新人作家の逆襲が始まる!文壇下剋上エンタテインメント!
完成披露上映会
のん×田中圭×滝藤賢一×髙石あかり×原作者・柚木麻子×監督・堤幸彦 登壇
のん念願の“性格の悪い”役で新境地!
「これから悪い役で天下獲ります!!」
大好きな映画と太鼓判を押す原作者・柚木麻子
続編「私にふさわしいホテル2」構想中?
話題作を次々と発表してきた柚木麻子のいちばん“危険な”作品ともいえる『私にふさわしいホテル』が2024年12月27日にて全国公開される。主人公・加代子を演じるのは『さかなのこ』で新たな魅力を発揮し、俳優、アーティストとして様々な分野で活躍するのん。監督にはテレビドラマ、映画、舞台……あらゆるジャンルでヒット作を生み出し、社会現象を作ってきた堤幸彦が務める。
新人賞を受賞したにもかかわらず、未だ単行本も出ない不遇な新人作家・相田大樹こと中島加代子(のん)。その原因は、大御所作家・東十条宗典(滝藤賢一)の酷評であった。文豪に愛された「山の上ホテル」に自腹で宿泊し、いつかこのホテルにふさわしい作家になりたいと夢見る加代子は、大学時代の先輩で大手出版社の編集者・遠藤道雄(田中圭)の力を借り、己の実力と奇想天外な作戦で、権威としがらみだらけの文学界をのし上がっていく――。
ズタボロになっても何度でも立ち上がり、成功を己の力で引き寄せていく加代子の奮闘っぷりに、驚いて、笑えて、スカッと元気をもらえる“痛快逆転サクセスストーリー”が誕生した。共演には、田中みな実、服部樹咲、髙石あかり、橋本愛、橘ケンチ、光石研、若村麻由美など実力派&超豪華な俳優陣の面々。各々が超個性的なキャラクターを演じている。
<イベントレポート>
11月20日(水)に「私にふさわしいホテル」の完成披露上映会が開催され、主演ののん、田中圭、滝藤賢一、髙石あかり、贋作者の柚木麻子と本作の監督を務めた堤幸彦が登壇した。
逆境にあいながらも怒りのパワーで何度でも立ち上がり、不屈の精神と荒唐無稽な奇策で理不尽な文学界をのし上がっていく主人公・加代子を演じたのんは、「演じてみてすごく楽しかったです。本当に不遇な状況に置かれても、屈せずにへこまずに立ち向かっていくところが面白くて、カッコ良くもあり。わたしがやってきた役の中で一番性格が悪いと思います。それがすごく気持ち良かった」と笑顔でコメントし、会場を沸かせる。
また加代子の大学時代の先輩で大手出版社の編集者を演じた田中は、のんとは初共演。その印象について質問されると「普段はおっとりとしているけど、加代子になった瞬間ワーッとなるので。普段どこにそのパワーをしまっているんだろうと思って眺めてました」と返答。のんが「田中さんはおちゃめな方だなと思いました。(劇中に)加代子が焼きそばを食べるシーンがあったんですけど、その時にカットがかかった後で、田中さんが合間に焼きそばを食べていて。ホッコリしました」と述懐すると、田中も笑いながら「おなかがすいていたんだろうね」と返すなど、和気あいあいとした現場の雰囲気が垣間見えた。
そして加代子の因縁の相手となる大御所作家・東十条宗典を演じた滝藤は、のんとは三度目の共演となる。滝藤が「『あまちゃん』の時から変わらない、生まれたばかりの赤ちゃんの目というか、汚れなき目というか、あれから何年も経ったのに変わらないんだなと、驚きましたね」と語ると、のんも「うれしいですね。そんなことがあるんだとビックリしました。これからも目を守っていこうと思いました」と笑いながら返答。さらに「わたしは三回目で、すごく楽しくやらせていただきました。東十条先生とのシーンが一番ヘンテコな状況がたくさんあるので、すごく楽しみました。台本を読んだときは東十条先生ってどう演じるんだろうと思っていたんですがドキドキワクワクハラハラしていたんですが、滝藤さんが演じているのを見て、本当にいとおしいキャラクターになっていて。すばらしいなと思って感動していました」と付け加えると、滝藤も「ありがとうございます」と頭を下げた。
一方、東十条のまな娘、美和子を演じた髙石は、「登場シーンは短かったですが、短いシーンだったからこそ、美和子が登場した瞬間の目とか、会話をしている途中の父への怒りの目線とか、そういうものに、より鋭さが増すことができたのかなと思います。休憩中もすごく仲良く話をさせていただいて。楽しかったです」と述懐。さらにのん、滝藤との共演についても「いつかご一緒したいと思っていた方々なので、本当に夢みたい。それを直接伝えさせていただくことができて、ぜいたくな時間だったなと思います」としみじみ語った。
そんなキャスト陣を見ていた堤監督は「最高のキャスティングじゃないですかね」と満足げな表情で、「思った通りにできることってなかなかないんですけど、思った通りにできましたね。それはひとえにキャストの皆さんのおかげです」と感謝のコメント。また「本当に大好きな作品です!」と太鼓判を押した原作者の柚木も、「正直、このキャストさんで実写化のお話をいただいた時は、たぶん国民的人気者ののんさんがやるから、ちょっといい子になるのかなとか。加代子には事情があったりするのかなとか。また滝藤さんや田中さんたち演じる敵たちとちょっと疑似恋愛のような空気が出るのかなとも思っていましたし、このキャストなら改変も我慢しようと思っていました。でも加代子は最後まで一回も恋愛の要素がなく、最後までいい子にはならない。加代子は最後までずっと自分のことだけを考えて、何も反省をしないというのが、本当にうれしかったんです。ありがとうございます!」とキャスト・監督陣に感謝すると、堤監督も「それは最大の褒め言葉ですね」とニッコリ。「本当にいさぎのいい原作、いさぎのいい台本だったので、できる限りのことをやりました」と返した。
