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『秒速5センチメートル』主演・松村北斗×奥山由之監督 第30回釜山国際映画祭 インターナショナルプレミア舞台挨拶登壇!

実写版「秒速」が世界へ―
松村北斗×奥山由之監督が第30回釜山国際映画祭
インターナショナルプレミア舞台挨拶に登壇!!

タイトル

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『君の名は。』(2016年)、『天気の子』(2019年)、『すずめの戸締まり』(2022年)など、記録的な大ヒット作を生み出してきた新海誠の劇場アニメーション『秒速5センチメートル』(2007年)。映像美、音楽、特徴的なセリフで編まれた詩的な世界観は、センチメンタリズムが凝縮された新海ワールドの原点との呼び声も高く、公開から18年たった今もなお、日本のみならず世界中で愛されています。主人公・遠野貴樹の18年間にわたる人生の旅を、幼少期、高校生、社会人の3つの時代で描いた本作が、新海誠監督のアニメーション作品では初の実写映画として、いよいよ来月10月10日(金)に公開! 主人公・遠野貴樹を、本作が初の単独主演映画となる松村北斗、ヒロイン・篠原明里を高畑充希が演じます。また、上田悠斗、白山乃愛、青木柚、森七菜、宮﨑あおい、木竜麻生、吉岡秀隆といった豪華キャスト陣が出演し、『秒速5センチメートル』の世界を彩ります。

メガホンをとるのは、「ポカリスエット」のコマーシャル映像や、米津玄師「感電」「KICK BACK」星野源「創造」のミュージックビデオを監督し、映像監督・写真家として若くして国内外から高い評価を得ている奥山由之。昨年公開のオムニバス長編映画『アット・ザ・ベンチ』では、3館でスタートした上映が80館にまで拡大し、北京国際映画祭「FORWARD FUTURE」部門において最優秀脚本賞と最優秀芸術貢献賞をダブル受賞するなど非常に評価が高く、今、大きな注目を集めているクリエイターです。切実さと誠実さをもって、今しか作れない『秒速5センチメートル』を真摯に撮りたい、と語る現在34歳の若き新鋭・奥山由之監督にとって、本作が初の大型長編商業映画監督作となります。

新海誠監督のアニメーション作品としては初の実写映画となる本作ですが、世界からの注目と期待が高まり、原作人気の高い韓国・ベトナム・タイ・インドネシアでの海外配給が決定。今後さらに多くの国・地域での配給が決まっていく予定です。

この度、本作で主演を務めた松村北斗と奥山由之監督が、第30回釜山国際映画祭に参加!
本作、初の海外上映となる、インターナショナルプレミア上映のGuest Visit(舞台挨拶)に登壇しました!
1996年に創設され、アジアを代表する映画の祭典として常に注目を集めている釜山国際映画祭。中でも、本映画祭の目玉であり、人気・芸術性に富んだ新作や国際的に評価された作品が選出されるオープンシネマ部門に、本作が正式出品することが決定! 9月22日(月)には、釜山最大の座席数(5,000席規模)を持つメイン会場「映画の殿堂」の野外スクリーンにて公式上映されます。

公式上映を前に、9月18日(木)、本作で主演を務めた松村北斗と奥山由之監督が釜山の地へ到着! 韓国を代表する海雲台(ヘウンデ)ビーチを前に、釜山国際映画祭への意気込みを語りました。同映画祭のA Window on Asian Cinema部門に選出された『キリエのうた』(2023年)以来2度目の参加となる松村は、釜山国際映画祭への参加について、「前回初めて釜山に来た時の感動も大きかったですが、今回は再び来ることができたという喜びや、奥山さんと一緒に来られたということが、こんな経験もあるんだと感動しています。」と期待に溢れる想いを述べ、今回初めて釜山国際映画祭に参加する奥山監督は「この作品が、釜山でどのように受け止められるのか本当に楽しみですし、何より日本の春夏秋冬がたくさん映っている作品だと思うので、釜山の海風を感じながら観ることができるというのがとても光栄です。」と、前向きな想いを語りました。

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松村は、韓国で楽しみなことを問われると、「イイダコを甘辛くしたチュクミと、韓国特有の甘辛く焼いたウナギも食べたいです」、奥山監督は「先ほどアワビ粥をいただきました。せっかくの映画祭なので、色々な作品を観たいと思っています。」と語りました。

