映画『去年の冬、きみと別れ』の完成披露試写会が、1月25日、東京・新宿ピカデリーにて行われ、キャストの岩田剛典（EXILE /三代目 J Soul Brothers）、山本美月と、瀧本智行監督、原作者の中村文則氏が舞台挨拶に登壇した。
本作は、芥川賞作家・中村文則の同名小説を原作に瀧本智行監督の手で映画化。新進気鋭のルポライター・耶雲恭介が、謎の殺人事件の真相を追ううちに抜けられない罠にはまっていき、衝撃なラストを迎える様を描く予測不能のサスペンス。ルポライターの耶雲恭介役を岩田、耶雲の婚約者・百合子役を山本、猟奇殺人事件の容疑者で天才カメラマンの木原坂雄大役を斎藤工が演じた。
本格的サスペンスに初めて挑戦した岩田は、「こんなにも緊張する完成披露試写会はありません。自分にとって挑戦の作品です」と挨拶。原作を読んだ感想を聞かれ「まんまと騙されました。結末を知ってから、また最初から何度も読み返したくなるような作品でした」とコメント。原作者の中村は「まず、脚本を読んで、『この手があったか！』と驚いた。そして原作の核を抑えつつ、映像ならではの変革が面白くて、いち観客として見事に騙されました。素晴らしい映画体験をさせていただきました」と満足げ。すかさず、岩田は「映像で騙し返せてよかったです」と嬉しそうに笑顔をみせていた。
瀧本監督は「いろんな顔を演じなければいけない難しい役を見事に演じきってくれました」と、岩田と山本を称える。それを受け岩田は「撮影時は暗くて深く、長いトンネルをずっと走っている気分で、いつ出口が見つかるのかと暗中模索していました。監督が夢に出てくるくらい役柄に没頭できたのも今初めてでした」と振り返り、「作品のパワーが、自然に（自分に）役柄をとりつかせているような感覚、緊張感をもって撮影に臨むことができました」と撮影当時の心境を吐露。
山本は、瀧本の演出について「とにかく細かくて(笑)。考えてお芝居しても、指先の動きまで指示されるので、途中ちょっと嫌になって……（笑）」と苦笑い。それでも「最後のほうで、監督に褒めてもらえたんです。『今の良かったよ』って」と微笑んだ。
また、岩田演じる耶雲と対峙する木原坂役の斎藤について、瀧本監督は「斎藤くんには特に何も（演出について）言いませんでした。最初に『あ、木原坂がここにいる』っていう感じがあった。この役は斎藤くん以外考えられないくらい適役でした」と絶賛。
岩田も「迫力満点で。目の奥にある闇に、何度もゾクッとしました。斎藤さんがいつでも木原坂でいてくれたおかげで、役柄にすんなり入ることができ助けいただきました」と、その存在感に感嘆の声をあげた。
また、映画のタイトルにちなみ「去年（2017年）の冬に別れを告げたものは？」と問われ、岩田は「僕、よく足を机の角にぶつけるんですが、夏に右足の親指に大きな血豆を作ってしまったんです。それが育って、冬になってようやく色が付いている部分を爪切りで切ることができました」とニッコリ。山本は、「インタビュー取材で『美の秘訣は？』と聞かれるんですが『何もしていないんです』と言うと、『そんなわけないでしょ～』と言われて･･･。それで、最近ジムに行き始めたんです。これで『何もしてない』と答えることと別れることができました。ストレッチしてハーブティーを飲んでから寝る･･･モデルさんみたいな生活を始めました！」と答えていた。
最後に岩田が、「魂を込めて精一杯演じました。この作品は、観た方すべてが騙されるような予測不能なサスペンスになっています。クリーンから一瞬たりとも目を離さないでください」と観客に声をかけ、舞台挨拶を締めくくった。
映画『去年の冬、きみと別れ』
＜あらすじ＞
最愛の女性との結婚を控えた新進気鋭の記者、耶雲（岩田剛典）が狙った大物は、猟奇殺人事件の容疑者、天才カメラマンの木原坂（斎藤工）。真相に近付く耶雲だったが、木原坂の危険な罠は耶雲の婚約者、百合子（山本美月）にまで及ぼうとしていた―。
■原作：中村文則『去年の冬、きみと別れ』（幻冬舎文庫）
■監督：瀧本智行 脚本：大石哲也 音楽：上野耕路
■出演：岩田剛典 山本美月 斎藤工 ・ 浅見れいな 土村芳 / 北村一輝
■主題歌：m-flo「never」(rhythm zone / LDH MUSIC)
■クレジット：©2018映画「去年の冬、きみと別れ」製作委員会
■配給：ワーナー・ブラザース映画
■オフィシャルサイト：http://fuyu-kimi.jp
■オフィシャルTwitter @fuyu_kimi #冬きみ
3月10日（土）全国ロードショー
