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遂に公開始まる!!チョウ・ユンファ×アーロン・クォック「プロジェクト・グーテンベルク 贋札王」

香港電影金像奨(香港アカデミー賞)において、最優秀作品賞、監督賞、脚本賞ふくむ計7部門を受賞した予測不能なクライムアクションサスペンス『プロジェクト・グーテンベルク 贋札王』が、ついに2月7日より公開となった。

チョウ・ユンファとアーロン・クォツクという香港スターの共演と『インファナル・アフェア』のフェリックス・チョン監督が描くのは、偽札作り関わる男たちの手に汗握るサスペンス。
しかも1度見たら、もう一度、最初から見ずにはおられない大きな謎を抱えたストーリーは、香港電影金像奨7部門受賞も納得の名作だ。

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ここで、1月24日(金)にスペースFS汐留で行われた有村昆さん(映画コメンテーター)、くれい響さん(映画評論家)のトークイベントでのレポートを紹介し、改めて本作の見どころをお伝えしたい。

トーク1

《トークイベント》—————————————–
【実施日】1月24日(金) 【会場】スペースFS汐留
【登壇者】有村昆さん(映画コメンテーター)、くれい響さん(映画評論家)

有村昆さん決め2

130分の本編上映終了後、登壇した有村さんから「現段階で、本作の謎が全部わかったという方どのくらいいますか?」と問われ、あまり手が挙がらない様子に「僕もそうだったんですよ!一回だけみただけでだと難しいですよね」と有村さん。そんな中、今回のイベントは一般のお客様には上映前に配布された本作の人物相関図をみながら、二人の解説を聞いていくというスタイル。「トークイベントというよりセミナーみたいだね」という言葉も飛びだしつつもトークがスタート!

まず、くれいさんからは本作タイトルの話から。「邦題のプロジェクト・グーテンベルクは、本作の英語タイトルからきているのですが、グーテンベルクは活版印刷技術を開発した人の名前で、劇中出てくる活版印刷を使った偽札作りのプロジェクト、という意味でこのタイトルなんだと。一方、中国語の原題は「無雙」で、これは戦国無双のように比べると秀でているもの、という意味だけれど、実は衣類など表と裏に同じ生地を使う、つまり表裏一体という意味もあるんです」と始めから興味深い解説が。これをきいた有村さんが「映画を見終わったあとにその意味がわかってタイトルをみると、なるほど~となりますね」と続く。さらにくれいさんの「また漢字を「夢想」(むそう)という文字にすると色々意味がみえてきますね」という独自の視点での解説が続く。

その後は、アーロン・クォック演じる贋作の名人レイ・マン、チョウ・ユンファ演じる画家と呼ばれる男ン・フクサン、彼ら偽札組織を追う香港警察やレイ・マンの元恋人など、登場人物の解説へ。全員が本作に仕組まれた謎にかかわってくるだけにネタバレポイントが満載で、その分お客様も人物相関図をみながら真剣な表情で二人の解説に耳を傾け、ときには“そうだったのか”と言わんばかりの表情で頷く観客も多くみられた。

さらに、レイ・マンと画家をとりまく事件の中で、ゴールデントライアングルの闇組織のシーンは、チョウ・ユンファが、ほとんどのアクションシーンを自ら演じ、『男たちの挽歌』で演じたマークばりの2丁拳銃姿を私たちに披露してくれるが、有村さんの「ここはチョウ・ユンファファンの人たちには『来たー!』というシーンですよね!」との言葉には会場からは同意の声もあがる。そしてくれいさんからは「劇中カナダでのリアリティのあるアクションシーンと、ゴールデントライアングルで起きるデフォルメされたアクションシーンの対比もこの映画の面白さ」という指摘には「たしかに後者は往年の80年代のベタなザ・アクション映画の“ウッソ~”という荒唐無稽感がありますね!」と有村さん。

トーク終盤、「途中までは、『オーシャンズ11』のように、仲間を集めて偽札を作ってドキドキしてこれ精巧だなぁ、なんて話なのかと思っていたら途中から変わってきて、結局この映画は、悪は滅びるってことなんですよね。これって何か香港映画や中国映画におけるルール付けってあるんですか」と有村さんがくれいさんに解説を求めると「この映画は純粋な香港映画ではなく、中国との合作なんですが、黒社会の犯罪者などは最後に捕まらなきゃならない、という中国映画を見慣れている人にはわかる点もあるんです。そういう意味で中国では『ジョーカー』は上映できませんしね」とコメント。それを受けて有村さんも「この映画は中国映画ならではの部分と香港映画の外連味がありますね」と本作の色々な魅力が次々と解説され、それを一言も聞き漏らすまいとお二人の話を熱心に聞く観客の姿が目立った。

この日の観客の中には、すでに本作を複数回みている人もいるほどハマる要素が満載!最後に「この映画は1回みただけでは疑問点が色々でてくると思いますが、話が分かったうえでもう一度観てみるとより面白さが増してきます!」(有村さん)「わかったうえでみると映画のオープニングから違ってくると思います!」(くれいさん)と二人からの熱いコメントで締めくくられた。

FourHands_flyer

監督:フェリックス・チョン
出演:チョウ・ユンファ、アーロン・クォック、チャン・ジンチュー
〔130分カラー 広東語、北京語 日本語字幕 2018年香港/中国 PG-12〕
★公式HP:www.gansatsuou.com
製作 Bona Film Group、Alibaba、Emperor Motion Pictures ほか
配給 東映ビデオ  © 2018 Bona Entertainment Company Limited