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のん、「執念の片淵監督の作品に参加できて誇らしい!一生忘れない!」 映画『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』

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映画『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』の公開記念舞台挨拶が12月20日、東京・テアトル新宿にて行われ、声優として本作で主人公・すずを演じたのん、細谷佳正、尾身美詞、潘めぐみ、岩井七世、新谷真弓、牛山茂と、片淵須直監督が登壇した。

第二次世界大戦中の広島・呉を舞台に前向きに日々を暮らす女性・すずを描いた映画『この世界の片隅に』。2016年11月に公開され、ロングランを続けてきた本作が、3年の月日を経て、新たなエピソードを織り込み、すず、リン、周作らの内に秘めた深い想いを描き出す、新作劇場アニメーション映画『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』として完成した。

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公開を迎え、のんは「この日を迎えられて嬉しく思います」喜ぶも、「(前作から)まさか3年の年月が経つとは思いませんでしたが・・・(笑)」とこぼす。細谷も「まさか、3年も経つとは思わなかったよね(笑)」と同調し、会場の笑いを誘った。それでも「刺激的だったし、新しいシーンが付け加わり新作として送り出すという、他にはない経験をさせていただいて喜びに満ちてます」としみじみ。片淵監督とタッグを組んだことにも言及し、「9年も1つの作品に力を注いで真っ直ぐに作っていく執念の監督の作品に参加できたことを誇らしくて一生忘れないと思っています」と感慨深げに話した。

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周作役の細谷は「前回よりも周作さんが男性なんだなと改めて意識した作品でした」と話し、「『この世界の片隅に』は、すずさんを中心に描いた作品で、夫婦・男女というより人間愛のような感じでしたが、今回は新婚生活もあって男女のリアリティーがありました」と、前作とは違う今作の魅力を吐露。完成作品を観た感想を、「僕はすずさんとリンさんが桜の木の上で話して、そのあとにリンさんとすれ違うとき、すずさんが『いつもの周作さんで良かった』と言ったシーンは、夫婦感が出ていていいなと思いました。あと、径子さんが娘・晴美の服を見て言った言葉に号泣しました」と興奮気味に明かした。

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前作が公開され、監督からもう一度作品を作ることを約束されていたというキャストたちだが、リン役の岩井は「今回はリンさんの部分がたくさん描かれていて嬉しいです。いろいろな思いをていねいに描かせていただきました」と作品への思いを口にし、「特にすずさんとリンさんが『ふふふ・・・』と笑いながら挨拶するシーンが凄く好きです」と振り返る。

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周作の父・北条円太郎役を演じた牛山は、呉弁に苦労したそうだが、「実は、妻役の新谷さんが呉弁の指導をしてくれたんです。隣で収録をしながら(笑)。助かりました」と笑顔で明かす。新谷も「呉弁の方言監修もさせていただきました。ずっと収録に立ちあわせていただき、皆さんの広島弁が聞けてお得な立場でした」とニッコリ。

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片淵監督は3年も経ってキャストが再集合することに不安もあったようだが、「違っていたらどうしよう・・・・という気持ちもありましたが、みんながマイクの前にたったらそのままでした。1本の長い長い作品を最初から撮っていたような気持ちになりました」と目を細める。

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ここで、この日出席できなかった水原哲役の小野大輔から手紙が届き、MCが代読。「『この世界の片隅』の時、試写に間に合わず、テアトル新宿で観客として観ましたが、その時に観客の皆さんが声を出して笑っていました」と、リアルな劇場の反応を披露。さらに「今作はより緻密に、より深く面白い作品になりました。ずっと語り継がれる名作です。これから先も皆さんが笑って思い出してくれたら幸せです」と綴られると、その言葉に思わず目に涙をためる片淵監督。

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その手紙を聞いたのんが「すごく、レアな手紙で嬉しいです」と笑顔で答えると、細谷は「役としては複雑です」と、すずの夫役の気持ちでで、ちょっぴりやきもちを焼き会場を沸かせていた。

【Introduction】
国内外で高い評価を受け、2016年の公開から1日も途切れることなく900日以上にわたり上映が続けられている映画『この世界の片隅に』。本作はそんな『この世界の片隅に』に、原作の魅力的なエピソードの数々を散りばめた新作です。すずを取り巻く人々の「さらにいくつもの人生」がより深く描かれることによって、私たちは知ることになります。すずの中にあったほんとうの感情を。そして誰もが誰かを想い、哀しくも優しい秘密を抱えていたことに。たおやかな温もりに満ちた新たな物語が、この冬、深く沁みわたります—

【Story】
広島県・呉に嫁いだすずは、夫・周作とその家族に囲まれて、新たな生活を始める。昭和19年、日本が戦争のただ中にあった頃だ。戦況が悪化し、生活は困難を極めるが、すずは工夫を重ね日々の暮らしを紡いでいく。ある日、迷い込んだ遊郭でリンと出会う。境遇は異なるものの呉ではじめて出会った同世代の女性に心を通わせていくすず。しかし、ふとしたことをきっかけに、すずは周作とリンの過去に触れてしまう。
すず、リン、そして周作。それぞれが内に秘めた想いを抱えながら、日々を懸命に生きていた。
そして昭和20年の夏がやってくる――。

■声の出演:のん 細谷佳正 稲葉菜月 尾身美詞 小野大輔 潘めぐみ 岩井七世 牛山茂 新谷真弓/花澤香菜/ 澁谷天外(特別出演)
■原作:こうの史代「この世界の片隅に」(双葉社刊)
企画:丸山正雄 監督補・画面構成:浦谷千恵 キャラクターデザイン・作画監督:松原秀典
美術監督:林孝輔 音楽:コトリンゴ プロデューサー:真木太郎
監督・脚本:片渕須直
製作統括:GENCO アニメーション制作:MAPPA
配給:東京テアトル
製作:2019「この世界の片隅に」製作委員会
公式サイト:http://ikutsumono-katasumini.jp
(C)2019こうの史代・双葉社 / 「この世界の片隅に」製作委員会

テアトル新宿・ユーロスペース他全国公開中