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絶賛上演中!こまつ座第109回公演・紀伊國屋書店提携 東憲司版『戯作者銘々伝』

戯作者銘々伝舞台写真_1
後列左より 新妻聖子 玉置玲央  阿南健治 
前列左より 相島一之 北村有起哉 西岡德馬 山路和弘 

井上ひさしの2作の小説を素材に、劇団桟敷童子の東憲司が戯曲を書き下ろした、こまつ座第109回公演 東憲司版『戯作者銘々伝』が、新宿南口・紀伊國屋サザンシアターにて上演中だ。

冒頭から登場するのは、蔦屋重三郎。この芝居の主役、山東京伝だけでなく、歌麿や写楽をも世に送り出した名プロデューサーが、なんと額帽子をつけ白一色の死装束で登場。死人と思えないユーモアと元気にあふれた語り口で話を始める。
やがて、思いのたけを思いのままに書くことが許されない時代に生きた物書きたちの魂も総登場し、その魂を鎮めるために物語が始まった。

死人が勢ぞろいするのだが、宮川彬良の音楽が楽しい。書きたいものが書けないという暗い時代だが、明るい音楽が生き生きとした人物像を感じさせてくれる。

山東京伝、式亭三馬、蜀山人、曲亭馬琴…遠い昔に教科書で見たことがあっただけの戯作者たちだが、その苦悩や喜びが風俗と共に描かれると、彼らが現実に生きていた人物として、急に身近に感じられる。

たばこを刻む音…
たばこ入れ…

今はもうなくなってしまったものたちの名前を聞くだけで、江戸の香りを感じることができる不思議な舞台。

東憲司版でも言葉遊びとユーモアは健在で、役者たちの達者な演技に客席には何度も笑いが起こっていた。

まさに粋で大人の舞台、東憲司版『戯作者銘々伝』は、6月14日(日)まで 新宿南口・紀伊國屋サザンシアター にて絶賛上演中。

戯作者銘々伝舞台写真_2

戯作者銘々伝舞台写真_3

戯作者銘々伝舞台写真_4

【あらすじ】
黄表紙で絶大な人気を得た戯作者の山東京伝(北村有起哉)は、町人の力が大きくなることを恐れた松平定信の寛政の改革により処罰された。
権力に屈し追い込まれた京伝は、烟草店を開き、そこで若く純真な花火師の幸吉(玉置玲央)に出会う。
江戸時代後期、黄表紙や洒落本が風俗を乱すと咎められ弾圧されながらも「笑い」というものに全てを賭けた戯作者たちの鬼気迫る生き様。
夜空にあがる一瞬の光に身を捧げる花火師と、書くことに魅せられ、コトバと心中した戯作者の数奇な運命とは…。

【公演概要】
こまつ座第109回公演・紀伊國屋書店提携
東憲司版『戯作者銘々伝』
作・演出 東憲司(劇団桟敷童子)
音楽   宮川彬良
出演   北村有起哉 新妻聖子 玉置玲央 相島一之 阿南健治 山路和弘 西岡德馬

■東京公演 2015年5月24日(日)~6月14日(日)
会場   新宿南口・紀伊國屋サザンシアター(紀伊國屋書店新宿南店7F)
お問合せ こまつ座 03-3862-5941   http://www.komatsuza.co.jp/
チケット 発売中
入場料  8,000円/夜チケット7,500円/学生割引5,500円(全席指定・税込)

■兵庫公演あり