映画『ゆとりですがなにか インターナショナル』の完成報告会見が、8月23日、東京・品川インターシティホールにて行われ、 キャストの岡田将生、松坂桃李、柳楽優弥と、脚本を手がけた宮藤官九郎、水田伸生監督が登壇した。
日本テレビ系列で 2016年4月期に放送された連続ドラマ「ゆとりですがなにか」がついに映画化！ 宮藤官九郎（脚本）×水田伸生（監督）がタッグを組み、笑いあり涙ありの痛快社会派コメディとして描かれた本作は、《野心がない》《競争意識がない》《協調性がない》と揶揄される「ゆとり世代」と勝手に社会に括られた、岡田将生演じる坂間正和、松坂桃李演じる山路一豊、柳楽優弥演じる道上まりぶのアラサー男子3人が、仕事に、家族に、恋に、友情に、迷い、あがきながらも人生に懸命に立ち向かうストーリー。
劇場版では岡田、松坂、柳楽をはじめ、安藤サクラ、仲野太賀、吉岡里帆、島崎遥香、髙橋洋、青木さやか、中田喜子、吉田鋼太郎らドラマでお馴染みの超豪華キャスト陣も勢揃い。さらに、木南晴夏、吉原光夫、上白石萌歌、 加藤清史郎も新キャストとして参戦。30代半ばを迎え、それぞれの人生の岐路に立たされた“ゆとり3人組”が、働き方改革やコンプライアンスなど、新時代の荒波に立ち向かう姿を描く。
「サラリーマンを辞め、家業の酒蔵を継ぐも契約打ち切り寸前、夫婦仲もイマイチ、時代の波に乗り切れていない男・坂間正和･･･」と紹介された岡田は「ひどい紹介ですね」と苦笑い。「岡田将生ですがなにか」と映画にちなんだ挨拶をし、松坂も「あの･･･今回も、童貞でした(笑)」と言い、笑いを誘う。
柳楽は中国での事業が失敗しフリーターとなった役を演じながらも「やっぱり自分の中でも大切な作品。映画化して皆さんの前に立てていることに感謝します。面白い作品ができたと思っています」と胸を張る。「中国語おセリフがたくさんあって難しくてなかなか覚えられなかったんですが、耳で覚えてひたすら勉強しました」と苦労を語ると、岡田と松坂から「さすが！柳楽優弥っていうくらい完璧！」「ストイックな方なんで」と褒めたたえられ、「ありがとう！シェイシェイ！」と照れながらも喜んでいた。
映画化のきっかけは松坂との雑談からだったと話す宮藤。「別現場の打ち上げで、松坂くんから“ゆとり”で『ハングオーバー！』みたいな感じで映画やれませんか？と提案されて。それを水田さんに相談して、じゃあ海外ロケだ、タイトルに『インターナショナル』も付けましょうと決まっていったんです」と述懐。
コロナ禍ということもあり、海外ロケは実現できなかったが、「日本には海外の人もいっぱいるし、ゆとりの人だったら八王子から高円寺の間でいいんじゃないか？って。気持ちだけ行って、海外には全然行ってないです。でも、海外に行くつもりだったという意味の『インターナショナル』ですから、それを忘れないでください（笑）。映画のなかで『ハングオーバー』というセリフは出てきます（笑）」と告白し、会場を沸かした。
松坂も「たまたま『ハングオーバー！』を観てたんですが、途中から登場人物が『ゆとり』の3人にしか見えなくなってきて。これを『ゆとり』でやったら、いけるんじゃないか？と、ふわっと雑談ぐらいの温度感で話したら、映画化の運びになりました。言ってみるもんだなと実感しました(笑)」と振り返る。
まさか映画化するとは思わなかったという松坂に、水田監督が「“別班”だから」と、現在放送中のTBS系日曜劇場『VIVANT』の役柄に絡んでイジり、「違う局なんで！」と松坂を慌てさせる一幕も。これに岡田も「敵か味方か、味方か敵か」と同ドラマのキャッチコピーで畳みかけ、松坂は「ありがとう、見てくれて」と感謝していた。
柳楽は「このメンバーで俳優としてもそうですが、実生活でも一緒に成長してきた感覚というのは貴重なので、より大切な仲間だなと感じました」と感慨深げ。岡田も「またみんなで集まってお芝居ができる楽しさと嬉しさと。本当にご褒美だなと思いながら臨ませてもらっていました。今も、今まで会見してきたなかで一番楽しくできているなと、安心してここに座っているのを本当に嬉しく思っています」と満面の笑みを浮かべた。
