映画『青春ゲシュタルト崩壊』の完成披露試写会が、5月12日、東京・TOHOシネマズ 日比谷にて行われ、W主演の佐藤新(IMP.)と渡邉美穂をはじめ、共演の瀬戸朝香、戸田菜穂、田辺桃子、新井美羽、藤本洸大が登壇した。
本作は、ケータイ小説サイト「野いちご」にて、小説コンテスト「野いちご大賞」を受賞した丸井とまとの「青春ゲシュタルト崩壊」を原作に実写映画化。ドラマ「Eye Love You」を手掛けた三浦希紗が脚本を務め、期待の若手監督・鯨岡弘織がメガホンを取り、IMP.の佐藤新と渡邉美穂をW主演に迎え、誰もが共感できる新たな青春ムービーが出来上がった。派手な見た目と乱暴な態度で教師から目をつけられているが、人一倍“痛み”に寄りそえる高校2年生の朝比奈聖を佐藤新(IMP.)、自分の顔が認識できない【青年期失顔症】になってしまう間宮朝葉を渡邉美穂が演じる。
公開まであと1か月と迫ったこの日、満席の会場を見渡しながら、佐藤は「予告映像が完成して観ただけで心臓がバクバク、ドキドキしたのに、この完成形が初めて皆さんの目に届くとき、俺はどうなっちゃうんだろうと思って。(今)凄くドキドキしています」と緊張の面持ちで話すと、渡邉も「私は普段あまり緊張しないタイプなんですが、珍しく自分の心臓の音が聞こえるくらい、緊張しています」と、同調。そして、「それと同じくらい皆さまのもとにこの作品が届くことが凄く楽しみです」と満面の笑みを浮かべる。
同世代が多い撮影現場となったが、聖の幼馴染で雨村先生の甥でもある祈役を演じた藤本洸大は、「僕は聖くんとのシーンが多かったんですが、水泳が得意の2人ということで、めちゃくちゃ練習しました。実は僕はカナヅチで、これまでの人生でも水泳を避けてきたんですが、佐藤くんがアドバイスをくださったので、その熱意に応えようと思って練習しました」と回顧。
小学生の頃に水泳を習っていた経験があるという、佐藤も「めっちゃ練習したよね。(藤本は)本番ではバシッとキレイなフォームで泳いでいたので、さすがプロだなと思いましたね」と藤本を称える。MCから「具体的にどんなアドバイスがあったのか?」と聞かれると、「まず、手をピンと伸ばしましょう・・・から(笑)。あと、肺に空気を溜めたら(体が)浮くんですよ!それ、僕知らなくて。そこからです」と明かし、観客を驚かせると、佐藤が「それでそこまで上手くなるのは凄い!」と褒めちぎり、会場を沸かせた。
青年期失顔症の後輩・中条月加役を演じた新井美羽は、「同世代の俳優の方々とご一緒するとき、これまであまりちょっと年上の方との共演がなかったので凄く緊張していたんですが、皆さんが気さくに話しかけてくださって凄く嬉しかったです」と話し、リラックスして撮影に臨むことができた様子。自身の役どころに「同じような境遇の肩も多いんじゃないかなと。みんなの前では明るくても、悩みをなかなか打ち明けられない子。自分も共感する部分がぁつた。海のシーンではそんな自分の殻が破けたような気がするので、注目していただけたら」とアピール。
朝葉と同じバスケ部で一番親しい友人の杏里役を演じた田辺桃子は、「実は私も球技が苦手で・・・。バスケット部員の役と聞いて、何かの手違いだったのでは?と思いました」と告白するも、「でも、そんなことは言っていられないと思って」と覚悟を決めたそう。またバスケット経験者の渡邉にも触れ「普段から明るくてみんなの太陽みたいな存在だったんですけど、ボールを触った瞬間に生き生きするんですよ!素に戻るというか(笑)」と言及する。そして、「杏里のような子は、一番多いタイプじゃないかなと思っていて。学校や会社でも。いざ対峙すると言えなくなっちゃう。皆さんに共感してもらえればと思います」と述べた。
体育館のシーンには佐藤も訪れたそうで、渡邉からバスケットのレクチャーを受けたとのこと。渡邉は「(佐藤さんは)球技はあまり得意じゃないって言っていたんですが、ジャンプシュートは凄くキレイに入るんです。でも、レイアップシュートは本当にひどくて(笑)」とぶっちゃけ。「でも劇中ではジャンプシュートするシーンが多かったので、カッコいい姿が映っていると思います」とフォローし、佐藤を照れさせた。
また、注目ポイントやシーンを問われると、佐藤は「人生で初めて2人乗りをしまして。渡邉さんを怪我させないために、スタッフさんと練習に練習を重ね、たくさんの汗を流してリハーサルを重ねました。もしかしたら、めちゃくちゃ緊張しているのが見えちゃうかもしれないですが、凄く印象に残っています」と答えた。
