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舞台 「火花~Ghost of the Novelist~」公開ゲネプロ 2つの世界から生まれる笑いと涙

3月30日(金)舞台 「火花~Ghost of the Novelist~」が初日を迎えるに先立ち、同日昼にゲネプロが公開された。

売り上げ300万部を超え、【第153回芥川賞】を受賞した又吉直樹の純文学作品「火花」。この映画やドラマでも描かれた小説「火花」の物語が、もうひとつの大きな世界を引き連れて劇場で新たな姿を見せた。
小説での主人公、スパークス徳永(植田圭輔)と神谷(石田明)に加え、舞台版だけの登場人物として原作者の又吉(又吉直樹)と、彼に「火花という小説をください」と頼み込む女優の観月ありさが登場。
小説世界と、その外側の現実とのあいまいな世界とが、舞台の上で混然となって観客の想像力を刺激し、広がっていく。

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ステージに立ち、語り始めた「火花」の原作者又吉。
その言葉は台詞か?本心か?

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又吉を抱きしめる観月。「私に『火花』をください」

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右)スパークス・徳永(植田圭輔)は、祭りの夜

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左)先輩芸人・神谷(石田明)と出会い、心酔。弟子となる。

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徳永は神谷が転がり込んでいる家で一人の女性・真樹(観月ありさ)に出会う。

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小説と原作者又吉の物語とが入り混じり、その両方に観月が現れ、物語を推し進めていく。
個性ある神谷を演じて自然な石田と、彼を慕う後輩・徳永を等身大に演じる植田。

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やがて、神谷と真樹の関係にも変化が生じ・・・

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そして徳永にも、変化が押し寄せてくる。

石田の演技と植田の漫才。
どちらも畑違いとは思えない、演技とも思えない自然さで、心を振り絞るような姿を見せる。

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2つの世界の物語は、急展開を告げる・・・。

小説を読んでいてもいなくても、ドラマや映画を観ていてもいなくても
新たな発想と、生だからこそ受け取ることができる感動が、この舞台には待っていた・・・。

笑いの達人たちが、随所に笑いを撒きながら、
ラストには客席からはすすり泣く声もも聞こえてきた。

 

ゲネプロ終了後、コメントも到着した。

<観月ありさ コメント>
私は原作には登場しない「観月ありさ役」を演じるのですが、
小説の火花を朗読しながらストーリーテラーのように進行しつつも、
観月ありさ役をやったり、神谷君(石田明さん)の恋人役をやったりと忙しく、切り替えが難しかったです。
又吉さんとは普段も交流が多いので、正直照れてしまいます。
コメディ要素が多い舞台で、芸人さんたちの前で笑いを取るのが難しいのですが、
そんなときは笑いのバロメーターとして又吉君の笑い方を確認しています。
肩の力を抜いて楽しんでいただきたいです。

<又吉直樹コメント>
ーーゲネプロを終えての率直な感想を一言お願いします。
そうですね、稽古で長い時間かけてやってきたんで、それがようやく形になって。
どちらかというと、緊張感はあるんですけど、今は楽しみになってますね。

ーーゲネプロを楽しんで演れたという感じですか?
あの~……、他の演者にもたぶんこの声が聞こえてしまってるんでアレなんですけど(笑)、
僕だけが特に緊張してたみたいなゲネになったかなとは思うんですけど、
でもみんなの芝居を見ていていい意味で引っ張られるというか、
「なるほど、こういう話なんや」っていうのがさっきのでなんか、わかりましたね。
稽古で何回も通してきたんですけど、なんか「あぁ~……!」みたいな。いろいろ、つながりました。

ーー間に合いましたね(笑)!
ギリギリ、間に合いました。

ーーこれから初日の公演を迎えるわけですが、最後にメッセージをお願いします。
やっぱり舞台はその場その場といいますか、一回一回違いますし、
1回目と2回目も違いますし、日によっても全然違いますから、その時しか見れないものなんで、ぜひ。
特にそういう、舞台の「その場でしか見られへん」っていうものと、
今回のお芝居のお話自体がすごく相性いいと思うんで、
ぜひ、足を運んでいただきたいなと思います。
火花を読んだことない方も、読まれた方にも楽しんでいただけると思います。
よろしくお願いします。

公演は4月15日(日)まで、新宿・紀伊國屋ホール、5月9日(水)~12日(土)大阪・松下IMPホールにて上演。
公式HP http://hibana-stage.com/