水田監督は当初のキャスティングを振り返り、「第1希望の3人に当たって砕けろで。この世代のナンバーワンたちの顔合わせが実現して、もう絶対にしくじれないなと思った」としつつ、「約7年ぶりに再会すると見事に成長していた。圧が強くなっていた。撮影も力が入るかなと思ったら、本当にすんなり撮影できた。この3人の共感力と順応性の高さ、あっという間に7年前に戻っていました」と3人を絶賛。
また、現場で阿吽の呼吸を見せるという彼らについて、監督は「とてつもなく深い準備をしてくるんです。撮影に挑むための質の高い準備が、この3人は図抜けていて、お互いに影響し合っている。宮藤さんの脚本を演じる3人を観れるだけで、木戸銭の元が取れると思っています」と太鼓判を押した。
ＭＣからあたらめて自身にとっての「ゆとり」チームの存在を問われると、岡田は「本当に家族みたいな感じ」と答え、「久しぶりに皆さんと集まったんですが、楽しいだけじゃない、面白いモノを、いいモノを作ろうという感覚でみんながいい方向に向かっている。会うと安心するんです。ずっとそばにいてほしいチーム」と話す。
松坂も「7年前の衣装がそのまんま残っているんです。本当に凄くて。皆さんがストイックで、いつどんな球を投げても大丈夫だからという万全な体制を常に取ってくださっている。だからこちらも安心して飛び込むことができるんです」としみじみ。「その安心感が、お風呂に浸かっている感じの温かさみたいな（笑）。（？）すいません、ちょっと間違えました（笑）。でもそれくらい安心するんです。現場にそれだけたくさん頼もしい人たちが自分の周りにいて本当に心強いです」と思いの丈を口にする。
柳楽は「数年前も一緒に作品を作っている家族のような、仲間のような感覚」とし、「そこに安心感を感じながら、みんながそれぞれ目的に向かって、より成長して再会し合えているという、本当に貴重な座組に参加できているなと改めて感じます。相談を腹からし合えるというのも、本当にありがたい関係」とコメントした。
気心が知れた仲のいい3人だが、ＭＣから「ライバルとして意識し合うことはあるか？」問われると、岡田は「僕は友達だと思ってた･･･」とポツリ。そう言いながらも「ライバルなんだけど、根底では友達。刺激させられる俳優になりたいし、友人でありたいですね」と語った。
松坂は「友だと思っているし、ライバルというか」と岡田に同調しつつ、「戦友みたいな感覚でもいるし、本当に気になる2人。たぶんそれはずっと変わらないとも思う。仕事でもプライベートでも、どんなことしているのかな？と、気になる存在ですね」と話し、柳楽も「僕もそう思います」と同意。「より成長している姿で会えて嬉しい。刺激的な仲間」と、ライバルを超えた存在感を伝えていた。
ちなみに、3人の共通点は「気遣い」とのこと。「ご飯を食べに行こうと話しても、日にちや場所とかお互いが気遣い過ぎて何も決まらないんです」と松坂が話すと、岡田と柳楽も「そうそう」と笑っていた。
『ゆとりですがなにか インターナショナル』
■キャスト：岡田将生 松坂桃李 柳楽優弥
安藤サクラ 仲野太賀 吉岡里帆 島崎遥香
手塚とおる 髙橋洋 青木さやか 佐津川愛美 矢本悠馬 加藤諒 少路勇介 長村航希 小松和重
加藤清史郎 新谷ゆづみ 林家たま平 厚切りジェイソン 徳井優
木南晴夏 上白石萌歌 吉原光夫 ／ でんでん 中田喜子 吉田鋼太郎
■製作: 日テレ アックスオン
■プロデューサー：藤村直人 仲野尚之（日テレ アックスオン）
■脚本：宮藤官九郎
■監督：水田伸生
■主題歌：「ノンフィクションの僕らよ」／感覚ピエロ（JIJI.Inc）
■コピーライト：©2023「ゆとりですがなにか」製作委員会
■公開日：2023年10月13日（金）
■公式サイト：https://yutori-movie.jp/
■Twitter：@yutori_ntv
■Instagram：＠yutori_movie
■TikTok：@yutori_movie
２０２３年１０月１３日（金）全国公開ですがなにか