すると、渡邉が「佐藤さん、2人乗りをしているとき、背筋がピーンと張っていて、姿勢がめちゃくちゃいいんですよ。本当に注目してください。なんか、まな板を入れているのかなっていうくらい。私を落とさないで絶対に走り切るぞ!っていう意気込みが垣間見えて、安全運転とのギャップが非常におもしろいんです。とても素敵だったので注目して観てください」と、エピソードを披露し、佐藤は大照れだった。
朝葉の母・間宮葉子を演じた戸田菜穂は、娘・朝葉と向き合うラストシーンを振り返りながら「渡邉さんが魂のかたまりみたいな感じでぶつけてきてくださったので、私はそれを受け止めてその時に感じたものを演じただけ。この映画は若い人に観ていただきたいのですが、母親世代のかたにも、子供たちがこんなに苦しんでいるんだということをわかっていただける映画になっていると思います」としみじみ。
聖と朝葉を優しく見守る保健室の先生・雨村叶乃役を演じた瀬戸朝香は、「保健室の先生は優しく包んでくれるイメージがあって、(学校の先生たちの中で)唯一生徒の理解をしている役。普段はカチッとした役が多いのですが、今回は反対の柔らかい感じを意識して演じました」と述懐した。
さらに、タイトル名にちなみ、「とっておきの青春劇は?」と聞かれると、渡邉は「高校1までの12年間バスケットをやってきたんですが、やはり思い出に残っているのは高校時代。夏場の練習終わりに、練習着のまま公園で水風船を投げ合ってはしゃいでいたことを思い出します。部室でたこ焼きパーティーをして全部室のブレーカーを落として怒られたり(笑)。これが青春! 」と笑顔を弾けさせる。
一方で、佐藤は「僕はIMP.としてデビューさせていただいて、YouTubeを開設して『未来の自分に手紙を書く』という企画があったんです。7人それぞれグループに対する思いの丈、本音を手紙にして、それをみんなの前で読んで。そうしたら、自分でも信じられないくらい涙が出ちゃって。もうみんな泣いていて、肩を抱き合って泊まるホテルに戻ったんです」と感激のシーンを伝えつつ、「でも次の日の朝“寝起きドッキリ”をやられて。もうあの涙を返せよ!と。感情が追い付かなかった(笑)。今思えば“青春”だったなと思います」と、あらためてグループの存在感を感じていた。
最後に、渡邉は「人間関係に悩みや葛藤されている、そういうものを抱いている学生や若い人に限らず、大人になっても知らぬ間に人を傷つけてしまったり、傷つけられたりしまうこともあるかもしれませんが、この作品では共感していただけるものがたくさんあると思います。人生で生きていく中で、自分が生きやすい方向に持っていくには何かを手放したり、また新しい選択をしなければいけないときもあると思います。この映画を観て、明日も頑張って生きてみようかなと感じて、自分の息のしやすい環境に身を置けるように背中を押してもらえるような作品だったらいいなと思います」と語り、佐藤が「この作品は、人が生きていく中で感じる優しさ、ぬくもり、人間関係の苦しさ、傷ついたときの人間の脆さ、あとは青春の甘酸っぱさだったりがギュッと詰まっています。この作品を観たあとに、自分がこれから生きていく上でヒントになるようなものが得られると思います。一人で多くの方に共有していただいてたくさんの方に観てもらえたら嬉しいです」と熱いメッセージを送り、舞台挨拶を終了した。
【映画情報】
■ストーリー
ある日突然、【青年期失顔症】を発症してしまい、周囲に知られてしまうことを恐れた朝葉は誰にも言えず1人で悩んでいた。そんな、朝葉の異変に気が付いたのは、唯一、同級生の聖だった。聖は朝葉に「今までと変えなくていいの?」と問いかける。彼に振り回されながらも、朝葉は本当にやりたいこと、好きなことは何か、自分自身を見つめ直しはじめ、次第に聖の存在が朝葉の中で大きくなっていく。同じく聖も朝葉と一緒にいるうちに、ずっと抱えていた“あること”に向き合うように・・・。
◎タイトル:『青春ゲシュタルト崩壊』
◎出演:佐藤新(IMP.) 渡邉美穂
田辺桃子 新井美羽 水橋研二 濱田龍臣 藤本洸大 河村ここあ 福室莉音 愛来
戸田菜穂 / 瀬戸朝香
◎原作:丸井とまと「青春ゲシュタルト崩壊」(スターツ出版刊)
◎主題歌:「青空」マルシィ (UNIVERSAL SIGMA)
◎脚本:三浦希紗 ◎音楽:牧戸太郎 ◎監督:鯨岡弘識
◎企画・プロデュース:横山祐子 ◎プロデューサー:伊藤聖
◎配給:NAKACHIKA PICTURES ◎制作プロダクション:AX-ON
◎公開表記:2025年6月13日(金)公開 ◎コピーライト:Ⓒ映画「青春ゲシュタルト崩壊」製作委員会
◎映画公式サイト:https://seishun-gestalt.jp
◎映画SNS(X&Instagram)アカウント:@seishun_gestalt
6月13日(金)全国公開