海外で初めての上映となるインターナショナルプレミア上映に向けて、松村は「初めて海外の皆さんに見ていただくということで緊張もしていますが、ちょうど昨日、日本での舞台挨拶を終えて、日本のみなさんからいいお言葉をたくさんいただいて、勇気をもって胸を張って韓国での上映を迎えられそうです。ありがとうございます。」と日本のファンへ感謝を述べ、「海外の方がどういう感覚、どういう視点で見るのか、正直未知な部分があるので、驚きや発見もある上映になると思います。今回の映画には「種子島編」として海が重要なパートもあるので、海が特徴的な釜山で上映をするということは、とてもリアルな温度感が伝わり、受け入れてもらえるのではないかと期待しています。」と期待に胸を膨らませました。また、奥山監督は「原作のアニメーションも韓国でたくさんのファンがいらっしゃるので、どのようにこの実写版を受け止めていただけるかというのを楽しみに思っておりますし、字幕はありつつも、言葉をこえた表情や映像ならではの表現もたくさんある作品なので、国境を越えて作品を届けられることを嬉しく思います。」と語りました。

そして、9月19日(金)の19:30から、ソヒャンシアター新韓カードホールにて、インターナショナルプレミア上映がおこなわれました。本作にとって、海外での上映は釜山国際映画祭が初めて。チケットは発売開始後、数分もたたぬうちに早々に完売! 原作アニメ人気の高い韓国でも、本作の注目度の高さを伺うことができました。
上映後、松村北斗と奥山由之監督が、約700名のお客様の前で、Guest Visit(舞台挨拶)に登壇しました。上映後、松村と監督が拍手に包まれて登壇すると、監督が「アニョハセヨ。」と、韓国語を使って挨拶。続いて、松村も「アニョハセヨ。松村北斗です。」と挨拶すると、会場からはキャーという黄色い歓声が。

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その後、奥山監督へモデレーター(MC)から「なぜ新海誠監督のアニメーションを映画化したのか」という質問がされると、「2年くらい前にプロデューサーの玉井さんからお話をいただいたのが始まりです。僕は、高校時代に原作のアニメを見ていたのですが、30代になってから改めて見直してみると、3つのパートからなるアニメーションのうち、最後の大人になった主人公の貴樹が抱いている、30代特有の、未来への不安や過去への未練など、そういったものが合わさった焦燥感、不安、焦りが、今の僕にもすごく重なり合いました。今の自分だからこそ、この原作を実写映画にできるのではないかと思って、オファーを受けました。」と制作の経緯を回答。松村さんへは、「どのようにこのプロジェクトに参加することになったのか。また実写映画で遠野貴樹役を演じるにあたって、どのように役作りをしていったのか」という質問に対して、「オファーをいただいた時点で、すごく怖いチャレンジだなと思いました。日本だけでなく、韓国の皆様もそうですし、世界各国にファンがいる原作で、ある意味、映画として一度答えが出ていて完成されている作品に、もう一度チャレンジするというのはすごく怖かったです。ですが、僕自身、もとから大ファンの原作だったので、お話をいただいてしまった以上、やりたいという気持ちを止められないというのが、この作品に挑むきっかけでした。」とオファーを受けた際の気持ちと原作への想いを告白。
そして、「役作りで大切だと思ったのは、今言ったように、自分が好きな作品で、自分が好きなものを投影していたタカキというキャラクターだったからこそ、自分がこういうキャラクターでいたいという欲や憧れみたいなものを一度捨てて、きちんとこの人の人生と向き合うのに時間がかかりました。そこがかなり重要かつ難しい作業でしたね。」と原作ファンならではの苦労を語りました。

続いて、「松村北斗さんが三宅唱監督の『夜明けのすべて』に出演された際、夜空を見上げて星を数えるというシーンがありましたが、今回の『秒速5センチメートル』の中でも、星を見ながら色々な思いを巡らせるという部分が共通していて面白かった」という感想に、松村は、「どちらの作品にも星やプラネタリウムというものが共通していて、偶然にも北斗という僕の名前は星が由来なので、すごく縁深いものだなと感じています。人間の細胞をどんどんズームアップしていくと宇宙の様子と似た画像になるそうで、そのように人間は自分のことでも、小さい一つのことが宇宙のようにわからなかったりします。宇宙や星というのは、ある意味、人間の大きなテーマなんじゃないかなと思っています。」と自身の名前と作品の縁の深さについて語りました。

そして、監督へ、「この映画は1990年代初頭から2009年までの時間を扱っていますが、だからこそアナログ的な感性を非常に繊細に表現する撮影が中心となっているように見えました。特に、豊かな自然の質感を出すフィルムの映像が印象的でした。この映画はフィルムで撮ったのですか?」という質問が投げかけられると、「20年近い前の作品を改めて実写化する際に、どこか懐かしいけど新しいみたいな感覚の作品にしたいという思いがありました。そこで撮影はデジタルですが、それを後から、16mmのフィルムに焼き付けるフィルムレコーディングという特殊な手法を使って、フィルムにするという工程を踏んでいます。明るさが暗いシーンだと、デジタルはフィルムよりも、フォーカスを合わせやすかったり、再現度が高い状態で撮ることができます。それを今度フィルムに焼き付けると、フィルムを使って撮影したのとは異なる、再現度は高いのに質感はフィルムになるという、相反するものが混在するなかなか見たことのない映像感になっているのではないかとは思います。」と返答し、写真家であり映像監督ならではの技術的なこだわりについて語りました。

