歌舞伎座の夏の風物詩「八月納涼歌舞伎」が、今年も8月2日から26日まで開催される。
平成2年(1990年)に十八世中村勘三郎(当時・五代目勘九郎)と十世坂東三津五郎(当時・五代目八十助)らが中心となって始まったこの公演は、若手花形の登竜門として数々の意欲的な演目を生み出してきた。平成5年からは三部制となり、幅広い世代が楽しめる夏の恒例行事として定着。今年で37年目を迎える。
今年の納涼歌舞伎は、怪談、笑い、舞踊、そして人間国宝の地唄舞まで、三部それぞれに濃密な魅力が詰まった豪華な内容だ。
第一部:通し狂言『怪談 牡丹燈籠』

若手花形×松本幸四郎 幸四郎が二役で魅せる“納涼の怪談”
幕末〜明治に活躍した名落語家・三遊亭円朝の傑作をもとにした怪談『牡丹燈籠』が、歌舞伎座の納涼歌舞伎に久々の登場。
平成15年に坂東三津五郎が伴蔵を勤めて以来の上演となる今回は、その長男・坂東巳之助が伴蔵を初役で務める。

相手役のお峰には尾上右近。
さらに中村橋之助×坂東新悟、市川染五郎×尾上辰之助という三組の若い男女が物語を彩り、幽霊の恐怖と人間の狂気が交錯する世界を描き出す。
松本幸四郎は、狂言回しの三遊亭円朝と馬子久蔵の二役で出演。
下駄の音や虫の声など、夏らしい情緒と背筋の寒くなる怪談が融合した、まさに“納涼”の一幕だ。
第二部:『眠駱駝物語 らくだ』/『百千鳥沖津白浪 鬼神のお松』勘九郎が初役で挑む「らくだ」 そして62年ぶりの復活演目

前半は、中村勘九郎が紙屑買久六を初役で勤める『らくだ』。
昨年急逝した四世片岡亀蔵を偲び、長年共演してきた俳優陣が集結する。亀蔵が独自の工夫で作り上げた死人・駱駝の馬太郎役は、兄の片岡市蔵が務める。
さらに、淡路屋の屋号で知られ、平成中村座やコクーン歌舞伎を支えてきた笹野高史が歌舞伎座に初登場することも大きな話題だ。

後半は、本興行では実に62年ぶりとなる『鬼神のお松』。
中村七之助が、三大盗賊の一人として知られる女盗賊・鬼神のお松を初役で演じる。
盗賊・娘・女房という三つの顔を巧みに演じ分ける七之助の変化が見どころ。
第三部:『舞鶴雪月花』/『雪』『残月』

中村屋の華やかな舞踊と、玉三郎の地唄舞が並び立つ夜
第三部は、中村屋ゆかりの変化舞踊『舞鶴雪月花』。
雪達磨を中村勘九郎、桜の精を中村七之助、そして松虫を中村勘太郎・長三郎兄弟が本興行で初めて二人で勤める。軽妙さと洒脱さの中に人生の儚さが漂う、味わい深い舞踊だ。
続くのは、人間国宝・坂東玉三郎による地唄舞『雪』『残月』。
しんしんと降る雪の情景、月の光に浮かぶ命の儚さ――玉三郎ならではの美の世界が広がる。
第三部は19時開演。
仕事帰りの観劇や、訪日客の夜の楽しみにも最適だ。

令和8年(2026年) 歌舞伎座「八月納涼歌舞伎」
日程:8月2日(日)〜26日(水)
※休演日:10日(月)、18日(火)
会場:歌舞伎座(東京都中央区銀座4-12-15)
演目:
第一部:通し狂言『怪談 牡丹燈籠』
第二部:『眠駱駝物語 らくだ』/『百千鳥沖津白浪 鬼神のお松』
第三部:『舞鶴雪月花』/『雪』/『残月』
前売開始:7月14日(火)10:00〜
チケットホン松竹:0570-000-489(10:00〜17:00)
チケットWeb松竹:24時間受付
最新情報:歌舞伎公式サイト「歌舞伎美人」
公演ページ:https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/977


