くしくも本作の舞台となった「山の上ホテル」は今年の2月13日から老朽化のために休館となっていたが、ホテルのそばにある明治大学が、2031年の創立150周年記念事業の一環として「山の上ホテル」の土地と建物を取得。再整備することが今月15日に発表されたばかり。柚木も「大学が買ってくれて良かった。やはりわたしも山の上ホテルが休館と聞いた時は、妄想で、作家がクラウドファンディングをすれば救えるのだろうか、などいろいろと考えていたんですが、まさかの明治大学が買い取ってくださって。やはり『山の上ホテル』にはハッピーエンドが似合うなと。この報道を聞いて良かったなと思った人もたくさんいたと思うんですが、この映画が公開される前にそういう良いニュースがあって。幸先の良い感じがします」と笑顔を見せた。
文学界で下克上をもくろむ加代子にちなみ、それぞれのキャスト陣に「自分が下克上をしたエピソード」と聞くことに。まずは髙石が、ダンスレッスンで必死に練習して「ビリからセンターへ」。そして滝藤は「子どもに腕相撲で負けたこと」。田中は小学生の時に入っていたバスケ部で「小4でレギュラー」とそれぞれに回答。最後にのんが「中島加代子」と返答。「わたしは本当に性格が悪い役をやりたかったので、ずっとインタビューでそう言い続けてきたんです。今までは誰も気付いてくれなかったんですが、ようやくやってきたか、という感じで下克上しました」と笑顔。さらに「これから悪い役で天下をとっていきます!」と高らかに宣言し、会場から拍手が送られたが、それを聞いた堤監督は「それは知りませんでした。いろんな角度で、いろんな演技ができる人だと思っていたので。まさかそこに特化しているとは思わなかったですね」と笑ってみせた。
そして最後に柚木が「本当にすばらしい俳優の皆さんと監督が息を吹き込んでくれて。日本で見たことがないタイプのヒロインが大活躍する話です。そして何より「山の上ホテル」が映画でくまなく出てくるということはなかなかないので、加代子は登場人物たちには愛されてないですが、「山の上ホテル」は加代子のことを愛していると思って書きました。そのしあわせな関係を見ていただければ」と語ると、髙石も「わたしはこの作品の中の『怒りはパワーになる』という言葉が好きなんですが、悔しさって明日また頑張ろうと思わせてくれるような糧になるものだと思うんです。この作品は怒りや悔しさが笑いに変わっているので、ぜひ楽しんでいただければ」とメッセージ。
さらに滝藤が「世の中、不公平や理不尽なことがいっぱいあると思います。でもそうしたことを、のんちゃん演じる加代子が力ずくでこじ開けるような、そういう爽快な作品となっていますんで、いっぱい笑って帰ってもらえば」と続けると、田中が「楽しい作品なので、映画を楽しんでいただきたいです。僕自身、この作品を観たときに加代子が刺さるというか、学ぶところがたくさんあるなと思ったので。性格悪いだけじゃない魅力がいっぱい詰まっていますし、そういう加代子を皆さんに観ていただけたら」とコメント。
のんも「敵も味方も巻き込んで突き進んでいく加代子が本当に気持ちがいいなと思って演じていました。小説を読んでもらうということにかけてはものすごく突き詰めている加代子だったので、すごく楽しかったです。そしてすばらしいキャストとお芝居ができて。堤監督、柚木先生のすばらしい原作をもってこの作品を送り届けできることがしあわせです。ぜひお楽しみください」と晴れやかな表情。そして最後に堤監督が「ここに居並ぶ皆さん、スタッフの皆さんの力でこの作品が完成してしあわせなんですが、ご覧になって面白いと思ったらどんどん広めていただいて。公開してからもなんだったら何度も見ていただいて。どうやら柚木先生の中には続編の構想があるようなので『私にふさわしいホテル2』を目指していきたいと思いますので、ぜひとも皆さま、楽しんでいただきつつも、ご協力お願いします」と続編に期待を寄せるひと幕もあった。
(オフィシャルレポートより)
映画『私にふさわしいホテル』
【物語】
新人賞を受賞したものの、大御所作家・東十条宗典の酷評により、華々しいデビューを飾ることなく、小説を発表する場も得られなかった不遇な新人作家・加代子。
この恨み、晴らさでおくべきか――。そう決意しながら憧れの「山の上ホテル」に宿泊する加代子の部屋の上階に泊まっていたのは・・・なんと東十条だった! 大学時代の先輩で編集者の遠藤の手引きによって東十条の執筆を邪魔し、締切日に文芸誌の原稿を見事落とさせる。だがここからが加代子の更なる不遇と試練の始まりだった……。加代子 VS 東十条の因縁の対決は、誰にも予想できない方向へと突き進んでいく!
果たして加代子は文壇に返り咲き、作家としての道を歩むことができるのか!?
のん
田中圭 滝藤賢一
田中みな実 服部樹咲 髙石あかり / 橋本愛
橘ケンチ(EXILE) 光石研 若村麻由美
監督:堤幸彦
原作:柚木麻子『私にふさわしいホテル』(新潮文庫刊)
脚本:川尻恵太 音楽:野崎良太(Jazztronik)
製作幹事・制作プロダクション:murmur
配給: 日活/KDDI
企画協力:新潮社
特別協力:山の上ホテル
(C)2012柚木麻子/新潮社 (C)2024「私にふさわしいホテル」製作委員会
公式HP:watahote-movie.com
公式X&Instagram:@wands_movie
2024年12月27日(金)全国ロードショー!