その後、来場者からの質問に答えるQ&A方式で、『秒速5センチメートル』の制作についてより深堀った話が展開。「監督はMVも多く手掛けられていますが、映画を観ながらそんな感覚を覚えました。画面のワイドが狭いのかと思いましたが、そういう要素も取り入れられましたか?」という質問に対しては、「この作品は遠野貴樹の内面的な心の機微や揺らぎなどを掘り下げていった先に、誰しもが普遍的に感じるものに到達する物語だと思っています。貴樹という人物にしっかりフォーカスすることを意識したときに、あまりワイドではなく、少し横の幅を狭く撮ることで、真ん中に映る人物の内面にすごく集中できるのではないかみたいなことは思っていました。あと、ミュージックビデオの経験が活かされたことでいうと、先日、韓国の監督と話していて知ったのですが、日本の映画の撮影日数は、韓国の映画の撮影日数に比べてもすごく短いんです。現場での判断にもスピード感が求められるのですが、ミュージックビデオは半日から1日で映像を撮らなくてはいけないので、制作チームのチームワークが強くないと成立しない。今回のスタッフの方たちは、僕が今までミュージックビデオを一緒に作ってきた信頼関係を築き上げてきたチームで、柔軟に映画を作ることができました。クオリティの高い作品を限られた日数で撮ることができたのは、ミュージックビデオの経験が活かされたかなと思います。」と語りました。

「『秒速5センチメートル』というタイトルについて、それぞれの速度がとても出ていて、会うために待つ時間や、月のスピード、宇宙船など、それぞれの速度の中で出会いと別れがあったり、偶然があったり、そういうことが感じられる作品だった」という感想に対して、奥山監督は、「『秒速5センチメートル』の魅力的な要素の1つとして、距離や時間は、いつ誰が、どこでどのように感じるかで、伸び縮みするということを描いている物語でもあると思います。貴樹にとって、例えば岩舟に向かう電車の中で、雪で電車が動かなくなってしまった時間は、たった数時間でも彼にとっては永遠のように長く感じたと思うんです。同じように距離にしても、例えば貴樹と明里は引っ越しによって物理的な距離が離れてしまったけど、文通というやりとりで心理的な心の距離っていうのは近くなったかもしれない。逆に貴樹と花苗という種子島で同じ学校に通う二人は物理的な距離は近いけれど、心理的な距離はなかなか縮まらない。そういう距離と時間というものの伸縮性を原作の新海さんが巧みに描いた物語だと思うので、そこに注目して見ていただけるととても嬉しいです。」とお客様に注目してほしいポイントを伝えました。

最後に、松村に対して、「貴樹を演じながら、自分と似ていると感じた点はありましたか?」という質問が。松村は、「具体的な境遇は違うけれど、人にはそれぞれが生きるスピードがあって、自分がゆっくりなのか、どこかズレが生じていて埋まらないと感じることがあり、それが自分にとってネガティブなものであるということが、貴樹と根底にあるベースのムードは近かったかなと思います。」と貴樹との共通点について語りました。

大切な人との巡り合わせを描いた、淡く、静かな、約束の物語。
実写版『秒速5センチメートル』が、世界中の心を響かせます―

【釜山国際映画祭について】
韓国南東部の都市釜山で開催される国際映画祭。釜山は首都ソウルに次ぐ韓国第二の都市であり、その人口は約360万にのぼる。韓国最大の釜山港を有する湾岸都市として、東アジアの物流の拠点となる重要な役割を果たしている。また、古くから日本との交流が盛んであり、地理的にも近い下関市と福岡市は姉妹都市の関係にある。
釜山国際映画祭の歴史は1996年に始まる。国際映画製作者連盟公認の国際映画祭であり、アジアを代表する映画の祭典として常に注目を集めている。釜山シネマセンターをメイン会場とし、国内外の約300作品(ワールドプレミア約100作品)が上映され、来場者数は約20万人を記録している。
同映画祭では従来の映画祭に加え、映画の売買を行う“アジアン・フィルム・マーケット”、共同開発を行う“アジアン・プロジェクト・マーケット”、投資を行う“アジアン・シネマ・ファンド”、 ワークショップやレクチャーを行う“アジアン・フィルム・アカデミー”などが併設されており、映画業界をサポートする様々な機会が提供されている。

【オープンシネマ部門について】
オープンシネマ部門は目玉となる部門で、人気、芸術性に富んだ新作や国際的に評価された作品が選出され、メイン会場である「映画の殿堂」の野外スクリーンにて釜山最大の座席数(5000席規模)で上映される釜山国際映画祭を代表する部門。

