Open Close

「ゾクゾクするくらい美しい」 舞台『海辺のカフカ』フォトコール&囲み取材

村上春樹の長編小説「海辺のカフカ」を蜷川幸雄が2012年に舞台化。世界から絶賛を浴びた舞台『海辺のカフカ』が、5月21日(火)にTBS赤坂ACTシアターにて新たな幕を開けた。初日に先立ちプレスコールと囲みインタビューが行われた。

IMG_4872

蜷川幸雄による初演は2012年。ワールドツアーを含む再演を経て、この度の上演は今年2月にパリ・国立コリーヌ劇場で始まり、その凱旋公演が5月21日に東京で初日を迎えた。

フォトコールでは2つのシーンが公開された。

IMG_4853
寺島しのぶ   古畑新之

高松の図書館で本の整理をしながら、司書の大島(岡本健一)がカフカ(古畑新之)に館長である佐伯(寺島しのぶ)について語る場面。
大島が彼女が19歳のときに作った曲「海辺のカフカ」について話し出すと、舞台上に水槽に入った少女(寺島・二役)が現れ、美しい声でその歌を歌い出す。
現実と話しが交錯する…。

IMG_4872

公開された2つ目シーンでは、佐伯を探してカフカは森へ。佐伯とカフカは森を彷徨う。

IMG_4898s

IMG_4909s

 ついに再会するふたり。

IMG_4987s

具体的にはわからないのだが、深いつながりを感じさせる二人。

IMG_5068s
観る者の心は、ふたりの関係を、心情を思い、深い森をさまようように想像を広げていくことだろう…。

【囲み会見】

IMG_5143s

左から) 古畑新之  寺島しのぶ  岡本健一

―2月のフランス公演はいかがでしたか?
岡本:村上春樹さんのファンが非常に多く、とても興味を持って下さっていてもりあがりました。哲学的な言葉のやりとりがあるのですが、本当に笑っていました。カーテンコールでは立ち上がって泣いている人がいたり、声援を下さる方もいました。
寺島:初日は私たちが感動したカーテンコールで、5~6回(舞台に)呼んで頂いて「あ~、良かったな」と。これをいい自信にして明日から頑張りたいと思います。
古畑:初日は緊張しました。
岡本:今の方が緊張しているんじゃないの?
古畑:あ、はい、手に汗が…。(笑)

―古畑さんはパリ育ちですよね。いかがでしたか?
古畑:街並みを何年ぶりかで見て「あ~、こんなところで僕は育ったんだな」と感慨深く。家にも行って。

―村上春樹さんもおいでになったそうですね。
岡本:千穐楽の公演前に学生たちとのトークショウがあって、それも見せて頂きました。観劇後には楽屋に来て下さって、僕が村上春樹さんのファンなので初めてのことですが、台本にサインをもらいました。サインをもらうってこういう心理なのだと初めて知りました。
寺島:私はシャイな方なので、目を見てお話した記憶がなかったのです。パーティになどにはあまりいらっしゃらない方ですが、最後のドリンキングパーティには結構長くいて下さって、人づてですが「良かった」と気に入っていらしたと聞きました。

―本作は蜷川さんの作品ですね。
岡本:稽古場には蜷川さんの写真があって、とても存在感がありました。一緒に居たとき以上に見られている感じがありました。「このままじゃダメなんだろうな」「ものすごく怒られているんだろうな」「まだダメだ、まだダメだ」と思いながら稽古していました。
村上さんの作品を蜷川幸雄演出で、何年間も世界中でやってきたのは、他人の想像力を超えたすごい世界だからだと感じます。それに負けないようにこの作品の中でしっかりと生きたいと思います。
寺島:あの長編の作品を蜷川さんが3時間の舞台にした。 ゾクゾクするくらい美しい舞台なので、私たちは蜷川さんのつくったセットに負けないようにその世界観を表現したいなと思っています。

最後に、岡本は「楽しく最高!ハッピー!という作品ではないが、皆さんの心の中に何か提示していく作品じゃないでしょうか」、寺島は「蜷川さんはお亡くなりになりましたが、おつくりになった作品はこうして残っている。時間が繰り返して、生で観ることはもしかしたらもう無いかもしれない。(今できる)ということを、幸せに感じながら、千穐楽までいきたいなと思っています。蜷川さんという日本を代表する世界的な演出家の残した舞台を、是非観て頂きたいと思っています」と語って取材を締めくくった。

舞台『海辺のカフカ』は、6/9(日)までTBS赤坂ACTシアターにて上演中!

原作:村上春樹
脚本:フランク・ギャラティ
演出:蜷川幸雄
出演:
寺島しのぶ、岡本健一、古畑新之、柿澤勇人、木南晴夏、高橋努、鳥山昌克、木場勝己
新川將人、妹尾正文、マメ山田、塚本幸男、堀文明、羽子田洋子、多岐川装子、土井ケイト、周本絵梨香、手打隆盛、玲央バルトナー

パリ公演 【ジャポニスム2018公式企画】 (会場:国立コリーヌ劇場)
2019年2月15日(金)~2月23日(土)  終了
主催:国際交流基金、国立コリーヌ劇場
東京凱旋公演
2019年5月21日(火)~6月9日(日)
会場:TBS赤坂ACTシアター
主催:TBS/ホリプロ
協力:新潮社/ニナガワカンパニー/ANA
企画制作:ホリプロ

公式サイト:https://horipro-stage.jp/stage/kafka2019/