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日本の戯曲を香港スターが映画に! 第29回東京国際映画祭『シェッド・スキン・パパ』記者会見

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佃典彦 ロイ・シートウ フランシス・ン  ルイス・クー ジャッキー・チョイ ジェシー・リー
(子供はフランシスの実の息子 サイマン)

佃典彦による戯曲『ぬけがら』を原作とし、フランシス・ン(呉鎮宇)、ルイス・クー(古天楽)という香港スター出演の映画『シェッド・スキン・パパ(脱皮爸爸)』が、10月26日にコンペティション部門で上演。記者会見が行われた。

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『ぬけがら』は『第50回岸田國士戯曲賞』を受賞し、香港の『香港話劇團』が2011年に現地の演劇賞主要7部門を独占受賞した作品。
2014年には日本でも日本語と広東語との公演が同時期に行われたという貴重な作品。

原作者の佃が「(登壇者の中で)僕だけ日本人です」と笑わせ「芝居の台本を、香港のスターとロイに素晴らしい映画にしてもらった」と挨拶したが、記者会見の時点では、まだ映画は未見で、この後の一般上映を観客と一緒に観る予定とのことだった。

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佃が「初めて会ったときに、兄弟のような気がした」と言うのは、本作の監督、ロイ・シートウ(司徒慧焯)。ロイも「初めて会った時、親戚のような方だと思った」と佃について語り、本作の日本での上演を「夢が叶った」と喜んだ。

フランシスは本作が完成して見た時「自分でも感動し、撮影で苦労したことを思い出しました」「この映画に実の息子と一緒に出演し、一緒に歌う機会をもらって、父として感動しました。映画の中でも外でも、父としての役割を果たせたと思います」と本作への思い入れはひとしおの様子。

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ルイスは「撮影前に、フランシスが僕の自宅に来て父と語り合った」「撮影でフランシスの姿を見ていたら、80才台を演じた時にだんたん父に似てきて、僕も芝居に入り込めた」と秘話を披露した。

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フランシスが「どの年齢の役も難しかったが、球場での若い年の時が、息子との年齢が近くて親子に見せるのが難しかった」と言えば、ルイスは「フランシスが10代の時の場面が難しかった。父なのに僕より年若くて。父をぶつ場面では、自分も父をぶつことが出来るかな…と考えた」と答えた。

子役で本作に出演していたフランシスの実の息子・サイマンが、会見の最後のフォトセッションのみに登場。眠かったのか、少し不機嫌で、それをなだめるフランシスが、すっかり父の顔になっているのが実に微笑ましかった。