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稲垣吾郎「みんな集中していて怖かった」共演者たちの演技を絶賛! 「まずは自分を愛すること」とメッセージも! 映画『正欲』公開記念舞台挨拶

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映画『正欲』の公開記念舞台挨拶が、11月11日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズにて行われ、主演の稲垣吾郎をはじめ、共演の新垣結衣、磯村勇斗、佐藤寬太、東野絇香と、岸善幸監督が登壇した。

朝井リョウの第34回柴田錬三郎賞を受賞した話題作「正欲」を、『あゝ、荒野』(2017)、『前科者』(2022)などの演出家・岸善幸と、原作を大胆に再構築しながら監督の演出の可能性を拡げていく脚本家・港岳彦のふたりのタッグによって映画化。

検察官として横浜検察庁に務め、妻と息子と3人でマイホームに暮らす寺井啓喜(てらい・ひろき)役に稲垣吾郎。広島のショッピングモールで契約社員として働く桐生夏月(きりゅう・なつき)役に新垣結衣。両親の事故死をきっかけに広島に戻ってきた夏月の同級生・佐々木佳道(ささき・よしみち)には、磯村勇斗。そして佐藤寛太がダンスサークルで活動し、大学の準ミスターに選ばれるほどの容姿を持つ諸橋大也(もろはし・だいや)、東野絢香は大也と同じ大学に通う神戸八重子(かんべ・やえこ)を演じる。

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舞台挨拶の冒頭には、先日開催された第36回東京国際映画祭において観客賞と監督賞を受賞したことを祝い、稲垣から監督へ花束が贈呈された。岸監督は昨日、台湾にて舞台挨拶に登壇し、この後には香港で舞台挨拶が予定されている。稲垣は「(受賞を受け)自分のこと以上に本当に嬉しかったです。その知らせを聞いたときも早く監督に“おめでとう”を伝えたいという気持ちでした」と満面の笑み称え、受賞を喜んだ。

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劇中では、それぞれのパートで撮影され、映画祭や取材を受ける中で実際に会うことができたというキャストたち。完成作品を観て、稲垣は「皆さんの演技が本当に素晴らしくて。1人1人いろんなものを抱えて大変な覚悟を持って撮影に臨んだと思うのですが、それを素晴らしい監督をはじめとした制作スタッフの方々に仕上げていただきました」と感謝の気持ちを口にする。

東京国際映画祭や、ワールドプレミアなどでキャストたちが顔を顔を合わせる機会があったが、「嬉しかったです」と稲垣。「撮影中はなかなかお会いできない方も多かったですし、現場でお会いしてもみんな役として生きていたので、映画祭の時にはちょっと皆さんの素の部分とかも見えて嬉しかったですね」と笑顔を見せた。

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新垣も「本当にそう。出来上がったものを観たときに、スタッフさん、キャストの皆さん1人1人、全員が映画を作ることに対して誠実に向き合っているんだなということが伝わってきました。私自身が苦しくもあり、温かくもあり、色んな気持ちにさせてもらって、こんな豊かな映画に出演できたことが本当に幸せなことだと思いました」と充実感を滲ませる。

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磯村は「映画の中ではみんな役を背負って緊迫したシーンが続いていたので、なかなかお話をすることができなかったのですが、イベントや取材を通してようやく打ち解けることができたような気がします。温かい空気になるチーム。それはやっぱり作品の持つ力なのかなと思っています」と、しみじみ。

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佐藤も「磯村さんとも初めてお会いして、役としても初めて会うシーンがありましたが、そこで自分の秘密を共有することができる人たちがいるという、強さや安心感みたいものを感じました。稲垣さんと共演させていただいたときは、(演技に)入る前と演じている途中で、自分の考えていることや感じ方が変わっていったのがわかりました」と、役と向き合っていた様子。

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東野は「私は佐藤さんとの共演シーンが多かったのですが、他の皆さんと劇中でお会いするこがなく、1シーン終わるごとに早く皆さんに会いたいと思っていました。本当に皆さん素敵な方でお会いすることを楽しみにしていました」とほほ笑む。

そんな共演者について稲垣は「ホントに、みんな集中していて怖かった。内心ビクビクしていました」と賛辞を送る。

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監督も「キャスト、スタッフが真剣に悩みながら、話し合いながら作った作品なので、観たあとに色んな方と話ができるきっかけになればと思います」と作品への思いを吐露。編集にも細かいこだわりを見せ苦労したそうだが、稲垣は「監督が壮大なものを何か月もかけて編集してくださったんです」と監督への労いを忘れなかった。

