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徹底的なリサーチ!クエンティン・タランティーノ監督、主演レオナルド・ディカプリオ来日『 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド 』記者会見

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ハリウッドの鬼才クエンティン・タランティーノ監督の最新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』がいよいよ8月30日 (金)日本公開。自他ともに認める親日家の二人が公開を前にツアー最後の地日本に揃って来日、8月26日(月)には記者会見が行われ、プロデューサーのシャノン・マッキントッシュと共に登壇した。

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超満員となった会場は250人もの取材陣で埋め尽くされ、登場するであろう扉に熱い視線が寄せられていた。フラッシュの嵐の中、落ち着いた様子で登場したレオナルド・ディカプリオは『レヴェナント: 蘇えりし者』以来、 11 度目の来日。続いて登場したクエンティン・タランティーノ監督は『ジャンゴ 繋がれざる者』以来の来日で、やや興奮気味に取材陣に「来てくれてありがとう。本当に戻って来られて嬉しい」と挨拶した。

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クエンティン・タランティーノ監督

シャロン・テート殺人事件という史実にフィクションが組み合わさる本作。シャロン・テートという実際にいた人物と、レオナルド・ディカプリオ演じるリック・ダルトンとブラッド・ピット演じるクリフ・ブース という架空の人物の組み合わせというアイデアについてタランティーノ監督は「今回描いている時代はハリウッドのカウンターカルチャーの変化が見られた時代。街だけでなく業界自体の変化もあり、シャロン・テートの事件に至る時間軸にすると歴史的部分も掘り下げられて面白いと思ったんだ。それは13,4歳の頃読んだE・L・ドクトロウによる1970年代の小説『ラグタイム』(後に映画にもなっている)が、変わっているがとても面白くて、今世紀初頭の自動車王フォード、魔術師フーディニ、アナーキストのエマ・ゴールドマンら実在の人物とフィクションが組み合わさったものだったんだ。それで、ハリウッドの一時代を描くのに自分もこの方が面白いと思ったのです」

映画に出演する際は常に徹底的にリサーチをするというレオナルド・ディカプリオ。

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レオナルド・ディカプリオ

「私は映画に対して、キャラクターについてのリサーチを行うが、今回タランティーノ監督は役柄のバックグラウンド等すべて用意していました。ブラッド・ピット演じるクリスも私もこの業界に属しているが、やや落ちぶれていて中心の世界にはいない。ハリウッドが変革していく中で取り残されていく。
実際にはブラッド・ピットも私も自分のキャリアとしては成功していると思う。しかし、業界がどういうものであるかは周りをみてきたし、このキャラクター二人がどういう状況なのかは非常によくわかる。お互いにサバイバルを生き残るために依存し合っている関係。そういったパートナーシップやバックグラウンドすべてが用意されていたので、この映画に入っていくときにはすでにある程度わかっていたのです。そして、撮影をしながら監督から情報はもっともっと入ってきたので、時代の精神もわかりながら撮影することができました」

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タランティーノ監督はパートナーシップやバックグランド等、キャラクター作りについて「50年代当時TV が登場して、TV を通して新しく生まれてきたスターたちは 50 年代~60 年代の過渡期がどうなるか見えていない時代だった。もちろん TV から映画へと活躍の場をひろげ成功した三人の俳優、スティーブ・マックイーン、クリント・イーストウッド、ジェームズ・ガーナーが誰にでもすぐ頭に浮かぶと思うが、映画の質の問題、出演した作品がヒットしなかった、または他の理由でうまくいかなかった俳優たちが大勢いた。そういう実際の俳優たちのいろいろな要素を組み合わせて、ディカプリオ演じるリックを作り上げたんだ」

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レオナルド・ディカプリオは「そう、皆さんご存知の通り、タランティーノ監督といえば映画マニアですから、ものすごい知識の宝庫でその彼にいろいろなものを紹介され、沢山の俳優たちを参考にしました。この映画のリサーチはまるで未知の世界へ入り込んだ感じだった。私はこのリサーチの旅でリックというキャラクターを通して、忘れ去られた人たちもしくは私がほんの一部しか知らなかった人たちのことを知ることができた。どんどん文化は変革し、映画作りも変わっていった。そんなハリウッドという場所は本当に魔法のような世界でリックはまだまだ仕事はできていて、存在はしているのだからラッキーな方なんだと思った。このリサーチは私にとっての素晴らしい経験になりました」

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シャノン・マッキントッシュプロデューサー

プロデューサーのシャノン・マッキントッシュはタランティーノ監督について「クエンティン・タランティーノの作品は本当にマジカルなものがある。現場も素晴らしく、ある意味ファミリーで最初の作品である『 レザボア・ドッグズ 』からずっと働いているクルーも沢山いて彼らは楽しんでこの現場に戻ってきます。監督のビジョンを 一緒に作り上げようとしますし、撮影していない間にはクエンティンの歴史の授業がはじまり、映画、TVといろいろなことを誰よりも知っている彼から学べるのです。彼のスタッフは彼が脚本を書き始めたらいつ撮るのかと連絡してきて他の映画を断ってでも彼の映画に参加したいという、それだけの喜びがあるのです。今回、レオナルド・ディカプリオ、ブラッド・ピット、シャロン・テート役のマーゴット・ロビー三人と一緒に仕事をする彼の仕事ぶりをみて、みんなが感じたのはまさに喜びと素晴らしさでした。
実はテイクを撮った後、クエンティンがOKを出すのにもう1回撮ると言う。『え、なぜ?』と聞くとそこにいるクルー全員が『だって私たちはみんな映画作りが好きなんだ!』というお決まりとなっている返しをみんなでするのです。そして、それは本当にみんなが本心で言っていることなのです」と監督ならではの素敵なエピソードを語ってくれた。

同日夕刻にはジャパンプレミア レッドカーペットも開催され、大盛況のうちに幕を閉じた。

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STORY
リック・ダルトン(ディカプリオ)は人気のピークを過ぎたTV俳優。映画スター転身を目指し焦る日々が続いていた。そんなリックを支えるクリフ・ブース(ピット)はスタントマンかつ親友でもある。目まぐるしく変化するハリウッドで生き抜くことに精神をすり減らしているリックとは対照的に、いつも自分らしさを失わないクリフ。パーフェクトな友情で結ばれた二人だったが、時代は大きな転換期を迎えようとしていた。そんなある日、リックの隣にロマン・ポランスキー監督と女優シャロン・テート夫妻が越してくる―。そして、1969年 8 月 9 日―それぞれの人生を巻き込み映画史を塗り替える【事件】は起こる。

【公式】HP http://www.onceinhollywood.jp/
Twitter:https://twitter.com/SPEeiga
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8月30日(金) 全国ロードショー
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント