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八嶋智人 朝海ひかるが挑む 井上ひさしの傑作戯曲 こまつ座『國語元年』 ついに初日開幕! 

 

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新宿南口・紀伊國屋サザンシアターにて9月1日(火)から23日(水・祝)まで上演される舞台、こまつ座第111回公演・紀伊國屋書店提携『國語元年』が開幕した。

本作は“日本のシェイクスピア”井上ひさしが紡いだ、ことばが持つ豊かな世界や本質へ観客を誘う作品。

さまざまな地域の方言がリズミカルにまるで音楽のように奏でられ、観る者は自然と各々の土地のことばが持つ奥深さに気付かされる名作だ。

こまつ座初登場の八嶋智人、宝塚元トップスター朝海ひかるをはじめ、ベテラン俳優陣が、どんな”ことばの日本地図”を描いていくのか、楽しみに劇場に足を運びたい。

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◆あらすじ◆
明治七年、東西の話し言葉がテンデンバラバラだった頃。文部省官吏の南郷清之輔(八嶋智人)に「全国統一の話し言葉を制定せよ」という命令が下った。
この日から、南郷家は、お国訛りをめぐって大騒ぎ。なにしろ、清之輔は長州出身、妻・光(朝海ひかる)は薩摩の生まれ、そして妻の父(久保酎吉)は誇り高き薩摩の隼人健児。そこへもってきて、三人の女中たちは、江戸山の手言葉、下町のべらんめえ、羽前米沢のズーズー弁。おまけに車夫は遠野弁、そして書生は名古屋弁。さらにそこへ威勢のいいお女郎さん(竹内都子)が河内弁で怒鳴り込み、あつかましいお公家さん(たかお鷹)が京言葉で居候を決め込む。まさに南郷家の言語状況は、日本の縮図。
こうして清之輔は、話し言葉の全国統一の前に、まず我が家のお国訛りによる大混乱におそわれる。そこに強盗に落ちぶれ果てた会津の士族(山本龍二)がのっそり押し込んできた!!
カタコト英語しか喋れないピアニストの奏でる幻の「小学唱歌集」にのせて展開する、言語学的な悲喜劇の末、ついに清之輔が辿り着いた「文明開化語」とは一体どんなものだったのか!?――。

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<コメント>
■演出  栗山民也
『國語元年』の演出はもう5回目になるが、そのたび毎の時代によって本の中のことばが違って響く。今回はやけに、二幕の加津のせりふが新鮮に聞こえた。

加津 これが争いごとの火種でございましたね。(字引を読み上げる)「生れる」「育つ」「読む」「書く」「聞く」「話す」「考える」「つくる」「出世する」「好む」「恋する」……。

これらの言葉は井上さんが考える人の在りよう、基本的人権を示す「憲法」のようだと思う。日本の政情に危うい性急さが見られるいま、時代をもう一度見直さねばならないと強く感じている。

 

■出演  八嶋智人
稽古初日から本番のつもりで稽古してきましたので、初日もいつものようにやる、という風に思っています。とても優秀なスタッフさん、そして共演者の方々に恵まれて、本番を楽しもうと思っています。
僕が演じる清之輔は、実にまじめな普通の人で、今の日本のあり方を支えてきたうちのひとりです。このおかしくも悲しい清之輔という存在を、ご覧いただければと思います。

 

■出演  朝海ひかる
『國語元年』という作品の重さと大変さ、そしてすばらしさを、舞台稽古にきて改めて発見することがまだまだありました。稽古したことを、すべてクリアにできるようにしたいと思っています。
全員でのチームプレーの芝居なので、集中力を途切らせないように、皆さんの足を引っ張らないよう、自分の課題としてはひとつひとつ大事に演じていきたいです。
出演者の皆さんは八嶋さんはじめすばらしい方々ばかりなので皆さんのエネルギーを借りなが
らできればいいなと思っています。

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公演タイトル      こまつ座第111回公演『國語元年』
作         井上ひさし
演 出    栗山民也
出 演    八嶋智人 朝海ひかる 他

<公演日程>
日時 2015年 9月1日(火)~23日(水・祝)
会場 新宿南口・紀伊國屋サザンシアター(紀伊國屋書店新宿南店7F)
入 場 料 8,400円(全席指定・税込)
夜チケット 7,800円(全夜公演対象)  学生割引 5,500円
※学生割引:中学、高校、大学、各種専門学校ならびに演劇養成所の学生対象
お問合せ こまつ座 03-3862-5941    http://www.komatsuza.co.jp/
チケットぴあ ローソンチケット イープラス 他プレイガイドにて発売

■『國語元年』スペシャルアフタートークショー
★9月21日(月・祝)13:30公演後★八嶋智人、朝海ひかる、竹内都子
■井上ひさし戦後70年特別アフタートークショー
★9月9日(水)13:30公演後★井筒和幸(映画監督) 「いま、映画を通じてできること」