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生きるとは何か、そして死ぬとは何か――狂言師が挑む 現代劇 『敦-山月記・名人伝-』

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2005年の初演で、野村萬斎が紀伊國屋演劇賞、朝日舞台芸術賞を受賞した名作が再び!
『山月記』などの著書で知られる中島敦の原作をもとに、野村萬斎が構成・演出を担い、 萬斎を含む狂言師たちが、足袋を脱いで、現代劇に挑む。

『敦―山月記・名人伝―』は、“私とは何か”を問い続け、その才能を惜しまれながら若くして逝った中島敦(1909年~42年)の世界観を、彼の二つの短編小説『山月記』『名人伝』を軸に、『狼疾記』『北方行』『光と風と夢』などの文章も絡めながら構成した作品である。

世田谷パブリックシアター芸術監督の野村萬斎は、2002年の就任以来一貫して「古典と現代の融合」「レパートリーの創造」を指針として掲げてきた。
『敦』はまさにその指針を体現する作品であり、本作の構成・演出を務めた萬斎は、中島敦の近代的な小説を、古典芸能の技法や発想、そして<謡>や<囃子>といった能狂言にある音楽劇の構造を取り入れながら、舞台芸術へと変換している。
音楽的な豊かさを感じさせる演者の語リとセリフは、中島敦の文体の真骨頂をみせる漢文調の響きを一層活かし、“私とは何か”という作家のテーマを人間誰しもが抱く問いかけとして、現代を生きるわれわれの心に刻み込む。

今年49歳。狂言師としても充実の時を迎え、『名人伝』の「不射之射」(注:弓矢を用いず、それでいて対象を射つ)の境地を志し芸術表現の更なる高みへと登る萬斎は今、中島敦の問いをどのようにとらえるのか。ご期待ください。

ヨコ 201506「敦 ―山月記・名人伝―」撮影:篠山紀信 0005

現代劇 『敦-山月記・名人伝-』
原作:中島敦 構成・演出:野村萬斎
出演:野村万作 野村萬斎 石田幸雄 深田博治 高野和憲 月崎晴夫
大鼓:亀井広忠 尺八:藤原道山
チケット好評発売中!

公演期間:2015年 6月13日(土)~21日(日)
会場:世田谷パブリックシアター

http://setagaya-pt.jp/theater_info/2015/06/post_396.html