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映画『スプリット』来日中のマカヴォイ&シャマラン監督が 衝撃作『スプリット』を徹底解説!! 品川庄司、髙橋ひかるも駆けつけ鬼才にアピール

全米で公開から3種連続N0.1を獲得、世界各国でスマッシュヒットを飛ばしている鬼才M.ナイト・シャマラン監督最新作『スプリット』。5月12日(金)からの日本公開に先立ち、本作のPRのため主演のジェームズ・マカヴォイとM.ナイト・シャマランが来日中!そこで4月26日、東京タワーのふもとスターライズタワー5Fスタジオジュピターにて来日記念イベントが行われた。

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会場にはマカヴォイ演じる謎の男ケヴィンが23人格を持つ多重人格者であることにちなみ、23個の透明な椅子がセッティングされており、そしてイベントが始まると、ジェームズ・マカヴォイ、M.ナイト・シャマラン監督の両名が登壇。「こんにちは。お越しいただきありがとうございます。とても誇りに思える作品を、皆さんにご紹介したいと思います。よろしくお願いいたします」、と初めにマカヴォイが挨拶すると、続いてシャマランは「皆さん、こんにちは。ナイトです。日本に来られて光栄に思っております。自分にとって、日本で映画が公開されることは最も大きな喜びだと言っても過言ではありません。日本の文化、日本の映画界とはすごく心のつながりを感じている部分があって、日本の映画からも作品のインスパイアを受けています」と挨拶。

また今回が9年ぶり2度目の来日となるマカヴォイは「前回初めて来日した時は24時間ほどの短い滞在でしたが、今回は1週間ほど滞在できていて、色々な人と会うことができています。東京タワーや明治神宮など色々な観光地にも行っていますが、自分にとってその土地の人々と出会うことが大切だと思っているので、今回は東京の色々な人と出会うことができて嬉しく思っています」とコメント。

今回が2年ぶり7度目の来日となるシャマラン監督は、「不思議な感覚ですね。『ヴィジット』という作品で来日した際、インタビュー中などに作品のアイデアが浮かんでメモを取っていたのですが、その作品が『スプリット』なのです。今回の日本滞在中も次の作品のアイデアをメモしているので、もしかしたら色々なアイデアを得るためにもっと日本に来なければいけないかもしれないですね!」と、来日毎に作品のアイデアを得ていることを明かした。

また本作でマカヴォイが演じている23人格を持つキャラクター・ケヴィンについて問われたシャマラン監督は、「解離性同一性障害というものに大学の頃から非常に興味を持っていたのですが、その頃はまだこの症状に対する解明が進んでいなかったのです。最近になって医学的なデータが出てきて受け入れられつつあるのですが、ケヴィンという役は17年前ほどに生まれたアイデアが基になっているキャラクターですね。『24人のビリー・ミリガン』という本が好きで、この本が日本でも売れたという話を聞いて嬉しく感じているのですが、ビリー・ミリガンは解離性同一性障害には珍しい男性の症例なんですね。通常、解離性同一性障害というのは女性に多いのです。」と、実際に多重人格というキャラクターを描くにあたり徹底的にリサーチしたことを明かします。

実際にケヴィンを演じたマカヴォイも自身の役について、「これはフロイト的な話になってしまうのですが、人間の人格というのは幼少時代から人格が形成されるのですが、今回自分が演じたそれぞれの人格はそれとは異なる形で形成されています。人格の集体としていくつもの人格がある中で、成長してから形成される人格もあります。ですからケヴィンの過去というよりも、それぞれの人格がどういう目的を持っているのか、ケヴィンという身体に対してどういう働きかけをしているのか、そういうところにアプローチしていきました。」と、役者としての技術的なアプローチを明かしました。

演じた人格については、「演じていて一番楽しかった人格はヘドウィグですね。恐れを知れず、純粋さや無垢さのある人格ですが、実は他のどの人格よりもトラウマや恐怖を感じるキャラクターです。観客にとってもコメディ要素を感じられるキャラクターでもあるのですが、彼自身も認識していない悪意もあって、観客に恐怖を感じさせるキャラクターでもあります。例えば”人を笑わせたい時には泣き、泣かせたい時には笑え”とブレヒトが言うように、どこか心地悪さを感じさせますね。」と、役についての理解を語りました。

シャマラン監督は本作の衝撃的な展開について聞かれると、「物語の構成を大事にしています。新しい物語を、新しい方法で皆さんに伝えていくことに、自分はワクワクします。例えば『スプリット』は、始めは『ソウ』のようなホラーなのかなと思っていたら、スリラーのような展開になり、すると『LUCY/ルーシー』のような覚醒する話になるかと思ったら、最後は全く違うジャンルになっているというような構成になっています。そして『スプリット』で使われている情報は、全て実際に使われているデータです。例えばプラシーボ効果のように、身体が脳に支配されているという状態があります。その最終段階が解離性同一性障害だと考えていて、重い物を持ち上げられていると考えていたら持ち上げられて、糖尿病だと思っていたらインスリンが必要になってくる。人間の脳の超常的な働きが、ケヴィンというキャラクターに反映されています。」と、作品について詳しく解説しました。

このように『スプリット』について徹底的に取り組んだことを明かしたマカヴォイとシャマラン監督。すると会場に、この二人に是非会いたいと、お笑いコンビの品川庄司が駆けつけました。到着するやいなや自身が監督を務めたことを明かす品川祐。シャマラン監督から「コメディ映画を撮るんですか?」と尋ねられると、「アクション映画を撮ります!」と応える品川。

「彼(庄司)を映画に起用しないことでコンビの間に気まずさが生まれないのですか?」とシャマランが聞くと、庄司が「大いにありますよ!立場の違いと、収入の違いがありますから!」と勢いよく突っ込み笑いを誘いました。

