映画『ターコイズの空の下で』の初日舞台挨拶が、2月26日、東京・新宿ピカデリーにて行われ、主演の柳楽優弥と監督のKENTAROが登壇した。
第68回マンハイム・ハイデルベルク国際映画祭の国際映画批評家連盟賞&才能賞をダブル受賞し、ドイツを始めヨーロッパ各国の国際映画祭でも高評価を得た本作は、終戦後に生き別れとなった祖父の娘を探すためモンゴルを訪れた青年が、旅を続けるなかで未知の自分と出会う様を描いた、フランス・モンゴル・日本の海外合作映画。約３週間におよぶモンゴルでのロケを決行し、主演の青年タケシを柳楽優弥が演じた。
ドイツの映画祭に参加した柳楽は「ドイツの方は旅行が好きみたいなので、「こんなに笑うか？」と思うくら爆笑してくれてビックリしました。とても共感してくれて、ロードムービーが好きみたい」と観客の反応に満足気。「旅行の好きな方には楽しんでいただけるのかな？」とアピールした。
同行したKENTARO監督も「大きなスクリーンで上映され、全てのチケットがソールドアウトでした」と笑顔を見せた。また、タイトルについて「モンゴル語でターコイズを“ノミン”と言うのですが、モンゴルの詩人が空をターコイズと言って美しいなと思ったので」とその理由を明かした。
過酷なモンゴルロケとなったようだが、中でもオオカミと戦うシーンは「本当に怖かった」と語る柳楽。「ものすごい細い紐（リード）で繋がれていて大丈夫かな？と」と当時の気持ちを吐露。「監督は自分が撮ると言って、サングラスをして葉巻を吸いながらクレーンに乗ってました。凄い人だなと(笑)」苦笑い。
MCから「そのオオカミは調教されているんですよね？」と尋ねられると、「調教されていると聞いてましたけど･･･」と監督。柳楽は「怖かった。本当に怖いですよ」と監督を見やるも、監督は「これはCGじゃ撮れない。野性味もエッセンスとなっている」とあっけらかん。
爆破シーンも迫力があるが、「10分くらい耳鳴りが止まらなかった」という柳楽。監督が「撮影がロードムービーでしたね」と話すと柳楽は「また成長することができた。撮影というより旅にでたような感じでした」と当時を振り返った。
また、モンゴルの大スター・アムラ・バルジンヤムとの共演も柳楽の俳優人生に大きな影響を与えたそうで、「アムラさんは“アニキ”みたいな人。現地でもアムラが右と言ったら皆が右を向くような人。大好きでした」とニッコリ。監督も「二人が（タイプが）合わないということがポイントだった」と言い、「二人は違うタイプのアニマル！ 柳楽くんは野獣。70%ｋぅらがアニマルかな。人間の形をしたアニマル！」と独特の表現で絶賛。
イベントではアムラからのメッセージ動画も届き、柳楽は「ナーバスになりそうな時、（アムラのような）男気のある人を見ていると自然に元気が出る。男らしい凄さを感じて尊敬できる人です」と称え、監督も「世界レベルの役者です」と賛辞を惜しまなかった。
最期に柳楽が「物質的な豊かさよりも、精神的な豊かさが大切なんだなと僕自身も撮影していて感じました。ぜひその気持ちを感じていただければ嬉しいです」とメッセージを伝え、舞台挨拶を締めくくった。
モンゴルの草原で未知の自分と出会う――魂が響き合うロードムービー
日本を代表する俳優に成長した柳楽優弥、再び世界の舞台へ挑んだ日本・モンゴル・フランス合作
資産家の祖父を持つ青年タケシは、ある日突然、モンゴルに送り込まれる。目的は、終戦後に生き別れとなった祖父の娘を探すこと。馬泥棒のモンゴル人アムラと出会い、果てしなく広がる青い空の下、言葉も通じない、価値観も異なる二人の詩的でユーモラスな旅が始まる——。14歳の時に『誰も知らない』でカンヌ国際映画祭主演男優賞を受賞して以来、意欲的な作品で着実にキャリアを積み重ね、2021年も主演作の公開が相次ぐ柳楽優弥。本作は、その演技力と唯一無二の個性で国内外の映画人からオファーが絶えない柳楽が、約３週間におよんだモンゴルでのロケで、20代の終わりに新たな挑戦として臨んだ初の海外合作。柳楽本人も本作について「（タケシが）大人になっていく道のりが、僕自身の成長記録とも重なっている」「即興的な演技は『誰も知らない』以来初めてで、このやり方が好き」と語っており、他では見ることのできない俳優・柳楽の表情と輝きがつまった作品となっている。
監督・脚本・プロデューサー：KENTARO
出演：柳楽優弥 アムラ・バルジンヤム / 麿赤兒 / サヘル・ローズほか
配給：マジックアワー、マグネタイズ
日本・モンゴル・フランス合作/日本語・モンゴル語
公式サイト：http://www.undertheturquoisesky.com/
２月２６日(金)より 新宿ピカデリーほか全国順次公開中
