Open Close

北村匠海、名前が「鯉太郎」になっていたかも!? 父親役・阿部寛に「正気か、この人!」と思ったシーンとは? 映画『とんび』完成披露舞台挨拶

DSC_7639

映画『とんび』の完成披露舞台挨拶が、2月17日、東京・TOHOシネマズ六本木にて行われ、主演の阿部寛をはじめ、北村匠海、薬師丸ひろ子、杏、安田顕、大島優子、麻生久美子の豪華キャスト陣と、瀬々敬久監督が登壇した。

重松清の不朽の名作小説「とんび」を実写映画化。本作は昭和37年の広島県備後市を舞台に、日本一不器用な父が海より深い愛で息子を育て続けた、新たな“とんびと鷹”の絆の物語。破天荒ながら愛すべき父・ヤス役を阿部寛、ヤスの息子・アキラ役を北村匠海が演じ、幾度途切れても必ず繋がってゆく親子の絆を描く。さらに薬師丸ひろ子、杏、安田 顕、大島優子、麻生久美子、他豪華キャストが集結した。

DSC_7525

DSC_7545

映画化の企画を聞き、自ら監督にラブコールをしたという阿部。「瀬々さんだったら是非やらせていただきたいと思いまして。瀬々さんだったらまた違う切り口からやってくださるんじゃないかと思ったんです」と熱く語る。

それを受けて瀬々監督は、阿部を「(他の)役者を見る目もいい、素敵な役者。一緒に仕事ができて嬉しかったです」と笑顔を見せ、お互いの信頼関係を覗わせた。

DSC_7580

DSC_7597

北村は「ちっちゃいアキラからおっきいアキラまで、移り変わっていくので、僕も役者として、いろんな年代の一瞬一瞬の温かさや愛に満ちた現場を体現することができました。それがきっとスクリーンに映って皆さんのもとに届くんだなと思うととても嬉しい気持ちです」と思いの丈を口にした。

DSC_7554

薬師丸は「阿部さんのお芝居に圧倒されました。真正面から向かっていく阿部さんの姿に私も引っ張ってもらいました」と阿部を称える。

DSC_7569

杏は「原作を読んで泣いて、台本を読んで泣いて、映画を観て泣いて・・・。もう何度泣いたかわかりません。この作品が世に出てヤスさんのトラック何台分、何千台分の涙が日本中に流れるんだろうと思います」とコメント。

DSC_7610

親子として共演した阿部と北村だが、阿部が北村について「とんびが鷹を生んだ・・・ですね」と言う。「一緒に取材を受けたときも、僕の片言の話をサッとまとめてくれるし、父親思いの鷹だなと思う」と目を細めると、北村も「阿部さんの胸に飛び込んでいく毎日でした。僕は途中から現場に入ったのですが、ヤスとちっちゃいアキラが過ごしている空気がすでに現場に漂っていたんです。阿部さんは”父”だなと。おっきい背中でした」としみじみと振り返っていた。

DSC_7573

特に印象に残っているシーンを聞かれると、阿部は「アキラの反抗されるシーンは本当に悲しかったですね」と答え、すっかり父親の心情に。「あと、安田くんが僕の頭を叩くシーンがあるんですが、本当に痛かった。それを10テイクもやって(笑)。役者魂を受け取りましたよ」とぼやく。安田は「先輩の阿部さんに真剣に向かっていかないといけないと思って思いっきりやったんです。でも、まさか10回もやらされるとは思わなかった。申し訳ありませんでした」と阿部に頭を下げる場面も。

DSC_7603

北村は阿部演じるヤスがお酒を吹き出すシーンを挙げ、「正気か、この人!と思いました(笑)。本当のお酒を何度も吹くから、現場はお酒の匂いが凄かったんですよ」と明かす。これには他のキャストたちも同調し苦笑い。薬師丸も「こんなに遠くまで吹ける人は見たことないです」と大爆笑。実は阿部がアルコール度の高いお酒を自ら用意したそうで、「酒屋で90度と70度のお酒があったので、2つ買ってブレンドしました。水を吹くよりアルコールの方が感染防止になるかと思って」と告白し、会場を湧かす。

