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高良健吾、中島監督から菅原文太と呼び間違えられ「光栄!」 映画『多十郎殉愛記』完成披露記者会見&プレミア上映会舞台挨拶

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映画『多十郎殉愛記』の完成披露記者会見とプレミア上映会舞台挨拶が、3月25日、都内にて行われ、主演の高良健吾をはじめ、共演の多部未華子、木村了、永瀬正敏、寺島進ら豪華キャストと中島貞夫監督が登壇した。

本作は、菅原文太の「木枯し紋次郎」シリーズ、「まむしの兄弟」シリーズなどで知られる日本映画界のレジェンド・中島貞夫監督の20年ぶりとなる長編時代劇。幕末の京都を舞台に、親が残した借金から逃げるため長州藩を脱藩した清川多十郎が、愛する者のために命を懸けて戦う様を描き出す。清川多十郎役を高良、同じ長屋の住人で多十郎に思いを寄せるおとよ役を多部が演じる。

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帝国ホテルにて行われた完成披露記者会見では、登壇者全員が和装で桜をイメージした“桜カーペット”を歩き、ステージに上がり華やかに開催。
高良は「30代最初の主演作が中島貞夫監督の作品でとても幸せです」と挨拶し、「この映画の殺陣は人を殺めるためではなく、愛する人のため、自分の道を切り開くための殺陣。早くてきれいな殺陣ではありませんが、泥臭くて体と体のぶつかり合いを感じられる渋い殺陣になっていると思います」とアピール。

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紅一点で出演する多部は「愛あふれる現場に携われて、幸せを噛み締めながらここに立っています」と本作への参加を喜び、「昔とは比べものにならないかもしれませんが、現代でも誰しもが心の中にある守るべき命について描かれています」と作品について述べた。

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20年ぶりの長編映画で“ちゃんばら”を選んだ理由を、中島監督は「京都撮影所の伝統である“ちゃんばら”を後世に伝えたいと思った。時代劇をやるなら本格的なちゃんばらをやらないといけないという気持ちで全身全霊で撮りました。ドラマとしての“ちゃんばら”を撮りたいと思い全力投球した。和気あいあいとしながらも、緊張感があり、皆さんが楽しんでいるのが伝わってきた。監督冥利に尽きる現場でした」と“ちゃんばら”に対しての熱い思いを語り、スタッフ・俳優たちへ敬意を表した。

高良について「実に好青年です」とニッコリ。「東映京都撮影所で殺陣の基本から2カ月くらい練習してもらったんですが、ある日、斬られ役も勉強したいと言ってきたんです。実は、殺陣で難しいのは斬られる側なので、“わかってるなこいつ”と思いました。それからは、殺陣の実力もぐんぐん上がっていきました」と称える。

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好きな中島作品を聞かれた高良は「『893愚連隊』がとても印象的でした」とし、「中島監督の作品は、とにかくとんがっていて、映画でその時代と闘っていると思います」と答えた。そして、「あと菅原文太さんが大好きなので、『まむしの兄弟』ですね。現場で監督がたまに間違えて僕のことを『文ちゃん』と呼ぶことがあって・・・、とても光栄でした!」と嬉しそうに振り返った。

本作を通して日本人の中にある“自己犠牲の精神”に感銘を受けたという高良。「撮影にあたり、当時のことが書かれている本を読みましたが、日本人の精神には元々“自己犠牲”がある。多十郎の命の使い方というのは今の時代の人には難しいことかもしれないけど、自分には理解できます。今はそういうものが薄くなってきていると思いますが、これが日本人の精神で大切なものだと」と力を込めた。

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木村は「伝説の中島組ということでとても緊張していましたが、入るととてもアットホームな現場でした」と微笑み、「山の中の撮影シーンでは監督がとても早く歩かれていて、一番元気でした」と撮影の様子を明かす。永瀬は「監督はいつもはニコニコされているのですが、ふとした時に見ると後ろ姿がまさに剣豪。そんな中島監督の前で殺陣を披露しなければいけない高良君たちは大変だなと思いました」と話す。寺島は「自分は“ちゃんばら”の斬られ役から役者を始めているので今回、伝説の中島監督組に参加できて本当に光栄でした。今はほとんどがCGの中、中島監督のちゃんばらは全部、実際に撮っていますから!しっかりと“ちゃんばら”を見てほしいです」と真摯に語った。

