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変わらぬ感動と今だからこそ響く勇気と希望!ミュージカル『屋根の上のヴァイオリン弾き』開幕レポート

名作ミュージカルとして長く愛され続けているミュージカル『屋根の上のヴァイオリン弾き』が、2021年2月6日(土)に日生劇場にて初日の幕をあけ、名作ならではの変わらぬ感動と、今だからこそ響く勇気を希望とを与えてくれた。公演は3月1日(月)まで日生劇場にて、その後は名古屋、埼玉にて上演。 (写真提供/東宝演劇部)

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鳳蘭  市村正親

今回も2004年から主人公・テヴィエ役を演じ続けている市村正親と、2009年からテヴィエの妻・ゴールデを演じている鳳蘭のゴールデンコンビが出演。

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屋比久知奈 凰稀かなめ 唯月ふうか

このふたりの3人の娘役には、本作初出演となる凰稀かなめ(長女役)と屋比久知奈(三女役)と、2017年の上演では三女を演じた唯月ふうかが役替わりで次女を演じる。
さらにその恋人役には上口耕平、植原卓也、神田恭兵と実力ある若手俳優、さらにブラザートムが長女に振られてしまう肉屋役と、魅力的な実力あるキャストがそろった。

物語の舞台は、革命前夜の帝政ロシアの寒村アナテフカ。

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五人の娘と妻と貧しいながらも暖かい家庭を持ち、ユダヤ人としてその宗教と伝統を大切に守りながら牛乳屋を営むテヴィエ(市村正親)が主人公。

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市村正親 ブラザートム

小金持ちの肉屋(ブラザートム)は、後妻に長女・ツァイテル(凰稀かなめ)を望みます。
金持ちとの結婚を喜んだテヴィエ夫妻でしたが

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ツァイテルは幼馴染同然の貧しい仕立て屋・モーテル(上口耕平)との結婚を望んでいました。
仲人をたてない結婚などしきたりには反すること

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あってはならないと知りつつ、テヴィエは2人の思いに負けて、結婚を許すのです。

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次女ホーデル(唯月ふうか)は、村にやってきた知識青年パーチック(植原卓也)を追いかけ

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三女チャヴァ(屋比久知奈)は、ロシア人青年フョートカ(神田恭兵)との恋を貫き

次々に親元を離れていきます。そして、時代の波は、さらに苛烈に一家を襲うのです。

市民の政府への不満がつのる中、帝政ロシア政府はユダヤ人の追放を決定。(市民の不満のはけ口をユダヤ人に向けた…ともいわれていますね)

立ち退きを迫られた村のユダヤ人たち。もちろんテヴィエ一家も…

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テヴィエは深く嘆きつつも、生まれ故郷のアナテフカを捨て、新天地へと向かうのです。

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と、大まかにあらすじをご紹介しました。
物語はもとより、音楽も素晴らしく、長年愛されてきたことが納得の名作なのですが、特にこのコロナの時期だからこそ、一層胸に迫るポイントがいくつもあるように感じました。

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厳しい日常の中で、喜びを見つけて感謝をしながら暮らす人々。
そのダンスと音楽は、客席にいるだけで心弾み、心洗われる気がしました。

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愛していても、離れていくしかない家族。

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そして、将来への不安の中でも懸命に生き抜こうとするエネルギー。

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市村正親のさりげない一挙手一投足、ウィットの効いた一言に、何度も吹き出し、気持ちを明るくしてもらい、人々のたくましい生きざまに、勇気をもらって劇場を後にできたように思いました。

鳴りやまない拍手を受けたカーテンコールでの市村正親のコメントを、最後にご紹介します。

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本日は『屋根の上のヴァイオリン弾き』初日をご観劇頂き、誠にありがとうございました。
コロナで世界のエンターテイメントが苦しんでおります。まだブロードウェイもウエストエンドもまだ再開の見込みがたっていない。そういう中で、初日を迎えられたことは奇跡でございます。本当に嬉しいことです。
稽古場から 昨日の通し稽古までは、ず~っとマスクをし通しでした。ツレちゃん(鳳蘭)みたいな派手な顔はすぐわかるのですが、新しいメンバーがたくさんいて、どんな顔をしているのか、昨日ようやっと拝見することができました。非常に嬉しかったです。本当はお客様の顔も見たいのですが、ここはもう少し辛抱ということで、頑張っていきたいと思います。
ワクチンも開発されたし、近いうちには治療薬もできると思っています。その時には、また劇場で顔と顔を突き合わせてお芝居を観てもらえたらと思っています。
この公演は3月1日まで日生劇場にて、その後は名古屋、そして私の生まれ故郷であるアナテフカではありません(笑)埼玉公演があります。3月14日まで、また皆さまとどこかでお会いできたらいいなと思っております。本日はどうもありがとうございました。

ミュージカル『屋根の上のヴァイオリン弾き』
日時・会場:
<東京公演>2021年2月6日(土)~3月1日(月)日生劇場
<愛知公演>2021年3月5日(金)~7日(日)愛知県芸術劇場 大ホール
<埼玉公演>2021年3月12日(金)~14日(日)ウェスタ川越 大ホール

■台本:ジョセフ・スタイン
■音楽:ジェリー・ボック
■作詞:シェルドン・ハーニック
■オリジナルプロダクション演出・振付:ジェローム・ロビンス
■翻訳:倉橋健
■訳詞:滝弘太郎、若谷和子
■日本版振付:真島茂樹
■日本版演出:寺崎秀臣
■共同演出:鈴木ひがし

■キャスト
テヴィエ:市村正親
ゴールデ:鳳蘭
ツァイテル:凰稀かなめ
ホーデル:唯月ふうか
チャヴァ:屋比久知奈
モーテル:上口耕平
パーチック:植原卓也
フョートカ:神田恭兵
ラザール:ブラザートム

シュロイム:真島茂樹
アブラム:石鍋多加史
司祭:青山達三
巡査部長:廣田高志
イエンテ:荒井洸子
モールチャ:祖父江進
メンデル:かとりしんいち
ナフム:山本真裕
楽士:品川政治
ヴァイオリン弾き:日比野啓一
ツァイテル婆さん:北川理恵
フルマセーラ:園山晴子

板垣辰治、大森輝順、佐々木誠、附田政信、楢原じゅんや、尾関晃輔、佐野隼平、酒井銀丈、清水錬、鈴木結加里、真記子、真田慶子、竹内晶美、飯塚杏実、松本弥恵、渡辺京花

※寺崎秀臣の「崎」は立つ崎(たつさき)が正式表記。

製作:東宝  公式HP : https://www.tohostage.com/yane

公演の最新情報は、公式サイトでご確認をお願いいたします。