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ミュージカル『ジョン&ジェン』森崎ウィン インタビュー「ふたり芝居だから怖い、けれどすごくワクワクしています」 

日本初演のミュージカル『ジョン&ジェン』が、12月9日(土)~12月24日(日)よみうり大手町ホールにて、2023年12月26日(火)~12月28日(木)新歌舞伎座にて上演される。
描かれるのは、1985年から現代までのアメリカを舞台に、一幕では姉ジェンと弟ジョンの物語、二幕では、ジェンと彼女の息子・ジョンの物語。
知性とウィットに富んだ台詞をピアノ、チェロ、パーカッションの生演奏による美しいメロディに乗せてとどける。
キャストはふたりだけ。ジョン役は森崎ウィンと田代万里生、ジェン役は新妻聖子と濱田めぐみがそれぞれWキャストで演じ、4バージョンの組み合わせが楽しめる。

森崎ウィンが、本作への思いを教えてくれた。

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-12月の公演ということは、徳川秀忠役でご出演のNHK大河ドラマ「どうする家康」が盛り上がっている頃にちょうど本作が上演されますか?
そうですね、たまたまそうなりますね。

-今回の作品の印象をお願いします。
ミュージカル出演が『ジョン&ジェン』で5作品目になります。今まではありがたいことに、大型作品に出演させて頂いてきましたが、この作品がふたりミュージカルということで「ぜひやりたい」「挑戦したい」という気持ちになり、 お声をかけていただいたことが嬉しくて「是非、お願いします」という気持ちになりました。
台本を読んで、最初は「これは子役がいるってこと?」と思ったくらい幅の広い年齢を演じますし、1幕と2幕では名前は同じだけど、別の人物を演じるというところも、非常にやりがいがありそうだと感じました。

-5歳から18歳までを演じるそうですが、今は役づくりをどのように考えておられますか?
演出・翻訳・訳詞・ムーブメントを担当する市川(洋二郎)さんから「ウィン君はそのままでいけるんじゃないか」とおっしゃっていただいたので、その言葉を信じてそのままでいこうかと思っていっています(笑)。

-「そのままでいける」と言われた森崎さんらしさとは、どういうところだと思っておられますか?
市川さんが「すごくピュアなウィン君」と言ってくださるので、それをイメージして、今日は白シャツで来きました。(笑)
まだミュージカル経験が少ない僕だからこそ出せるものがあると思います。ミュージカル界では誰もがご存じのベテランの方々とご一緒するので、無理に肩を並べようと背伸びせずに、素直に市川さんと脚本を信じて、飛び込んでいきたいと思っています。

-子供から青年までの役作り、難しそうですね
頭で考えても、体を動かさなかったら出てこないものもあると思いますが、例えば声のレンジや自分の持つ音色の幅は、昔に比べたら増えていると思いますし、自分の持っているものもわかってきていて、できることも増えてきているはずです。映像や声の仕事でも得られることはたくさんある気がするので、そこを駆使しつつ…と思っています。

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-稽古開始より前に行った市川さんとのワークショップで印象的に残っていることは?
ワークショップの中でいろいろ話し合ったときに、バックボーンについて、みんなで妄想を繰り広げました。基本的には、ジェンが自分を受け入れて次に進んでいく、そこがメインになってくるのではないかなと思っていて。
大人になるにつれ、自分が間違っていたことを認めるのが難しかったりする瞬間ってあると思うのです。特に家族に対しては。市川さんが、そういうところにすごくメッセージ性があるのではないかともおっしゃっていて、すごく印象的でした。
ジェンは作品を通して変化していくので、すごく大変じゃないかと思います。
ジョンは一幕と二幕で同じジョンという名ですが別の人物なので、その演じ分けはすごく大変なんじゃないかなと。 とにかく大変という言葉しか出てこなかったです。
ただ、市川さんは「ステージングも含め、もう全部見えているから信じて」と言ってくれているので、稽古前からこういうコミュニケーションの取り方ができたのは貴重で恵まれた環境にいるなと思っています。
ジョンとジェンの両親はどういう人たちなのかについても、いろいろ話合いました。そんなことを語り始めると、僕の妄想も止まらなくて。でもキャラクターを作るときには、わっと作って、全部忘れます。音楽をつけて 芝居を始めたら、そんな話を思い出す時間はないと思いますけど、舞台では映像のように編集できないので、何もない時の「間」が一番怖い。その「間」を生きるためには自分の中で埋まってないと。だから田代さんが持つもの、僕が持つもの、バックボーンが全然違っていて当たり前だし、それでいいと思います。

-2人のジョンをどう演じるおつもりでしょうか?まったくの別人?オーバーラップするところもありますか?
見た目を変えていくことが大事な瞬間もあると思いますけれど、この作品ではみなさんがジェンの目線で見ると思うので、オーバーラップするところがあるんじゃないか、という考えが出てくると思うんですよね。だから、ジェンから見たジョンを提示する瞬間も大事なんじゃないかなと思っていて。でも、二幕で出てくるジョンの自我や、彼の持つオリジナリティ、パーソナリティは台本の上でも十分に語られているので、それを出せる場面も必ずある。いい脚本って、役者が変にやることがなくて、そこにいられるんですよ。もちろんちゃんと伝える技術や表現・体現する技術は必要ですけれど。ジェンから見たジョンがこうで、ジョンのパーソナリティはこうだという部分はあるので、第三者として客観的な目を持ってジョンを理解して演じることは必要だと思います。