また、中島監督ならではのエピソードについて、寺島は「(監督は)80歳を過ぎてますけどとにかく元気で、映画を愛していて集中力が凄い。これからも昭和のちゃんばらを続けてほしい」と吐露。高良も「中島監督最後の作品と聞いていたのですが、これは最後じゃないなと(笑)。もう1、2本あるなと思いました。監督にとって、映画が自分を輝かせる命なんだなと思いました」と監督の生き様に感動していた。

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続いて丸の内TOEIに移動して行われた舞台挨拶では、おとよと数馬を守るために多十郎が封印していた刀を抜き、命がけで守るという映画の内容にちなみ、登壇者が「わたしが命をかけて守りたいもの」を発表した。

高良は【睡眠時間】と答え「10代、20代の頃は睡眠時間を削って遊ぶという人がいるけれど、僕は遊ぶ時間を削って眠りたいタイプです。今日も朝が早かったので夜11時には寝ました」と語り、寺島から「早いね!」とツッコまれる一場面も。多部は【ひみつ】と答え「自分はなんでも正直に伝えてしまう人なので、秘密は特に…あれ?秘密はないですね(笑)。人からの秘密は必ず守ります!」と、多部の回答に会場に笑いが巻き起こった。木村は【家族】と答え、「これに尽きますね。いつも支えてもらって、お世話になっているので」と語り、永瀬は「まあこれもある意味、睡眠時間ですね」と高良の回答を真似しつつ、【自由】と書かたフリップを出し、「睡眠時間もですが、表現の自由、モノを作る自由、人を愛する自由など、自由は守っていきたいです」と答えると、すかさず寺島が「一人者だから、いつだって自由じゃないか(笑)!」とまたもや鋭いツッコみを入れ、場内を沸かせた。一方、寺島は木村と同じく【家族】と答え、「子供と奥さんとお袋がいるので、これは命かけてでも守っていかなきゃいけないな、と。こう見えて華奢なんですけど、大丈夫、守ります」と力強く語った。最後に中島監督が【わが生命】と答え、「命が一番大切です。だから生きるか死ぬかの“ちゃんばら”にはドラマがある。なんの為に命を懸けるのか、そういう事を伝えるために今回みたいな“ちゃんばら”映画を撮りました」と質問を締めくくった。

最後に高良が「多十郎の一振りというのは、大切な人を逃がすため、敵を蹴散らすため、一振り一振りに意味がある。そのすべての意味を中島監督に教わりました。“ちゃんばら”や時代劇はある一定の限られた世代しか観ないものと思われているかもしれませんが、この映画は幅広い世代に楽しんでいただけると思いますし、もっと多くの人に観てほしいとおもいます。監督が先ほど『くたばる前にもう一本』と仰っていましたが、もう一本、二本とこれからもたくさん撮って欲しいとおもいます。その為には多くの人に観てもらわないといけません。渋くてかっこいいので、今日ご覧になる方にはとにかく楽しんでいっていただきたいです!」と観客へのメッセージを送り、会場からの盛大な拍手を受けつつイベントは大盛況の内に終了した。

「多十郎」メイン

<あらすじ>
幕末の京都。長州脱藩浪人・清川多十郎は大義も夢もなく日々を無為に過ごしている。一途に想いを寄せるおとよの想いに気付きながらも、頑なに孤独であろうとする多十郎。京都見廻組に浪人の取り締まりが強まる中、腹違いの弟・数馬が大志を抱いて、兄の元へとやってくる。その頃、町方からの注進で多十郎の存在を知った京都見廻組は、新撰組に先んじて手柄を立てようと多十郎の捕縛に動き出す。三者三様、それぞれの想いを胸に死闘が繰り広げられる。

出演:高良健吾  多部未華子
木村 了 永瀬正敏(特別出演)/寺島 進
監督:中島貞夫  脚本:中島貞夫 谷 慶子
製作:「多十郎殉愛記」製作委員会
制作:よしもとクリエイティブ・エージェンシー
制作プロダクション:ザフール
制作協力:東映京都撮影所
配給:東映/よしもとクリエイティブ・エージェンシー
©「多十郎殉愛記」製作委員会
公式サイト:http://tajurou.official-movie.com/

4月12日(金)より全国ロードショー