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山本美月「人の残酷さを許していない作品。ぜひ観てちょっとトラウマになってほしい」 映画『忌怪島/きかいじま』インタビュー!

202302_『忌怪島』山本美月様/Astage-(11)

映画『犬鳴村』、『樹海村』、『牛首村』の「恐怖の村」大ヒットシリーズを生み出した東映と清水崇監督が手がける最新作『忌怪島/きかいじま』。
本作は、“島”という閉鎖空間を舞台に「VR」の世界を表現。「VR」研究チーム”シンセカイ”に次々と降りかかる不可解な死と謎、解き放たれた「赤い女」の怨念が絡み合い…現実と仮想という2つの空間で、今までにない最強の恐怖を描き出す。

父の死をきっかけにこの島を訪れ、西畑大吾(なにわ男子)演じる主人公・片岡友彦とともに不可解な連続死の真相を追う園田環を演じるのは、女優・モデルとして活躍の幅を広げる山本美月。ホラー大好きという彼女が、撮影時を振り返りながら本作の魅力を語ってくれた。

― 本作はリアルな世界とメタバースの世界がミックスされている、これまでのホラー作品とは少し違うテイストの映画になっていると思いますが、脚本を読まれた感想はいかがでしたか?

準備稿から読ませていただきましたが、人間関係のドロッとした部分やホラーの怖さだけではない部分もしっかり描かれていると思いました。閉ざされた島ならではの恐怖がとても印象的で、私はホラー好きなのでぜひ参加したいとお伝えしました。しかも奄美大島に行けるとのことだったので・・・まだ行ったことがなかったので行ってみたいなと思って(笑)。

― 環というキャラクターをどのように受け取って演じようと考えましたか?

脚本が決定稿へと進んで行くなかで、色々なところが削られていくのですが、その中で清水監督が台本には描かれていない部分を書いた紙をくださいましたので、それを参考にしながら役作りをしていきました。

― 監督が書いてくださった点とは?

お父さんとの関係性もありますが、環がなぜ1人で島に来ようと思ったかとか、環がこれまでどういう人生を歩んでいたかなど、環の背景です。とても幸薄い感じがする子だなと思いながら臨みました。ほかにも登場人物も多いですし、環の描写も多くはないのでその設定が役を作る上で役立ちました。

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― これまでの「恐怖の村」シリーズをご覧になった印象は?

『犬鳴村』と『樹海村』を拝見しました。どちらも違うテイストですが、『樹海村』はだいぶ独特な世界観だなと思いました。私も樹海村にまつわるものが好きなので観ていましたが、“コトリバコの呪い”とかいくつか自分の知っている怖いものが描かれていてそこにもテンションが上がりました。あと、私は福岡が地元なのですが、『犬鳴村』は有名な心霊スポットなんです。あそこの近くに通るたびに子どもの頃は車の中で“怖いな”と思っていたことを思い出してワクワクしました。

― 今回、島ならではのホラーを感じたことはありましたか?

最初はそんなに深く考えていなかったのですが、実際に行ってみると“島”という閉ざされた空間とVRも相まって、もう逃げられないかもという怖さがありました。島独特の文化もあって、それがとても魅力的でもあるけど、怖くもある感じがしました。

― 実際に奄美に行かれて神秘性や何か違うものがありそうだと感じたことはありましたか?

凄く気持ちいい場所でした。(奄美は)神様が降り立った場所と言われていますが、それがよくわかると思います。私は霊感もないですし、パワースポットでパワーを感じることもないタイプなんですが、それでも奄美はとっても気持ちが良かったです。今回撮影させていただいた場所は人も少なく、歴史を感じる場所なのでホラー目線で見るとちょっと怖いかもしれませんが、基本的にはとても気持ちがいい場所でした。パワースポットはいろいろあるみたいですが、ただそこにいるだけで気持ちがいいんです。

― 撮影期間はとても気持ち良く過ごすことができたのですね。

そうですね、とても開放感があったので。最初に奄美で撮影して、そのあと東京・千葉でセットを撮ったんですけど、みんな「奄美に帰りたい!」って言ってました(笑)。

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― 共演された西畑さんはいつもの明るいパブリックイメージとは違う感じがしましたが、共演されていかがでしたか?