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-台本が英語と日本語が対照になっていて驚きました。
僕もすごく驚きました。それは市川さんが常に英語と日本語を見比べながらやるというこだわりを持っていらっしゃるからだし、翻訳に自信があるからだと思いました。僕も翻訳できるほどのレベルの英語力ではないけれど、例えば日本語で書かれているのはこうだけど、これはどっちのニュアンスなのだろうって、言葉の壁があったりするときに、英語が並べられていると、ちょっと皮肉的に言っているんだなとか、役者へのヒントにもなるんです。原作のある作品をやるときには、原作を読んだりするじゃないですか。でも経験した中で言うと、英語からくる台本だと、なかなか元の英語の台本を現場で見ることってない。だからこの台本を頂いたとき、とても信頼できるなと。すごく素敵な外国的なやり方だと思いました。

-この脚本を読んでワクワクしたとコメントされていましたが、そのワクワクしたポイントを教えてください。
とにかくふたり芝居なので、役者としては試されているという感じもあって、ちょっと怖い…いえ、めちゃめちゃ怖いんですけども、こういう作品にも出会わないと成長しないんだろうと思うんです。
たぶん毎公演が怖いと思うんですけど、そういう刺激が好きなんでしょうね。ふたり芝居だと聞いた時にすごくワクワクしました。

―今回は『ジョンもジェン』もWキャストで、4通りの組み合わせでの上演になりますね。
僕よりキャリアがある方や、誰かが自分と同じ役を演じることで「こういう風に見ていたんだ」「こう読み解くんだ」という瞬間を味わえるのが、Wキャストの魅力的ですし、観に来られるお客様もきっとその違いを楽しめる。どっちが正解というのではないと思いますけれど、そこで好みが出たり、「違った捉え方もありだね」という楽しみ方ができたりするので、すごくいいと思いますし、僕自身もそこは楽しみです。
でも、基本的にWキャストはあまり好きではありません。比べられるのは、どうしても好きになれない。何回か経験していく中で、慣れてはきましたけれど。(笑)
逆に相手役がWキャストだと、とても楽しい!『ピピン』では、祖母役が中尾ミエさんと前田美波里さんのWキャストでしたが、おふたりがまったく違っていて、相手によって自分が変わる瞬間がすごく面白くて楽しかったです。
今回の作品は、決まり事が多いからWキャストが一緒に作っていくというより、役者自身の持つものが全てになってくる作品になると思うので、それぞれの良さが出るのがベストじゃないかなと思っています。

-今回の楽曲の魅力は?
楽曲はかなり難しいです。僕の率直な感想を言うと、インパクトのある1曲があるというよりも、歌がセリフに近いように作ってある印象です。だからこそ全体を通して1曲とも感じられて、物語とともにある音楽だと思っています。なので、全部繋がった時にどういう風に感じるのか、僕にとっても楽しみではありますが、とにかく難しいですし、ふたり芝居ですし、楽器も少ないし、本当に力がないとできない作品だろうなと。これまでのように感覚でやるのではなく、いろいろと計算もしながら稽古していかなければ難しいだろうと思っています。完成した時に、この楽曲の真の魅力が、自分の中に落とし込まれるのではないかと思っています。

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-最後に楽しみにしている方へメッセージをお願いします。
役者にとってはストイックで、すごく成長できる作品になるのではないかなと思っています。お客さまにとってはジェンの目線で、自分を許せる、自分を受け入れるきっかけをもらえる作品になるんじゃないかなと思っています。特に家族に関して、僕は弟がいるので、ジェンの目線で見てしまった瞬間があり、けっこう考えさせられました。自分の家族への向き合い方、言葉の掛け方ひとつも、1歩手前で考える時間を与えてくれる作品になるんじゃないかなと思います。

-「どうする家康」をご覧の皆さんにもメッセージをお願いできますか?
テレビに出ている僕を観に来てください!(笑)

j&J組写真

PARCO PRODUCE 2023
ミュージカル『ジョン&ジェン』

音楽:アンドリュー・リッパ
歌詞:トム・グリーンウォルド
脚本:トム・グリーンウォルド、アンドリュー・リッパ
演出・翻訳・訳詞・ムーブメント:市川洋二郎
出演:
森崎ウィン / 田代万里生(Wキャスト) ・新妻聖子 / 濱田めぐみ(Wキャスト)

東京公演:2023年12月9日(土)~12月24日(日)よみうり大手町ホール
大阪公演:2023年12月26日(火)~12月28日(木)新歌舞伎座
公式サイト:https://stage.parco.jp/program/johnandjen

ミュージカル『ジョン&ジェン』森崎ウィン
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