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父と娘の禁断の関係を描く『私の男』モスクワ映画祭 W 受賞!緊急記者会見

6月14日より全国72館で絶賛公開中の熊切和嘉監督、浅野忠信・二階堂ふみ主演『私の男』が【第36回モスクワ国際映画祭コンペティション部門】へ正式出品され、【最優秀作品賞】と【最優秀男優賞】のW受賞の快挙。
6月30日(土)に急遽、主演の浅野忠信、二階堂ふみが喜びの記者会見を行った。

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記者会見直前にモスクワから到着した受賞トロフィーを手にすると喜びもひとしおの浅野忠信、二階堂ふみ。

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浅野忠信は茶目っ気たっぷりに「突然のことだったので、今日何を着ようかと思い、自分へのご褒美にスーツを作ろう」とシンプルで上質なスーツで登壇した。そして「モスクワ、またモスクワだけでなくまったく想像のつかない地でいろいろな国の人たちが観てくださって、本当に嬉しい。沢山のプロの人たちと出会い、間近で映画への取り組み、情熱を教えてもらった。そして自分なりにやってきたことがこうやって評価してもらえたことを嬉しく思う。」と受賞の喜びを語った。

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「30代は模索していた中、40代を迎えたときに取り組み方や再スタートをきりたいと、この役をやる前から溢れる思いで役作りしていました。若いときには表現できなかった役で、役者として演じる上で魅力的に感じる要素があり、ここできちんとはき出していかないと次に進めないと思いました。監督にもスタッフにも我が儘を言って生意気なところはあったと思いますが、この役に対して自分の強い想いがあったことを改めてこの賞をいただいたことで噛みしめ、自分がムキになれるぐらい、アツくならないと伝わらないことがあるのだなと思いました。そのシーンごとで自分に何ができるのか徹底的に考えたことが評価につながったのではと思います。今後、自分がどこまでできるのか楽しみで、どう今後向き合っていくのかひとつの課題になると思います。」と自身の役者としての思いをしっかりと伝えてくれた。

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共演者の二階堂ふみについては「ふみちゃんがいなければ淳悟はありえなかった。ふみちゃんが花の状態でいてくれて、花の存在感と力がなければ、淳悟の側面はでてこなかった。花がド真ん中にいてくれて淳悟の影が見える。とても感謝しております。」と、ふみちゃんとやさしく呼ぶ浅野の自然な姿が印象的だった。浅野の役者としての、人生に常に理解を示していた母には悩みも相談していたというが受賞をとても喜んでくれたというのも十分に頷ける。

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「こういう風な形で日本の人たちにこういう映画もあるなと知ってもらえたと思います。簡単な内容ではないですが、みなさんに楽しんでもらえると思っておりますので、ぜひ劇場でご覧ください。」と締めくくった。

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二階堂ふみは「賞の話を聞いたときは、世界に認められてよかったなとただそれだけでした。毎日こういう賞をいただいて浮かれる気持ちはありますが、しっかりと受け止めて感謝の気持ちを忘れずにこれからもいい映画を作れる役者になれたらと思います。」と力強いコメント。「受賞したことをはじめに母に連絡をすると“いつかは主演女優賞を楽しみにしています”と言われ、また頑張ろうと思いました(笑)。小さいころ母が映画好きで、映画のあこがれが強くこの世界に入りました。その時に見てきた映画の中に浅野さんが出演していて、なんと素敵な素晴らしい役者さんなんだろうと憧れていました。(浅野さんからふみちゃんがいなければ賞はなかったという言葉に対して)先輩からお言葉をいただけてグランプリを同じぐらい嬉しく光栄です。私にとって運命の作品で賞をいただいた、とても素晴らしい作品です。ぜひ劇場で堪能してください。」と喜びと語った。

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台北に滞在中の熊切和嘉監督はスカイプでの参加となった。時折、スカイプ画面が固まり、それもまたご愛嬌だったが、嬉しそうにトロフィーを監督に見てもらう2人の笑顔から現場の空気がよかったことが伝わってきた。「受賞の連絡がきたのはモスクワの現地時間だったので、実家に電話しましたが夜中だったので母に全然信じてもらえなかったです(笑)。モスクワで公式上映と記者会見があり、“監督はどういう環境で育ったのか?”“どういう宗教教育を受けたのか?”などモラルを問われ、結構責められました。僕自身は北海道でインテリの家庭ではなかったですが、愛のある家庭に育ちましたと答えました。ふてくされていたと思います(笑)。映画の反応はよかったので、(賞をとって)救われた気がします。」と現地での反応について答え、キャスティングについては「浅野さんは、原作を読んでいるときからイメージをしていて、ずっと好きな俳優さんだったので、すぐにお願いしました。浅野さんは生身の切実さというか、よりイキイキとやっていただけたので撮っていてワクワクしました。二階堂さんは、別作品のオーディションの時に水面下で進んでいて、その場で花がいると思いました」と。出身である北海道を舞台にしたことについては「出身地で撮ることは自然と力がみなぎってきたし、流氷はこの映画の重要なモチーフだった。」と語った。

 

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『私の男』
世界四大映画祭【モスクワ映画祭コンペティション部門】出品決定!! 冬のオホーツク海、純白の“流氷”の上で起きた殺人事件。暗い北の海から逃げるように出て行く父と娘は互いに深い喪失と、ふたりだけの濃厚な秘密を抱えていた…。
10歳で孤児となった少女・花は、遠縁にあたる青年・淳悟に引き取られる。孤独なふたりは、北海道紋別の田舎町で寄り添うように生活を送っていた…。理屈を超えた禁断の愛のかたち。文壇を揺るがせた濃密で美しいエロス。オホーツク海の流氷が魅せる一大スペクタクル。刺激的なテーマと極限的な舞台設定から、映像化不可能と言われた桜庭一樹による50万部超のベストセラー小説「私の男」。第138回直木賞を受賞した本作の映画化が、遂に実現!「禁断のラブストーリー」にして、流氷の上での殺人事件を発端とする映画的スリルと興奮に満ちた「至高のサスペンス」に、心を激しく揺さぶられる!

監督:熊切和嘉
原作:「私の男」(桜庭一樹/文春文庫刊)
出演:浅野忠信、二階堂ふみ、高良健吾、藤 竜也
配給:日活
(C)2014「私の男」製作委員会
R15+
公式サイト: http://watashi-no-otoko.com/

新宿ピカデリーほか全国公開中!