DSC_7614

DSC_7616

ここで、映画にちなみ、家族にまつわる写真がスクリーンに映し出されることに。阿部は家族と一緒の幼少期の写真を披露し、寡黙だったという父親との思い出を語った。北村は、磯遊びをしている少年時代の写真を。「父は釣りが大好きで、僕の名前にも“海”がついているんです。でも実は、もう一つ名前の候補があって“鯉太郎”だったんです。僕と仲のいい人は僕のことを“鯉太郎”って呼ぶんですよ(笑)」と裏話も明かし、「趣味趣向が合う父です。幼いころからファッション、映画、音楽も父母の影響を受けていました」と良好な親子関係を明かし微笑んだ。

DSC_7585

DSC_7621

安田は母親の「押し花」を、大島は父親と一緒に移るダイビングの姿を披露し、会場はほのぼのとした雰囲気に。

DSC_7534

DSC_7595

最後に瀬々監督は「人と人との関係性を感じてもらい、新しい時代を迎えるきっかけになれば嬉しいです。間違いなく面白い映画です。期待してください」と自信を持ってアピール。阿部は「岡山の皆さんがとても温かく迎えてくれました」とあらためて感謝の気持ちを口にし、「誰もが親になった瞬間から(親の)一年生。いろんなことを悩んで子育てして楽しいこともあれば大変なこともたくさんある。時には泣いたり笑ったり、自分を責めたり。このヤスという男は周りの力を借りながらがむしゃらに子供を一生懸命愛して育てていく。そういう姿が人の心を打つんだと思います」とメッセージを送り、舞台挨拶を締めくくった。

DSC_7657

『とんび』本ポスターデータ

映画『とんび』
昭和37年、瀬戸内海に面した備後市。運送業者で働くヤス(阿部 寛)は、今日も元気にオート三輪を暴走させていた。愛妻・美佐子(麻生久美子)の妊娠に嬉しさを隠せず、姉貴分のたえ子(薬師丸ひろ子)や幼馴染の照雲(安田 顕)に茶化される日々。幼い頃に両親と離別したヤスにとって家庭を築けるということはこの上ない幸せだった。遂に息子・アキラ(北村匠海)が誕生し「とんびが鷹を生んだ」と皆口々に騒ぎ立てた。しかしようやく手に入れた幸せは、妻の事故死で無残にも打ち砕かれてしまう。こうして、父子二人きりの生活が始まる。母の死を理解できないアキラに、自分を責めるヤス。和尚の海雲(麿 赤兒)は、アキラに皆が母親代わりなってやると説き、雪が降っても黙って呑み込む広い海のようにアキラに悲しみを降り積もらすな―「お前は海になれ」と、ヤスに叱咤激励するのであった。親の愛を知らずして父になったヤスは、仲間達に助けられながら、我が子の幸せだけを願い、不器用にも愛し育て続けた。そんなある日、誰も語ろうとしない母の死の真相を知りたがるアキラに、ヤスは大きな嘘をついた──。

阿部 寛
北村匠海 杏 安田 顕 大島優子
濱田 岳 宇梶剛士 尾美としのり 吉岡睦雄 宇野祥平 木竜麻生
田中哲司 豊原功補 嶋田久作 村上 淳
麿 赤兒 麻生久美子 / 薬師丸ひろ子

原作:重松 清「とんび」(角川文庫刊)
監督:瀬々敬久 脚本:港 岳彦
配給:KADOKAWA イオンエンターテイメント
©2022『とんび』 製作委員会
公式サイト:https://movies.kadokawa.co.jp/tonbi/

2022年4月8日(金)全国劇場公開!