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柳楽優弥「忘れることが一番怖い」 黒崎監督は「なんでここに春馬くんがいないんだ」悔しがる 映画 太陽の子』初日舞台挨拶

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『映画 太陽の子』の公開初日舞台挨拶が、8月6日、東京・TOHOシネマズ日比谷にて行われ、主演の柳楽優弥をはじめ、共演の有村架純と、黒崎博監督が登壇した。

本作は、日本の原爆開発”を背景に、時代に翻弄されながらも全力で駆け抜けた若者たちの、 等身大の姿を描いた青春グラフィティ。「この研究が成功すれば、戦争は終わる」と信じて、実験に没頭する若き科学者・石村修を柳楽優弥、戦後の未来を見据えて力強く日々を生きている幼馴染の朝倉世津を有村架純、修の弟で父親の意思を継ぎ軍人となった裕之を三浦春馬が熱演。研究室のトップ・荒勝文策に國村隼、愛深き母・フミを田中裕子が演じ、監督・脚本はNHK大河ドラマ「青天を衝け」などを手がける黒崎博が監督・脚本を務める。

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約2年前に撮影された本作。柳楽は「思い出がたくさんある。みんなで食事に行ったり、撮影していない時も役がらに似ていた気がします」と振り返り、その中でも「鴨川のほとりで春馬くんと二人で走ったシーンが思い出されます」と語った。「春馬くんがタフで・・・(笑)。僕がなかなか追いつけなくて役とリンクしていましたね」と苦笑い。監督も「本当に春馬くんは体力が無限にあるのかと思うくらいだった」と吐露。「3テイクして走り切ったあと、柳楽くんが『もう無理っす!』って言ったよね」と柳楽と顔を合わせて笑った。

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有村は「皆さん温かい人ばかりで、穏やかな雰囲気の中撮影が進められていました」と現場の様子を話し、「柳楽さんは周りを巻き込む力が凄い方。そこにいるだけで周りが引っ張られて、吸い込まれていく感じ。この人がいるだけで空気が変わるってこういうことを言うんだと思いました」と伝え、一方「春馬さんは全ての空気を調合して、また新しい空気を作ってくれる。どこの場所でも周りが気持ちよくいられる空気を作ってくれる方です」それぞれの印象を述べた。

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そんな素晴らしいキャストが揃ったことに、監督は「ありがたいこと」と一言。「『よーい、スタート!』の声がかかる前からステキなセッションが始まっていた」と3人の化学反応に満足気。

イベントでは、映画の場面写真をスクリーンに投影しながら、さらに思い出を語った。日中の海のシーンでは「京丹後の海の色がキレイだった」と柳楽。「みんなの気持ちがこみ上げて爆発する前(の撮影)だったのでとても楽しかったです」と懐かしんだ。

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有村は田中裕子演じる母親と息子のシーンに触れ、「この時に(田中は)ひと言もセリフを発していないんです。言葉では表現できないものがあると確信しました。言葉では表せない熱量があった。とても勉強させていただきました」と田中の演技に圧倒された様子。

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また、日米共同制作の本作。声で出演したピーター・ストーピアから手紙が届き、「学びから前向きな明るい笑顔を作っていきたい。そんな作品に出演した自分を誇りに思います」というメッセージに、感激の3人。ラストの柳楽の英語のシーンは最初は日本語だったというが、「直感的に英語で対話したいと思った」という柳楽の提案で英語に変更に。「大好きな俳優さんなので、声だけでも共演できて嬉しかったです」と微笑んだ。

最後に監督は「日本人とかアメリカ人とか人種を超えて演じていこうと話していました。人間みんなの問題として観て欲しい」とし、「ただ、(この日に)足りないことがある。なんで春馬くんがいないんだ」と吐露。それでも「スクリーンの中に走り切った姿が残っている。今でもお互いを感じながら話ができるのは凄いことです。とにかくこの映画で最後は生きて生きて生き抜くしかないというメッセージが届けば」と感慨深げに話した。

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有村は「この作品にはたくさんの伝えたいメッセージがあります。未来を作るため生き抜いていく青春の話でもある。春馬さんが『自分たちの仕事は想像力を届けることだ』と言っていた言葉が心に残っています」と。

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柳楽は、この日行われた「広島の日」の平和記念式典の挨拶での小学生のスピーチを引きあいに、「別れるということは忘れられることと話していた。忘れていくということが一番怖い。それがこの映画を通じて伝えたかったことです。この作品が平和の一歩になれば」と思いの丈を話し、舞台挨拶を締めくくった。

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『映画 太陽の子』
<ストーリー>
静かな涙が、あふれる夏になるーー 悩んで、泣いて、笑った3人の300日!
1945年の夏。軍の密命を受けた京都帝国大学・物理学研究室の若き科学者・石村修(柳楽優弥)と研究員たちは原子核爆弾の研究開発を進めていた。研究に没頭する日々の中、建物疎開で家を失なった幼馴染の朝倉世津(有村架純)が修の家に居候することに。時を同じくして、修の弟・裕之(三浦春馬)が戦地から一時帰郷し、久しぶりの再会を喜ぶ3人。ひとときの幸せな時間の中で、戦地で裕之が負った深い心の傷を垣間見る修と世津だが、一方で物理学に魅了されていた修も、その裏側にある破壊の恐ろしさに葛藤を抱えていた。そんな二人を力強く包み込む世津はただ一人、戦争が終わった後の世界を見据えていた。それぞれの想いを受け止め、自分たちの未来のためと開発を急ぐ修と研究チームだが、運命の8月6日が訪れてしまう。日本中が絶望に打ちひしがれる中、それでも前を向く修が見出した新たな光とはーー?

柳楽優弥 有村架純 三浦春馬
イッセー尾形 山本晋也 ピーター・ストーメア
三浦誠己 宇野祥平 尾上寛之
渡辺大知 葉山奨之 奥野瑛太 土居志央梨
國村隼 田中裕子

監督・脚本:黒崎博 「ひよっこ」「青天を衝け」
音楽:ニコ・ミューリー 『愛を読むひと』
主題歌:「彼方で」 福山雅治  (アミューズ/ユニバーサルJ)
制作:KOMODO PRODUCTIONS 宣伝:KICCORIT
配給:イオンエンターテイメント
製作:「太陽の子」フィルムパートナーズ
Presented by ELEVEN ARTS STUDIOS / NHK
©2021 ELEVEN ARTS STUDIOS / 「太陽の子」フィルムパートナーズ
公式サイト:https://taiyounoko-movie.jp/

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