西畑くんのパブリックイメージというものがよくわからないんですが(笑)、明るい方でしたよ。アイドルのイメージもあり、いつもニコニコしてるのかなと思っていたんですけど、最初に会ったときから素を出してくれて。可愛いところだけじゃなくて、ちょっとドジな一面も見せてくれたり、人間ぽいなと感じて安心しました。

― 具体的にどんな部分に人間ぽいなと感じましたか?

朝がすごく弱いんだなと。いつも朝一寝癖が凄いんです。つらそうでした(笑)。

― お芝居で対峙されていかがでしたか?

楽しくできました。良い意味で凄く完璧すぎるわけでもないので、そこが私にはちょうどよかったです。待ち時間では“シンセカイ”のみんなとお話したり、同世代の方たちと盛り上がっていましたね。1人平岡さんはちょっと(年齢が)上ですけど、平岡さんも同い年みたいな感じではしゃいでいました(笑)。

― 西畑さんと演じるうえで話合ったりしたことはありましたか?

西畑くんは難しいセリフが多かったので「大変だね」みたいなことをお話しました。「こうお芝居をしよう」というような話は全然してないです。

【FIX】「忌怪島」場面写真解禁1

― “シンセカイ”の皆さんとは一緒にワイワイお話しなどされましたか?

はい、私もちょっと混ぜてもらいました。平岡(祐太)さんの撮影の日に雨が続いていたのですが、(平岡さんは)一番初めのほうに現場に入っていたのに、結局最後のほうまで撮影していて。これは平岡さんが悪いんじゃないか、何かが憑いてるんだって冗談を言って、みんなで塩を振っていました(笑)。

― ホラーファンとして、完成作品をご覧になって本作の魅力や怖さをどこに感じましたか?

VRが入ってることで今まで見たことのない新しいホラー作品になってると思いますし、私は島の伝説みたいなものが結構好きで、そこにもワクワクしました。怨霊ももちろんですが、なぜ“赤い女”の怨霊になったのか・・・人の怖さみたいなものも凄く描かれていて怖かったです。

― ホラー作品の現場ほど現場が楽しく和やかだという話をお聞きしますが、今回の現場もそうでしたか?

そうですね、今まで経験したホラー作品のなかで、今回の現場が一番和やかだったかも。みんな距離が近くて仲良しでした。だから楽しかったのかな。

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― 清水監督も穏やかな印象を受けます。

監督ともよくお話しさせていただきました。監督が心霊スポットに行った話とか、奥様のお話とかいろいろ聞かせていただきました。ホラーを撮る監督って、怖がりの監督と怖がりじゃない監督といるんですが、清水監督は全く怖がりじゃない方なんです。怖いって感情がなくても怖いものって作れるんだと思いましたね(笑)。

― ところで、山本さんがホラー好きになったきっかけは何だったのでしょうか?

私は昔から非科学的なものが好きで、妖精や魔法が好きだったので、その延長線上かもしれないですね。よく「ムー」とか読んでいました。何かいたら怖いけど、お化けがいるということは魔法もあるかもしれない・・・何か非科学的なものが存在するかもしれないという可能性が楽しくて好きです。

― 貞子と伽椰子の対決を間近でご覧になった山本さんですが、貞子と伽椰子、そして今回の赤い女を比べてどんな違いや怖さがあると思いますか?

貞子と伽椰子は山本美月的に言うと“知ってる2人”なんです。顔馴染みな感じで、この人たちはこういう経験をしていて、その苦労も知っている。でも、今回は知らない人なので、知らないという怖さがありますね。

【忌怪島/きかいじま】0221_共演者情報解禁_スチール1

― 実際に赤い女の恐怖を感じましたか?

感じました。貞子と伽椰子はまだ人の気配があるんですけど、イマジョはフジツボがついていたりビジュアルが細かくて、より何だかわからないという感じが強かったです。(ビジュアルの)作り込みに時間がかかっていたと思います。ホラー部さんたちも凄く俳優部に気を遣ってくださって、直前まで仕掛けを見せない演出をしてくれました。(イマジョを演じた祷)キララちゃんは一緒の楽屋にいましたが、途中で出てくる死体や手とかは直前まで見せないようにしてくれて。どれも見ても触っても気持ちが悪かったです。

― ホラー好きの山本さんにとってもゾッとする要所が多かったのですね。

そうですね。役者へのホラーの配慮が素晴らしかったと思います。本当に怖かった。完成作品を観て、バックボーンもこんなシーンを撮っていたのかと思って、観ていて心が痛かったです。

― 清水監督は撮影現場ではどんな感じなんでしょうか? 特別な演出はありましたか?

