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志田彩良、役作りで家事を猛特訓!「撮影の前日に家で100個水餃子を作った」 映画『かそけきサンカヨウ』公開記念舞台挨拶

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今泉力哉監督最新作で志田彩良主演映画『かそけきサンカヨウ』が10月15日に全国公開された。

映画は、人気作家・窪美澄の同名短編小説を映画化。家庭環境のせいで早く大人にならざるを得なかった高校生・陽の葛藤と成長が、同級生・陸との“恋まではたどり着かないような淡い恋愛感情”を交えて描かれている。
主人公・国木田陽に「ドラゴン桜」(TBS)が話題となった志田彩良、陽をやさしく見守る父親・直を井浦新、陽の同級生・陸に「ドラゴン桜」でも志田と共演した鈴鹿央士、直の再婚相手・美子を菊池亜希子、陽と陸の同級生の沙樹を中井友望が演じる。監督は作品に流れる空気感やリアリティが高い評価を受け、今年は『あの頃。』『街の上で』と既に2本の作品が公開され、城定秀夫監督とのコラボ映画が来春公開を控える今泉力哉監督。

10月16日、東京・テアトル新宿にて、本作の公開記念舞台挨拶が行われ、主演の志田彩良をはじめ、共演の井浦新、鈴鹿央士、菊池亜希子が登壇した。

主人公の国木田陽を演じた志田さんは「陽は家事を日常的に行っている女の子なのですが、私自身は恥ずかしながら一回も洗濯機を自分で回したことがなくて。このままでは家事のできる子には見えないだろうなと思って、ちょうど撮影期間の前が自粛期間中だったので、今日から家族分の洗濯や食事の準備などをやりますと母に言って、母に一から洗濯の仕方などを教えてもらい、家族全員分の炊事洗濯をしていました。映画の中で水餃子を作るシーンがあるんですが、撮影の前日に家で100個水餃子を作ったりしました。今でもたまに家事はしていて、なるべく自炊するようにしています」と役作りでの苦労を明かした。

主人公・陽の父親・直を演じた井浦さんは「映画音楽を作る仕事をしている父親役だったので、最初はどんな服を着て仕事しているんだろうというところを監督と話し合いました。メガネは掛けようかという話になって、私物の眼鏡も持っていったら「このメガネ、監督の眼鏡に似てますね(笑)」なんて話しながら、外見の部分から役について話し合っていく上で陽との距離感とかも監督と話し合って決めました」と役作り中のエピソードを披露した。

陽が淡い恋心を抱く同級生の陸を演じた鈴鹿さんは「陸が壁にぶつかった時に乗り越えようとする、一歩踏み出す強さや、人に対する優しさは僕にはないので…身に付けられるよう頑張ります!」と発言。すかさず志田さんが「充分、優しいと思いますよ」とフォローして場を和ませた。

陽の新しい母親・美子を演じる菊池さんは「この役を演じる直前に二人目の子供が生まれたタイミングだったので、ちょうど“母”ということを考えていました。物理的には母になっているけれど、中身は私自身のままで、“母と娘”について考えていた時期だったので、陽ちゃんの気持ちもよく分かって。新しいお母さんとか、言葉にしてしまうと平べったくなってしまうけれど、一人の女性として陽ちゃんとちゃんと向き合えたらいいなと思って演じました」と役について語った。

そしてここで登壇者にはサプライズで、原作者の窪美澄さんからの手紙が届けられ「「普通の家族」から、どんなに遠くても間違ってはいない、というメッセージを丁寧に、丁寧に、描いていただきました」とキャストへの感謝のメッセージが読まれると、志田さんは「嬉しいです。グッときました」と笑顔を見せ、鈴鹿さんも「映画を観てこう思ってくださって、ゼロからこの作品を書かれた原作者の方にそう言っていただけて嬉しいです」と嬉しそうな様子。井浦さんも「原作者の窪さんがこの映画をどう感じてくださっているのか気になっていたので、それが知れて嬉しいです」と答え、菊池さんも「撮影を観に来てくださったことがあって、その時に「とても楽しみにしています。すでに幸せです」と仰っていただいて、私も微力ながら原作を素敵な映画にするための力になることができていたらいいなと思いました」と応じた。

