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『デスノート THE CONCERT』観劇レポート

世界的ヒット漫画を原作とし、日韓両国で上演されて絶賛を博したオリジナル・ミュージカル『デスノート THE MUSICAL』(音楽:フランク・ワイルドホーン、演出:栗山民也)が、今秋2年ぶりに再演される。その期待の序章となる『デスノート THE CONCERT』が3月4日、赤坂ACTシアターにて開幕した。
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夜神月(ライト)役(Wキャスト)の浦井健治と柿澤勇人、L(エル)役の小池徹平、弥海砂(ミサ)役の唯月ふうか、死神レム役の濱田めぐみの初演キャスト陣と、新たに死神リューク役を担う石井一孝が集結。さらに韓国版でリューク役を演じたカン・ホンソクをスペシャルゲストに迎えての豪華競演に、再演を心待ちにする多くのファンが劇場へと詰めかけた。

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荘厳なミサ曲を想起させるオーバーチュアがアンサンブルの美声で響き渡ると、観客席は一瞬にして『デスノート』の世界が放つ独特の妖気に包まれた。シルエットからゆっくりと姿をあらわにしていく浦井ライトと、続いて登場した柿澤ライトがスタートからパワーボイスをぶつけ合う。当然ながら本公演では観ることのできない貴重なデュエットに、場内の熱量が一気に上昇していくのを体感。端麗、鋭利な魅力で惑わせる浦井と、少年の輝きをそのままに直球の情熱で迫る柿澤。見事にイメージの異なる二人のライトが並ぶ様を見て、再演もやはり二つの『デスノート』を見比べること必至…の感が募る。

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Wライトの鮮烈なハーモニーに、透明感あふれる可憐な歌声で寄り添うのは唯月ミサだ。初演時は高校を卒業したばかりだった唯月が、すっかり若手実力派の存在感を得て、浦井&柿澤のスター二人の相手役を堂々と務める姿に目を見張る。

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続いて舞台中央奥から、会場中の熱視線を受けて小池エルが登場。白い長ティーシャツにボサボサ頭……のおなじみのビジュアルではなく、髪をビシッとまとめてタイを締めた、風格ある大人のエルがそこにいた。安定した力強い歌声に、大劇場の主演を経てきた小池の自信がみなぎっている。

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そしてこちらも死神スタイルとは一変、ドレス姿の美しい歌姫・濱田レムと、スタイリッシュな新風・石井リュークの実力派同士が、ドラマチックな掛け合いを披露。新たなタッグとは思えない二人による、熟成された楽曲の世界に心地良く引き込まれた。

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「デスノート THE CONCERTにようこそ!」。浦井と柿澤が小池を挟む形で始まったトークでは、素の表情の彼らが初演時エピソードなどを和気あいあいと展開。笑いの絶えないおしゃべりの途中で石井が呼び込まれ、原作ソックリの“リューク顔”をお披露目する石井の一幕に会場がさらに沸き上がった。

にぎやかな男性陣による紹介で、お待ちかねのゲスト、カン・ホンソクの歌唱へ。怪奇の笑いを響かせて登場した韓国のリュークは、チャーミングでとにかくエネルギッシュ! 韓国初演と再演の全ステージを務め上げた圧巻の歌声とともに、見る者の頬を緩ませる愛すべき個性に惹きつけられる。唯月と濱田による“女子トーク”のコーナーで再び呼ばれたカンは、今回の日本滞在で寿司を堪能した話を愛嬌たっぷりに語り、会場をひときわ盛り上げた。

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本公演を再現した演出も交えての、魅力凝縮の80分のコンサートはあっという間に終幕へ。カーテンコールでは再演に先駆けた、今夏の台湾公演決定のニュースが発表された。また新たな世界へ飛び出す日本発のオリジナル・ミュージカル、その進化形に出会える秋の舞台を楽しみに待ちたい。