日本が誇る伝統芸能の楽しさを伝えたいとの熱い思いから、日本そして海外でも活動を続け、大成功を収めている市川海老蔵が2016年、『 GRAND JAPAN THEATER 』を上演することが決定。11月26日には世界への視野から、羽田国際線ターミナル内の会場にて製作発表会見及び囲み会見が行われた。
粋なスーツで登場の市川海老蔵は、2016年2月の東京公演を皮切りに日本のみならず世界へ挑む思いを「まず日本公演で久方ぶりに『鏡獅子』を踊らせていただきます。『鏡獅子』は八代目市川團十郎が新歌舞伎十八番に制定した演目の一つで、市川家としては切っても切れないものの一つ。久しぶりに女方を演じさせていただいて、東京、大阪、ニューヨークはカーネギーホールでという試みでございます。3月のカーネギーホールでは音楽やダンスではなく、初めて歌舞伎舞踊を披露し、また歌舞伎だけでなく、狂言、お能と他にも日本の文化を皆さんに観ていただこうと思っております」と挨拶。
また、今回は文化交流事業としてアラブ世界初となる歌舞伎公演がアラブ首長国連邦フジャイラ首長国で上演されることとなったことについて「アラブ首長国連邦の王室の方からご招待いただき、私に白羽の矢を立ててくださり、文化交流事業の一つとして務めさせていただけるということで、日本の文化を運ぶ大きな役目だと思っております。そして日本の文化を知っていただき、中長期的に文化交流ができるよう新しいアイデアをどんどん追加しながら様々なことをやっていきたいと思っております。」と力強く意気込みをアピールした。
先日、初お目見えとなり、千秋楽まで無事25日間のご挨拶を務め上げた長男・堀越勧玄（2歳）の出演の可能性についてはまだ2歳と幼いため、初舞台まで大きな舞台は控えるか、父海老蔵の舞台に短期的に出られるかどうか、それも本人次第であると、今回の出演はないことが伝えられた。
続いて、行われた囲み会見では、海外公演について「今までのものは大抵が海外公演を行ってから、日本でという凱旋公演でした。しかし、今回は日本から始まって、海外へ持って行くということに重きを置いています。それぞれ別の趣旨である中東アラブでの文化交流事業、そしてニューヨークでの日本の伝統文化を深める試みを歌舞伎者として思い切ってやっていきたい」と凛々しい表情で語った。
しかし、千秋楽を迎えたばかりの長男・勧玄くんの話になると、途端に表情が緩み、「ホッとしたー！正直なところ挨拶をするか、初日の1週間前まで決めていなかったが自分でやる！と言い出して、25日間毎日ちゃんと自分で歩いて“堀越勧玄でございます”と言ったことは本当にホッとしました」と話し、勧玄くんの成長について、さらに表情を緩め「いやーもう全然違いますね。目を細めますね、親ばかですから。横で毎日やっているのを見て感じたのでしょう、4日目あたりで“僕はお扇子を置かなくていいのか”（歌舞伎では口上で結界を結ぶ意味で扇子を前に置く）と聞いてきて、翌日からやりだしました。千秋楽には口調も随分とそれらしく進歩があってよかったです。まだ海のものとも山のものともわかりませんが、多くの方に観ていただいて、彼は幸せ者ですが、彼もこれから大変な修行を頑張るわけですから、そういう意味では嬉しいですが、大変な道に入ったなと」と感慨深そうに語った。
2016年『 GRAND JAPAN THEATER 』は新歌舞伎十八番の内に名を連ねる歌舞伎舞踊の名作『春興鏡獅子』（気品ある女方と勇壮華麗な獅子の精という対照的な役を踊り分ける大曲）ほか、五穀豊穣を祈る神聖な舞である、狂言『三番三』そして、源頼光と土蜘蛛の戦いを劇的に描く、能『土蜘蛛』を同時に上演。市川海老蔵が敬愛する能楽師太鼓方・人間国宝の亀井忠雄の特別出演も決まっており、『 GRAND JAPAN THEATER 』の名にふさわしい、日本の伝統芸能の魅力を堪能できる重厚な舞台となっており、2月の東京公演を皮切りに世界へと繋がって行く。
市川海老蔵『 GRAND JAPAN THEATER 』日本公演
http://www.zen-a.co.jp/ticket/grand-japan-theater/
東京公演
2016年2月1日（月）、2日（火） Bunkamura オーチャードホール
大阪公演
2016年2月5 日（土）、6日（日） NHK大阪ホール
市川海老蔵『 GRAND JAPAN THEATER 』海外公演
フジャイラ首長国（アラブ首長国連邦）公演
2016年2月12日（金）、13日（土）ミラマール・アルアッカビーチリゾート
アメリカ・ニューヨーク公演
http://www.zen-a.co.jp/grand-japan-theater-ny/
2016年3月1日（火）カーネギー・ホール