現場は平和でした。殺伐としてることもなく誰も怒らず、みんなが奄美時間でのんびりしていました。監督は本当に優しいんです。「怖がるときはもう少しこちらの気配を感じて」とか、目で見えない部分のお芝居というか、感じるものを足す演出をしていただきました。
例えば紐が動いてるところで何かを感じ取るところでは、紐を見るだけじゃなくて紐をたどっていくような、細かいホラーならではの演出をしていただきました。とても繊細な演出でした。

【FIX】「忌怪島/きかいじま」0221解禁_山本美月さん個別スチール

― 環とご自身は似てないタイプでしたか? 演じる上で難しいと思ったところありましたか?

彼女の背景を知ってる私としては全然似てないと思いました。自分と全然違う分、友彦にこの言葉をかけるとき、どういう気持ちで言っているんだろうとか。仲が良くなるにつれて友彦との距離の詰め方が一番難しかったかもしれません。あと、ぬかるみで滑りそうになったり、海や水が関係するところはやはり大変でしたが、私よりも大変だった人たちがいっぱいいると思うので、比較的、私はみんなで楽しく撮影できた気がします。少し話は違いますが、撮影現場は同じような路地が多かったので、待機場所には1人で戻れないなと思いました(笑)。

― 最後に山本さんから見た本作の注目ポイントを教えてください。

VRとホラーを組み合わせた新しい作品でもありますし、昔からある言い伝えと新しいものも合体してる今までにない作品になっています。謎解き要素もあるので、最初はわからない部分があるけれど、最後はびっくりする展開になっていきます。私は人の怖さがすごく魅力的に感じました。作品によっては結局いい人になるような終わり方とかもありますが、(本作は)そういうところを許していない、厳しいホラーだと思います。そこがとても魅力的で人の残酷さが一番響きました。ストレートに観て、ちょっとトラウマになってほしいなと思います(笑)。

【山本美月(Mizuki Yamamoto)】
1991年7月18日生まれ。2009年雑誌「Can Cam」の専属モデルとしてデビュー。2011年からは女優活動も始め、翌年『桐島、部活やめるってよ』で映画初出演を果たす。主な出演作にTVドラマ「パーフェクトワールド」(19/KTV)、「ランチ合コン探偵」(20/YTV)、「星から来たあなた」(22/Amazonオリジナル)、映画『貞子vs伽椰子』(16)、『ピーチガール』(17)、『去年の冬、きみと別れ』(18)、『ザ·ファプル』シリーズ(19/21)などがある。

撮影:ナカムラヨシノーブ

【忌怪島】本ポスタービジュアル

映画『忌怪島/きかいじま』
【出演】 ⻄畑⼤吾(なにわ男⼦)
⽣駒⾥奈 平岡祐太 ⽔⽯亜⾶夢 川添野愛
大場泰正 祷キララ 吉田妙子 大谷凜香 ・ 笹野⾼史
當真あみ なだぎ武 伊藤歩 / ⼭本美⽉

監督:清水崇
脚本:いながききよたか 清水崇 音楽:山下康介
製作:柳迫成彦 與田尚志 藤島ジュリーK. 丸橋哲彦 牟田口新一郎 後藤明信 吉村和文 宮田昌広 檜原麻希
企画:紀伊宗之 企画・プロデュース:小杉宝
撮影:伊集守忠 美術:都築雄二 照明:酒井隆英 録音:田中博信 編集:鈴木理 装飾:松田光畝 スタイリスト:城宝昭子 ヘアメイク:小出みさ
特殊デザイン:百武朋 VFXスーパーバイザー:鹿角剛 音響効果:赤澤勇二 キャスティング:杉野剛 助監督:毛利安孝 ホラー担当:川松尚良 制作担当:伊藤栄
配給:東映

【上映時間】109分
【コピーライト表記】 ©2023「忌怪島/きかいじま」製作委員会
【公式HP】 https://kikaijima-movie2023.jp/
【公式Twitter】 @Kikaijima2023 (https://twitter.com/kikaijima2023)
【公式Instagram】 kikaijima2023(https://www.instagram.com/kikaijima2023/
【公式TikTok】 kikaijima2023(https://www.tiktok.com/@kikaijima2023

6月16日(金)全国公開

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