また作品の感想を尋ねられた品川は、「ほとんどワンシチュエーションにも関わらず、ドアの向こう側では何人か話していると思ったら実際にドアが開くと一人で話していたり、恐怖を持って観客を引き付ける演出がすごく面白かったですね。」と映画監督ならではの視点でコメント。

庄司は「最初からずっと怖くて、緊張してスクリーンに釘づけになって、もはや無呼吸状態でした!呼吸を忘れるくらいの恐怖ですよ!」とコメントすると、筋肉も緊張したと言わんばかりに、「マカヴォイさんのマッスルも凄かったです!役作りでトレーニングされましたか?」とマカヴォイとマッスルトークを始めます。服を脱ぎ始めた庄司に「全部脱いでくれるの?」と茶目っ気たっぷりにマカヴォイが聞くと、「いいですよ!マカヴォーイ!!!」と上裸で叫ぶ庄司。またハリウッド進出を狙おうと「シャマラン!!!マカヴォイ!!!」とアピールしますが、シャマラン監督に笑顔で「…後で話そう」と言われてしまい、ハリウッドの道のりは険しそうな様子でした。

そしてマカヴォイとシャマラン監督の来日を祝い、23人格にちなみ23種類の花をあしらった花束を持った、髙橋ひかるが登壇。本作で謎の男に拉致されてしまう女子高生たちと同じく、現役女子高生の髙橋は、第14回全日本国民的美少女コンテストでグランプリを受賞した注目の女優。映画が好きという髙橋は中学1年生の頃にシャマラン監督の『アンブレイカブル』を拝見したと言い、『スプリット』の感想を「スリルが満点で、予想外の展開にドキドキしながら観ていました。カメラワークや音楽、距離感によって恐怖を増していて、何回観てもスリルを味わえると思います!」と大絶賛。

シャマラン監督に「Please take me to Hollywood!」と英語でアピールすると、「話していて、心に決めた方向性に進むことが出来る人だと思います。ピュアな表情をしていて、意志の強さを感じます。有名な女優になっても僕を忘れないでね!」と監督からお墨付きをもらいました。

そしてシャマラン監督から、「日本の皆さんに感謝を申し上げたいです。この作品は自分たちにとって意味のある作品で、小規模で撮ったものです。それをスタジオに持って行って世界でヒットし、ようやく日本で公開することができます。日本の観客に衝撃を与えることが出来たなら、とても幸せですし、また自分のキャリアの中でもジェームズと一緒に仕事が出来たのは大きなことでした。今日はありがとうございました!」、続いてマカヴォイから「『スプリット』を是非日本の皆さんに楽しんでもらいたいと思います。そして私にとってもこの作品に参加できたことは、キャリアの中でとても大切なことだと思っていて、同時に自分自身が観たいと思える作品でもあります。コメディのように笑えたかと思えば、本当に恐ろしく恐怖を感じる部分があったり、驚かされる作品です。」と挨拶があり、もう会場を後にしようとするタイミングで、シャマラン監督から最後に一言とリクエストが。「最後にひとつだけ付け加えさせてください。日本の映画がどれだけ自分に影響を与えたかということを伝えたくて、黒澤明監督は勿論のこと、特に宮崎駿監督も自分にとって重要な人物です。オフィスには家族の写真を並べているんですけど、来日した際に撮った宮崎監督との2ショットも並べています。そして是枝裕和監督の作品も観ていて、『誰も知らない』や『奇跡』は観ましたが、自宅に『そして父になる』があるので、帰国してから観ます!」と、日本映画に対するリスペクトを語ったシャマラン監督。イベントを通ししっかりと作品をアピールしたマカヴォイとシャマラン監督は、大きな拍手に見送られ、会場を後にしました。

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【STORY】
監禁された少女たちの運命は? その犯人が内に秘めた、想像を絶する人格とは?
女子高生ケイシー(アニヤ・テイラー=ジョイ)は、級友クレア(ヘイリー・ルー・リチャードソン)のバースデー・パーティーに招かれ、その帰り、クレアの親友マルシア(ジェシカ・スーラ)と共に家まで車で送ってもらうことに。それが悲劇の始まりだった。見知らぬ男が車に乗り込んできて、3人は眠らされ、拉致される…
目覚めると、そこは殺風景な密室。ドアを開けて入ってきた男は神経質な雰囲気を漂わせていた。このままでは命が危ない――どうすれば逃げられるのか? 3人が頭をひねっていた矢先、扉の向こうからさっきの男と女性の声が聞こえる。「助けて!」と叫ぶ少女たち。姿を現したのは…女性の洋服を着て、女性のような口調で話す男だった。「大丈夫、彼はあなたたちに手を出したりしないわ」 絶句する少女たちに、今度は屈託なく、「僕、9歳だよ」と男は話かけてきた。実は、彼は23人もの人格を持ち、DID<解離性同一性障害>で精神医学を専門とする女医フレッチャー(ベティ・バックリー)のセラピーを受けていたのだった。密室で3人VS 23人格の熾烈な攻防が繰り広げられる中、もうひとり、“24人目”の人格の存在が生まれようとしていた―。果たして彼女たちは脱出できるのか!?

監督・製作・脚本:M.ナイト・シャマラン
製作:ジェイソン・ブラムほか
出演:ジェームズ・マカヴォイ、アニヤ・テイラー=ジョイ、ベティ・バックリー、ジェシカ・スーラ、ヘイリー・ルー・リチャードソンほか
2017年/アメリカ/英語/117分/原題:SPLIT/字幕翻訳:風間綾平
配給:東宝東和
©2017 UNIVERSAL STUDIOS. All Rights Reserved.
http://split-movie.jp/

5月12日(金)全国公開!