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韓国ミュージカル俳優 インタビューシリーズ★第四回☆韓国俳優☆イ・ジョンファ(이정화)

日本ではミュージカルのブーム到来かと言われる昨今ですが、お隣の韓国では、数年前からミュージカルが大人気。その人気を支えるのは、歌がめちゃくちゃ上手いミュージカル俳優がどっさりいることだと言われています。中でも女優は、音域が広く声量豊かで歌が上手いだけでなく、スタイル抜群で演技もできる女優が多いることが知られています。

第四回となる【韓国ミュージカル俳優 インタビューシリーズ】でご紹介するのは、そんな女優のひとり、イ・ジョンファさん。若くしてミュージカルを志し、研鑽を重ねてきた実力派。今年春には結婚し、今、公私ともに絶好調の女優です。

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■ミュージカル俳優を目指したきっかけを教えてください。
子供の頃から歌って踊って演技をすることが好きでした。学校や教会などの舞台に上がって、ときめきと喜びを知り、育ててきたたように思います。
初めてミュージカル(『明成皇后』でした)を見た時に、私の好きなことすべてを同時にできるジャンル=ミュージカルがあることを知り、どうしてもミュージカルがやりたいと思い、高3でミュージカル俳優を目指すことを決めて、大学は声楽科に進学しようと準備を始めました。

■俳優になるためにどのような努力をしましたか?
歌、演技、ダンスの中では歌が自分には一番向いていると考えたので、歌のトレーニングとレッスンをずっと積んできました。デビューした後もボーカルレッスンをしっかりと続けています。しなやかな動きと演技のレッスンも受けました。そして、ミュージカル俳優になるための基本として特にたくさんの本を読んで勉強してきました。ミュージカル俳優を志す人たちからアドバイスを求められたときには「本を多く読んで勉強してほしい」と話しています。

■自分の俳優としての魅力は何だと思いますか?たくさん教えてください。
ありがたいことによく通る声をいただき、それを懸命に磨き上げてきました。声楽を始めてすでに10年。長い訓練を経て、様々な発声法を学び、声も豊かにしっかりとし、表現力もつきました。そして、元々感受性が豊かな方なので、役への感情移入も容易く、キャラクターの理解も上手い方だと思います。自分を見つめなおす時間を多く持つことで、自分とキャラクターとのバランスも上手くとることができます。
私は容姿という点では特に華やかでも目立つ方でもないので、平凡な人としての悩みをより繊細に伝えることができると思います。以前は外見の美しさや華やかさに憧れもありましたが、今では自分の見た目は色々なキャラクターに変化させやすいと思いますし、そしてそれは長所だと考えています。

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■今まで演技をしてきて、転換期となる印象深い作品、役は何ですか?
大劇場での公演では、アンサンサンブルも主役も助演も演じていますが、2015年に出演した『クジラ クジラ(鯨)』(고래고래<)と『マーダ―バラッド』という小劇場でのミュージカルに出演して、自由な呼吸と生身のエネルギーの動き、客席と呼吸を合わせる方法などを新たに学び、それまでの演技に対しての考え方がすっかり変わりました。それ以前もミュージカルに出演できることを幸せに感じてきましたが、それ以後はミュージカルが死ぬほど好きになりました。本当にミュージカルが好きで好きでたまりません。

■最も苦労した作品は?どんな苦労をしましたか?
2017年に出演したミュージカル『アイーダ』でアムネリス役を演じましたが、今でもその作品とキャラクターを私が演じたということが信じられません。それ以前にはその公演を見たことがなかったのですが、楽曲が好きでオーディションを受けました。
オーディションに受かってアムネリスを演じることになりましたが、平素から物静かで落ち着いている私にとっては、1幕での容姿・外観にしか関心のない世間知らずなアムネリスのキャラクターはとても難しいキャラクターで、とても苦労しました。楽曲も高音が非常に多く、華やかで完璧に作られている作品だったで、私が迷惑をかけているのではないかと悩み辛かったです。でも、もしまた『アイーダ』に出演できるなら、今度はもっとがんばりたいと思っています。

■演じた役の中で、自分に一番近い役は?どんな所が似ていますか?
幸運にもどの作品でも、私と似たところがあるキャラクターたちを演じてきたように思います。役を頂く度に、その役の中に私に似た部分を見つけて、その役を近くに感じると共に、新しい私の姿に気付かされてきました。ありがたいことに、いつも愛の価値を伝え、信じて待っている役、耐えてがんばる役割をやってきました。演じながら、私自身の人生でもその大切さを感じさせてもらっている気がして、感謝しています。

■もう一度やってみたい役は何ですか?理由も教えてください。
『マーダーバラッド』のセラ役をもう一度やりたいです。私にとっては、初めてのセクシーでパワフルな役でした。あの初挑戦から3年が経った今やれば、もっと素敵に演じることができるのではないかと思います。
そして『チェス(CHESS)』のフローレンス、『赤い庭園』のジナも、もう一度やりたい役です。この3つ役は男性キャラクターの相手役として作られたのではなく、主体性があり、意識の流れを丁寧に描いて、物語を牽引していくキャラクターという共通点があります。俳優としての渇きを癒してくれる役だと思います。

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■これからどんな俳優になりたいですか?
ただ見て聞いていれば、その奥に隠された物語を直感的に感じさせる俳優、世界観の中に引き込むことができる俳優になりたいです。劇場を出た後も、愛というメッセージの余韻を思い出させる俳優になりたいです。芸術と文化は社会を変える力があると信じています。

■韓国でミュージカルを楽しむときのポイント、楽しむことができる方法を教えてください。
真剣な場面では、お客様にも真剣に集中して頂きたいですが、楽しく面白いシーンでは、声を出して笑ってくださってよいんです。マナーを気にしすぎて、静かにしすぎなくても大丈夫ですよ。

■好きなミュージカルの曲を教えてください。
ミュージカル『バンジージャンプをする』の♪「それは私のすべてだから」という歌が好きです。歌詞がとてもいいんです。私が結婚した時にもお祝いの歌として歌ってもらうようにリクエストした歌です。

■あなたの声を聞くことができる動画のURLを教えてください。

■今後の予定を教えてください。
2018年11月から2019年5月まで、ミュージカル『ジキルとハイド』に出演していますよ。

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(写真・記事内容 提供:メガウェーブジャパン)