そして窪さんからのお手紙に続き、本日会場に来れなかった今泉監督からの手紙を井浦さんが代読し「観客のみなさまの顔を見たくて、正直、多少、無理をしてでも登壇しようと思ったのですが、映画「かそけきサンカヨウ」に出てくる大人たちはみんな正直で、強がらずに、生きています。ここで無理をすることこそ、この映画のメッセージに反しているのかな、なんて考え、きちんと休もう、みんなに甘えようと決めました。きっと映画の中の登場人物は「休むことが悪いことだなんて思わない」って言ってくれるだろうな、と、そう思いました。私が休んでいることも、今、一生懸命、生きている人たちへの何かしらのメッセージになれば幸いです。みなさんもつらくなったら、休むこと、忘れずにいてくださいね」とメッセージを読む場面も。

集まった観客に向けて、菊池さんは「家族や両親、友達や恋人とか人間関係って難しいじゃないですか。日々、人間関係で思い悩むことって多いと思うけれど、それを救うのも人との関わりだったりするので。人との関わりの中で健やかに生きていくことができると、この映画を観て私は思いました。昨日緊張して寝付けなかったんですが、この映画の場面を思い出していたら眠れました。多くの方にこの作品が届けばいいなと思います」と語った。

井浦さんは「今泉監督の真骨頂といえるような繊細な映画作りによって、この作品は瑞々しい作品に仕上がっていると思います。先程の監督の手紙でも、キツイときはキツイと当たり前のことを当たり前に言うっていう、そういう当たり前のことを当たり前にするというメッセージが作品にも込められていると思います。この作品が皆さまの心を潤して癒やす作品となっていたら幸せです。気に入って下さったらぜひ周りの人にも紹介してください」とアピールした。

鈴鹿さんは「監督はとことん人に寄り添ってくれる優しい監督で、この作品も人に寄り添う優しい作品です。僕はこの作品は人生の中で大切にしたい部分を繊細に描いた作品だと思っています。この作品を観て、優しい気持ちになったり、友達や家族や好きな人に優しくしたいなとか、温かい気持ちになっていただけたら嬉しいです」と作品に込めた想いを語った。

最後に志田さんから「こうして映画館に足を運んでくれる方がいて、映画が無事に公開されるということは当たり前のことではないと思うので、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。ここ数年で世の中が変化して、心が疲れてしまった方もいると思うんですが、この作品が、逃げ場だったり、救いになってくれたらいいなと思います。まだまだ公開これから続きますので、ちょっと疲れてしまったなという人がいたら、映画館に来てこの作品を観ていただけたらなとおもいます。あと、今泉監督がいつも舞台挨拶などで言っているん言葉ですが、観てくれた方の感想とか直接的な言葉というのがとても大切なので、ぜひ、今日観ていただいた感想などを素直にSNSなどで広めていただけたら嬉しいですし、身近な方には直接この作品のことを薦めていただけたら嬉しいです」と観客に向けてメッセージを送った。

映画『かそけきサンカヨウ』は全国絶賛公開中

<STORY>
高校生の陽(志田彩良)は、幼い頃に母・佐千代(石田ひかり)が家を出ていき、父・直(井浦新)とふたり暮らしをしていたが、父の再婚によって、その穏やかな日々は終わりを告げ、再婚相手である美子(菊池亜希子)とその連れ子で4歳のひなたとの4人家族の新たな暮らしが始まる。そんな新しい環境への戸惑いを、同じ美術部に所属する同級生の陸(鈴鹿央士)に打ち明ける陽。実の母・佐千代への想いを募らせていた陽は、絵描きである佐千代の個展に陸と一緒に行く約束をする。

志田彩良 / 井浦 新
鈴鹿央士 中井友望 鎌田らい樹 遠藤雄斗
石川 恋 鈴木 咲 古屋隆太 芹澤興人
海沼未羽 鷺坂陽菜 和宥 辻 凪子 佐藤凛月
菊池亜希子 / 梅沢昌代 西田尚美 / 石田ひかり
監督:今泉力哉
主題歌:崎山蒼志「幽けき」(Sony Music Labels)
原作:窪美澄『水やりはいつも深夜だけど』(角川文庫刊)所収「かそけきサンカヨウ」
脚本:澤井香織 今泉力哉
音楽:ゲイリー芦屋
配給:イオンエンターテイメント
©2020 映画「かそけきサンカヨウ」製作委員会

絶賛全国公開中!