出身である奄美大島での撮影を振り返る。
さらに、「(奄美の)私は風習や文化はスタッフのみなさんより知っているので、そこはよく話をしました。島の人たちの踊りに入っていったりして島に打ち解けていきました」と現地に馴染んでいった様子を語る。

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一方の永山は「お話をいただいてから本を読みました。現場に入ってからも島尾さんの古い著書を浜辺で読んで、こういう文章を書く顔になれるかな?と思っていました」と述べた。また、「現在する方を演じるので、特別な思いでした。とにかく島に行ってみないと分からないなと」という思いで、現地入りする前に頭を丸めて臨んだとのこと。
隣に立つ津嘉山は、「誰だか分かんなかったよ」と髪の伸びた永山を見て笑った。

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若い兵隊・大坪役の井之脇は、「いつも自分の周りに蝶が飛んでいた」と不思議なエピソードを披露。自然に囲まれた撮影は特別だったようで、「普段はしゃいだりするほうではないのですが、自然と触れ合えるのが嬉しかった」と語り、永山と川瀬とも釣りに出かけたりして現地を満喫したとのこと。しかし、前日釣りをした満島のほうがいい釣りをしていたようで、満島は「25匹釣ったんですよ!」と得意げに笑顔をみせた。

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川瀬は「戦時中に穿たれた本当の穴があったり、蝉やカエルの鳴き声などは当時と変わらず聞こえてくる。そんな場所で演じられたことは本当によかったです」としみじみ。津嘉山は「私は、沖縄出身なので、方言とか役に立てるだろうと思って行ったんですが、奄美の言葉は沖縄の方言とまるで違い、私も言指導を受けました」と明かしていた。

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若い頃から夫妻の作品を読んできたという越川監督。作品への思いは深いものがあるようだが、「若い頃は二人のロマンティックな恋物語ができるんじゃないかと思っていました。でも、この歳になって、島の人たちはどうやって日常を暮らしていたのかということのほうが重要になってきたんです。この映画は、軍隊から見ているのではなく、島の方から見て描いている物語です。鳥や虫の声にもよく耳を澄ませてみてください。この5人以外の出演者は奄美の方達です」と伝え、作品の出来栄えに自信をのぞかせた。

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島尾ミホについて満島は、「ミホさんは愛に生きた方だと思います。都会への憧れもあり、戦争中も島できれいな格好をして、ハイヒールを履いてスカートをひるがえしていた人。逆に東京に出ると南の国の人で神秘的だねって言われて。私自身も同じようなところもあって近く感じました」とコメントし、自分自身と重ねた。

また、現地の子供たちに「先生は好きな人のために死ぬんですか?」と聞かれ驚いたという。「『そういう話だね』と答えたら『そんな男はやめなさい!』と言われて・・・(笑)。感受性豊かな子供たちの演技が素晴らしかったです」としながら、「あ、永山くんのことじゃないよ!」と言って会場の笑いを誘っていた。

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最後に、満島は「島の人々の世界を、あの頃を語れる人がいるうちに映画に映せないだろうかと思って越川監督と企画した作品。誰かを愛することのパワーが世界を変えられることは、現代にも通じる。強さと激しさと儚さ、そしてどこか癒される作品です」とアピールし、舞台挨拶を締めくくった。

海辺の生と死(トエと朔)

【STORY】
昭和19年(1944年)12月、奄美 カゲロウ島(加計呂麻島がモデル)。国民学校教員として働く大平トエは、新しく駐屯してきた海軍特攻艇の隊長 朔中尉と出会う。朔が兵隊の教育用に本を借りたいと言ってきたことから知り合い、互いに好意を抱き合う。島の子供たちに慕われ、軍歌よりも島唄を歌いたがる軍人らしくない朔にトエは惹かれていく。やがて、トエは朔と逢瀬を重ねるようになる。しかし、時の経過と共に敵襲は激しくなり、沖縄は陥落、広島に新型爆弾が落とされる。そして、ついに朔が出撃する日がやってきた。母の遺品の喪服を着て、短刀を胸に抱いたトエは家を飛び出し、いつもの浜辺へと無我夢中で駆けるのだった・・・

出演:満島ひかり 永山絢斗
井之脇海 川瀬陽太 津嘉山正種
脚本・監督:越川道夫
原作:島尾ミホ「海辺の生と死」(第15回田村俊子賞受賞・中公文庫刊)島尾敏雄「島の果て」ほかより
脚本監修:梯 久美子/参考文献:『狂うひと―「死の棘」の妻・島尾ミホ』(新潮社刊)/企画・製作:畠中鈴子
製作:株式会社ユマニテ/制作:スローラーナー
配給:フルモテルモ、スターサンズ
公式HP:http://www.umibenoseitoshi.net/
(C)2017島尾ミホ/島尾敏雄/株式会社ユマニテ

7月29日(土)より、テアトル新宿ほか全国順次公開!