映画『夏の夜空と秋の夕日と冬の朝と春の風』の公開記念して初日舞台挨拶が10月25日、東京・ユナイテッド豊洲にて行われ、キャストの齊藤なぎさ(=LOVE)、鈴木伸之、市原隼人、松田るか、平田薫と、『桜咲く頃に君と』の主題歌を担当したハジ→、向井宗敏監督が登壇した。
本作は春夏秋冬4つの物語をテーマにしたオムニバス映画。「芦屋で映画を作ろう」という想いから企画が始まり、町民による芦屋町映画制作実行委員会が発足され、小道具や大道具作り、見物人の整理や炊き出しなど、多くの町民がボランティアとして制作を手伝い、町の全面協力のもと映画が完成。中学生の淡い恋心を描く『ナツヨゾラ』を齊藤なぎさ、ボクシングに熱中する青年の葛藤を描く『時々もみじ色』を鈴木伸之、仕事に悩む女性を好演した『冬のふわふわ』を飯豊まりえ、余命わずかな妻を支える夫の愛を描く『桜咲く頃に君と』を市原隼人がそれぞれ主演を務め、4つの物語すべての監督を向井宗敏が務めた。
海辺の町の美しい景色を背景に、日常を優しく切り取った本作。撮影時を振り返った齊藤は「夏の夜だったんですが、めちゃくちゃ寒くて気温も0度ないくらいの中、ノースリーブで震えて涙を流しながら撮影していました」と明かす。
鈴木はボクサー役に挑戦。「監督がボクシングの経験があって、ミット打ちの練習を一緒にやってもらったり、縄跳びの跳び方を教えてもらったりしてたくさんのことを教えていただきました」と感謝の気持ちを表しつつ、「僕も撮影中、凄く寒くて涙流しながら･･･」と。監督が「ウソだろ？」とツッコミを入れると、「齊藤さんの話にかぶせちゃいました。ウソをつきました(笑)」とジョークを飛ばし、会場の笑いを誘う場面も。
『時々もみじ色』で共演した松田は、「（4作品には）ところどころにフラグが落ちていて伏線が張られているんです。『あ、ここで出てくるんだ』とか、最初に出てきたものが、最後に回収されていたりとか。1話完結のお話ではありますが、全部を通して観ていただくとより楽しめると思います」とアピール。
本作出演のきっかけを友人との縁で監督と出会ったことと話す市原は「台本の内容も見ないで『やらせてください』とお願いしました」と言い、出演を喜ぶ。そして「いま隣にいる家族や友人や恋人など、当たり前のように連絡が取れたり会えるということを特別で嬉しいことなんだと感じていただけたら幸いです」と語り、お芝居をしながら自身の経験と重ね、涙が止まらなくなってしまったところもあるという。
市原の妻役を演じた平田も「切ない物語ではありますが、悲壮感というより、優しさとか愛や思いやりが詰まった作品。私自身も普通に生きていられる奇跡や、傍で支えてくれる人への感じ者を感じながら演じました。皆さんにも、日常の愛おしさや一緒にいてくれる人への気持ちを改めて感じてもらえたら」と伝えた。
ハジ→は、監督からのオファーを快く受けたとのこと。「普段不器用な監督だけど、監督の映画は生きることの絆を与えてくれる。僕も人間臭く、この映画を観た最後に観た方の心に寄り添うような曲を作りました」と吐露。
また、急きょ『時々もみじ色』の主題歌を担当したBENIも登場し、大きな拍手で迎えられた。BENIは「秋ならではの静けさや気持ちの変わり方、作品の力強さを曲で表現しました。ぜひ注目してください」とニッコリ。
イベントではキャストのサイン入り台本が抽選で当たるコーナーも。齊藤、鈴木、市原から直接受け取ることになったが、鈴木が番号を当てると、「ゆっくり（壇上に上がって）で大丈夫ですよ」と優しく声をかける。しかし、当選者は実は市原のファンだったようで、鈴木と握手したあと、市原とハグ！ 鈴木は「抽選ボックス引いたの僕なんですけどぉ！」とぼやき、会場を沸かす。
ところが、次に市原が引いた当選者は鈴木のファンだったようで、ようやく鈴木の機嫌も直ったようだった。
企画・監督：向井宗敏
脚本：向井宗敏・三谷伸太朗
プロデューサー：伊藤正美 松本光司 仲山雅也
撮影：吉沢和晃 照明：本間光平 録音：高島良太
美術：山下修侍「ナツヨゾラ」「冬のふわふわ」西岡萌子「時々もみじ色」「桜咲く頃に君と」
衣装：石橋万里「ナツヨゾラ」匂阪真人「冬のふわふわ」人見千紘「時々もみじ色」「桜咲く頃に君と」
音楽：栗本修
製作:「夏の夜空と秋の夕日と冬の朝と春の風」製作委員会
制作：株式会社DEXI
Ⓒ2019「夏の夜空と秋の夕日と冬の朝と春の風」製作委員会
公式サイト：http://4music4story.com/
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