2021年3月２６日（金）から新橋演舞場にて上演されるOSK 日本歌劇団『レビュー春のおどり』の製作発表記者会見が、3月12日(金)に行われた。この公演がトップスターとしてのラストステージとなる桐生麻耶が登壇。本公演とOSKへの思いを語った。
本年で劇団創立９９周年となり、来年2022 年には100 周年を迎えるＯＳＫ日本歌劇団。
桐生麻耶は、は 199７年にＯＳＫに入団し、劇団解散という危機を乗り越え、トップスターとなり劇団員をけん引してきたが、３月３１日をもって特別専科に移籍する。
これまでのトップスターが、トップスターを退いた後には退団してきたことを考えると異例のことでもあり、桐生の背負うものの大きさを感じさせる。
トップスターとしてのラスト公演となる『レビュー春のおどり』は、本年１月に大阪での公演を終え、この新橋演舞場公演が文字通りのトップスターとしてのラストステージ。
その公演にかける思いと、トップスターだからこそ感じた思いを、率直に語る会見となった。
桐生は「公演ができることが当たり前だとは思ってはいなかったのですが、このような（コロナ禍という）状況になって、改めてたくさんの方が動いてくださって、この舞台が成立するのだということを感じることができる時間でもありました」と挨拶を始めた。
昨年上演予定だった公演が、やっと今年実現。大阪での公演では「マスクで顔半分を隠したお客様から飛んでくるエネルギーに『待ってました！』というものを感じて、とてもプラスになりました」と顔をほころばせた。
『レビュー春のおどり』の第１部、日本の三時代を舞い歌う『ツクヨミ～the moon～』については「蘇我入鹿からはじまり、伊達政宗、堀部安兵衛と３つお役があります。構成・演出・振付の尾上菊之丞先生は、１つでメインになる作品を３つ持ってきていることに楽しさがあるとおっしゃっている。５０分間に、全くキャラクター違う３つの味を楽しんで頂けると作品」と紹介。
第２部『Victoria!』については、「OSKの王道のレビューを楽しんで頂けるかなと思います。個人的にはラインダンスがとても好き。見どころの一つなので、楽しんでいただきたい」「お許しがでれば、ラインダンスにも出たい。夢は捨てずにいたい」と笑いながら話した。
トップスターになって見えた景色は「ひとつの舞台に、かぎりなくたくさんの方が動いて成り立つのだということ。若い時には環境が違うので、気が付かないのではなく、気づけない。経験しないとわからないと思います」「責任はあまり考えないようにはしているけれど、支えられないと立っていれない。支えて頂いているから強くなれたり、気づくことによって学べたりもする」「恩返しという意味では、やはりいろんな方にOSKを知っていただく。チケットを買って頂いて、『楽しかった』と言って頂くこと。オーソドックスなことが一番難しい」と、瞳に熱を宿らせて語った。
特別専科へ移ることへは「まだ戦わせて頂けるので、しっかりと必要とされる舞台人でありたい。磨き続けたい」との決意も言葉にした。
公演は３月２６日（金）から２８日（日）まで、新橋演舞場にて上演。
公式HP ： https://www.osk-revue.com/