◆イントロダクション
「自分でも驚いたことに、泣きながら観ていた。
『秒速5センチメートル』を作っておいて良かったと、心から思えた。」
― 新海誠(原作者)

新海誠の劇場アニメーション『秒速5センチメートル』が実写映画になる。“新海ワールドの原点”との呼び声も高い『秒速5センチメートル』は公開から18年たった今も日本のみならず世界中で愛されている不朽の名作。本作は新海誠作品では初の実写化となる。

実写映画の監督に並々ならぬ熱量で挑んだのは奥山由之。34歳の若さにして国内外から注目を集めている映像監督・写真家として、これまで「ポカリスエット」のコマーシャル映像や、米津玄師「感電」「KICK BACK」星野源「創造」のミュージックビデオを監督。2024年公開の自主映画『アット・ザ・ベンチ』でも演出家としての手腕を評価された気鋭のクリエイター。本作は奥山由之監督にとって初の大型長編商業映画監督作となる。

主演は松村北斗。新海誠が“最も信頼している”と評価する俳優・松村は新海誠監督作『すずめの戸締まり』で閉じ師・宗像草太役をつとめ、今年は坂元裕二の脚本・映画『ファーストキス 1ST KISS』でもその演技力が話題となるほか、名だたるクリエイターたちから信頼を得ている。本作が松村にとって初の単独主演映画となる。

共演には高畑充希。是枝裕和監督『怪物』や李相日監督『国宝』など話題作への出演が続く実力派俳優である。その他、森七菜・青木柚・木竜麻生・宮﨑あおい・吉岡秀隆といった豪華俳優陣が集結した。

劇中歌には、原作でもお馴染みの、山崎まさよし「One more time, One more chance」。本作のためにリマスター版としてアップミックスされた。

本作は、2024年から2025年にかけて四季をまたぎ、東京や種子島など全編をロケ撮影で制作された。「自らの中に残る“センチメンタル”をこの作品に全て置いていくつもりです」と意気込みを語る奥山由之監督による《奥山版『秒速5センチメートル』》が日本映画に新たな光を灯す。

本ポスター(主題歌情報入り)

◆ストーリー
1991年、春。
東京の小学校で出会った貴樹と明里は、互いの孤独にそっと手を差し伸べるようにして、少しずつ心を通わせていった。
しかし、卒業と同時に、明里は引っ越してしまう。
離れてからも、文通を重ねる二人。
相手の言葉に触れるたび、たしかにつながっていると感じられた。

中学一年の冬。
吹雪の夜、栃木・岩舟で再会を果たした二人は、雪の中に立つ一本の桜の木の下で、最後の約束を交わす。
「2009年3月26日、またここで会おう」

時は流れ、2008年。
東京で働く貴樹は、人と深く関わらず、閉じた日々を送っていた。
30歳を前にして、自分の一部が、遠い時間に取り残されたままだと気づきはじめる。
そんな時にふと胸に浮かぶのは、色褪せない風景と、約束の日の予感。

明里もまた、あの頃の想い出と共に、静かに日常を生きていた。

18年という時を、異なる速さで歩んだ二人が、ひとつの記憶の場所へと向かっていく。
交わらなかった運命の先に、二人を隔てる距離と時間に、今も静かに漂うあの時の言葉。
――いつか、どこかで、あの人に届くことを願うように。
大切な人との巡り合わせを描いた、淡く、静かな、約束の物語。

◆作品概要
■タイトル:『秒速5センチメートル』
■原作:新海誠 劇場アニメーション『秒速5センチメートル』
■監督:奥山由之
■脚本:鈴木史子
■音楽:江﨑文武
■主題歌:米津玄師「1991」
■劇中歌:山崎まさよし
「One more time, One more chance 〜劇場用実写映画『秒速5センチメートル』Remaster〜」
■出演:松村北斗 高畑充希
森七菜 青木柚 木竜麻生 上田悠斗 白山乃愛
岡部たかし 中田青渚 田村健太郎 戸塚純貴 蓮見翔
又吉直樹 堀内敬子 佐藤緋美 白本彩奈
宮﨑あおい 吉岡秀隆
■制作プロダクション:Spoon.
■配給:東宝
■公開日:2025年10月10日(金)
■コピーライト:©2025「秒速5センチメートル」製作委員会
■公式サイト:https://5cm-movie.jp
■公式X(@5cm_movie_2025):https://x.com/5cm_movie_2025
■公式Instagram(@5cm_movie_2025):https://www.instagram.com/5cm_movie_2025/
■公式TikTok(@5cm_movie_2025):https://www.tiktok.com/@5cm_movie_2025

2025年10月10日(金) 全国公開