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劇中で偽装結婚をする佳道と夏月。演じた新垣が「手を取り合って先の未来を一緒の乗り越えていくという意味では、なんら(普通の結婚と)変わらないし、偽装ということもない気がします。ふたりの形は、不自然なことは全く思っていないですね。凄く納得しました」と2人の関係性について語ると、磯村も「僕もなんの違和感もなかったです。家族とか家庭というものは、いろんな形があると思うので、夏月と佳道のような関係性も、今のこういう時代だからあるべきものだし、実際にそう暮らしている人たちもいると思う。僕は2人の時間が愛おしかったですね」と同調した。

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また、今作の役を演じたことに、稲垣は「ストリー的にワクワクしたという言葉を使ってもいいのかわかりませんが、僕自身の中で、また新しい挑戦でした。啓喜の目線で物語を見進めていってくださる方が多いと思います。だんだん僕の心が崩れ始め、自分の正義とはなんなんだ!と試み始める。静かに、穏やかに。グラデーションみたいなものをつけて演じることができればと思い、監督に色々と指示をしていただいて臨みました。新しいチャレンジは楽しかったですね」と満足気に話していた。

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最後に稲垣が「観る方それぞれによって色んな視点があると思いますが、最終的には人が誰かと繋がること、その繋がった人間を愛すること、そのためにまずは自分を愛する大切さを感じてもられたら。美しい映画です。本当に大切な作品なので、1人でも多くの方に観ていただきたいです」と声をかけ、監督は「人と人が生きるための力って何なのかをみんなで真剣に考えて作りました。映画を観終わった後の優しい時間も大切にしたいと思います」と。

新垣は「この作品に出会うことで、この作品の登場人物たちのような気持ちを抱えながら生きている人が、今も必ずどこかにいる。そのことを考え続けたいと思いました。改めてそう思うきっかけをいただいて凄く感謝しています。観てくださった皆さまにも心に届けば嬉しいです」とメッセージを送っていた。

『正欲』本ビジュアル

<STORY>
横浜に暮らす検事の寺井啓喜は、息子が不登校になり、教育方針を巡って妻と度々衝突している。広島のショッピングモールで販売員として働く桐生夏月は、実家暮らしで代わり映えのしない日々を繰り返している。ある日、中学のときに転校していった佐々木佳道が地元に戻ってきたことを知る。ダンスサークルに所属し、準ミスターに選ばれるほどの容姿を持つ諸橋大也。学園祭でダイバーシティをテーマにしたイベントで、大也が所属するダンスサークルの出演を計画した神戸八重子はそんな大也を気にしていた。

原作:『正欲』(新潮文庫刊)
原作小説は、2009年『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞、2013年『何者』では直木賞を受賞した朝井リョウが、作家生活10周年で書き上げた渾身の一作。2021年3月に発売されるやいなやその内容が波紋を呼び、第34回柴田錬三郎賞を受賞した話題作。自身が「小説家としても一人の人間としても、明らかに大きなターニングポイントとなる作品です」と語る通り、共感を呼ぶ傑作か、目を背けたくなる問題作か・・・「この衝撃は読んでみないとわからない」「もう読む前の自分には戻れない」と、続々と読者が増え続けている。

主題歌:Vaundy
2000年6月6日、東京都出身。作詞、作曲、アレンジを全て自分でこなし、デザインや映像もディレクション、セルフプロデュースするマルチアーティスト。19年春頃からYouTubeに楽曲を投稿開始し、2023年夏現在、YouTube・サブスクリプションのトータル再生数は44億回以上を突破。サブスク令和時代の象徴的な存在として注目を集め、リリースした楽曲は長期にわたりチャートイン、CMドラマなど各方面でタイアップにも起用される。2022 年 12月 31日、 第 73 回 NHK 紅白歌合戦に初出場。開催したワンマンライブは全て即日完売、2023年秋には自身最大規模 6大都市12公演からなるアリーナツアーを開催。「おもかげ」(milet×Aimer×幾田りら)、「逆光」(Ado)など、フィーチャリングでの参加や楽曲提供及びプロデュースでもその手腕を余すことなく発揮。菅田将暉「惑う糸」では、初のミュージックビデオの監督も務めた。耳を捕らえ一聴で癖になる天性の歌声とジャンルに囚われない幅広い楽曲センスで、ティーンを中心に強固なファンダムを拡大し、令和の音楽シーンを牽引している。

映画『正欲』
出演:稲垣吾郎 新垣結衣 磯村勇斗 佐藤寛太 東野絢香
監督・編集:岸善幸
原作:朝井リョウ『正欲』(新潮文庫刊)
脚本:港岳彦
音楽:岩代太郎
主題歌:Vaundy『呼吸のように』(SDR)
撮影:夏海光造 照明:高坂俊秀
作:murmur 制作プロダクション:テレビマンユニオン
配給:ビターズ・エンド
©2021朝井リョウ/新潮社 ©2023「正欲」製作委員会
2023/日本/カラー/DCP/5.1ch/ヴィスタ/134分/映倫G

bitters.co.jp/seiyoku
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11/10(金) 全国ロードショー!