映画『MOTHER マザー』の公開記念リモート舞台挨拶が、7月4日、東京・神楽座にて行われ、主演の長澤まさみをはじめ、共演の阿部サダヲ、奥平大兼、郡司翔、浅田芭路と大森立嗣監督が登壇した。
本作は実話をベースにし、既成の価値観では測れない親子のあり方を問いかける感動の衝撃作。社会から孤立していく中で、築かれる母と息子の歪んだ絆が、ひとつの殺害事件を引き起こす物語を描く。『新聞記者』(19)、『宮本から君へ』（19）など話題作を世に送り出した映画会社スターサンズが、実際に起きた「少年による祖父母殺害事件」に着想を得て、『日日是好日』の大森立嗣監督とタッグを組み映画化。社会の闇へ堕ちていくシングルマザー役を長澤、秋子と内縁の夫になるホスト・遼を阿部サダヲ、息子・周平役を新人・奥平大兼が演じている。
この日は、7月3日にオープンした「TOHOシネマズ 池袋」の観客と、神楽座に登壇した監督・キャストをリモートでつなぎ、舞台挨拶の様子を全国5大都市、15劇場でライブ中継した。
モニターに映し出された劇場の様子を見て、長澤は「これまで１つの劇場でしか舞台挨拶をしていなかったけれど、（1度に）たくさんの方と繋がっている感じがして新鮮です」と笑顔を見せる。
先日、完成披露舞台挨拶では「緊張しない」と言っていた奥平は、「いろんな人に見られている感じで変な気持ちです。今日の方が緊張します」と恥ずかしそうに笑いながら「公開してテンションが上がり気味です。ぜひ映画を観て何かを考えてもらえたら」と早速アピール。
阿部は、会場の観客に向かって「遼はイヤな男と思った人は？」と尋ねると、ほぼ全員が手をあげ、その反応に「良かったです！」と満足げ。
最低な母親役を演じたことに長澤は「共感できないお母さん。共感しようと思っても最後までできなかった。わらかないってこともあるんだなと思った作品です」と振り返り、公開することで、「作品が手を離れていく喜びと、（役から）解放される嬉しさと両方です。でも、本当に手放していいのか･･･。後ろ髪を引かれる作品。こういう役は初めてで（イヤな思いも）無駄な時間ではなかったなと思います」と感慨深げに語った。
そんな長澤を阿部は「長澤さんにはないイメージの役。汚くてイヤなイメージを作るのは大変だったと思うけど、一緒にやっていて本当に良かった」と称える。
憧れの長澤との共演に奥平は「本当にビンタをされてビックリしました。思わず涙がでてしまった」と告げると、長澤も思わず「ごめんなさい」と苦笑いしながら陳謝。阿部については「良いお父さんのイメージだったので、ギャップに驚きました」と吐露。
ここで、周平の幼少期を演じた郡司翔くんと浅田芭路ちゃんが登場し、両親役の長澤と阿部に花束を贈った。芭路ちゃんが「お母さんは一緒に遊んでくれたし、お父さんは焼肉を焼いて食べさせてくれました」と可愛い挨拶をして、会場もほっこり。長澤は「私も子供たちが素直で純真無垢、誠実にお芝居をするので、不安になることなく前に突き進めて救われていました」と、優しく微笑んでいた。
最後に長澤は「親子の向き合い方を考えるきっかけになる映画。そしてどこか普遍的な作品だと思います」と伝え、奥平は「いろんな人の目線で観てもらえたら」、阿部は「実際のお話を基にした映画です。実際に起こりこねないと考える映画だと思います」とPRして舞台挨拶を締めくくった。
『MOTHER マザー』
男たちとゆきずりの関係をもち、その場しのぎで生きてきた秋子。シングルマザーの彼女は、息子の周平に奇妙な執着を見せ、忠実であることを強いる。そんな母からの歪んだ愛の形しか知らず、翻弄されながらも応えようとする周平。
彼の小さな世界には、こんな母親しか頼るものはなかった。やがて身内からも絶縁され、次第に社会から孤立していく中で、母と息子の間に生まれた“絆”。それは17歳に成長した周平をひとつの殺害事件へ向かわせる……。
何が周平を追い込んだのか？彼が罪を犯してまで守ろうとしたものとは——？事件の真相に迫るとき、少年の“告白”に涙する。
出演：長澤まさみ、阿部サダヲ、奥平大兼、夏帆、皆川猿時、仲野太賀、木野花
監督：大森立嗣
脚本：大森立嗣／港岳彦
音楽：岩代太郎
企画・製作・エグゼクティブプロデューサー：河村光庸
配給：スターサンズ／KADOKAWA （C）2020「MOTHER」製作委員会
公式 HP http://mother2020.jp
公式twitter @starsands_movie #映画マザー
7月3日（金）、 ＴＯＨＯシネマズ日比谷ほか全国公開
