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第43回ぴあフィルムフェスティバル・クロージング作品 映画『プリテンダーズ』プレミア上映イベント 小野花梨<初主演>での舞台挨拶!見上愛<役者人生初>の舞台挨拶!

タイトル

第43回ぴあフィルムフェスティバル・クロージング作品
映画「プリテンダーズ」プレミア上映イベント
小野花梨<初主演>での舞台挨拶!見上愛<役者人生初>の舞台挨拶!
一発撮り予定の渋谷スクランブル交差点でのゲリラ撮影は計3回!?

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「前にならえ」「空気を読め」を美徳とするニッポン社会に、ふたりの女子高生が物申す!彼女たちの武器はSNSとアイディアのみ。引きこもりのひねくれ者・花梨と、花梨の唯一の理解者であり親友・風子は、プリテンダーズを結成し、次々と型破りなドッキリを仕掛け、フィクションの力で本気で“世直し”を試みる。ふたりの女子高校生が巻き起こす、ブラックで痛快&ハートフルなのに前代未聞なシスターフッドムービー「プリテンダーズ」。
この度、開催中の第43回ぴあフィルムフェスティバルのクロージング作品としてプレミア上映が行われ、上映後に主演の小野花梨、見上愛、熊坂出監督が登壇し、初めて観客にご覧いただいた喜びとともに、撮影秘話などをたっぷりと話した。

ふたりの⼥⼦⾼校⽣が巻き起こす、ブラックで痛快&ハートフルなシスターフッドムービー『プリテンダーズ』(10月16日公開)が9月23日、第43回ぴあフィルムフェスティバル2021でクロージング上映され、主演の⼩野花梨、共演の見上愛、そして熊坂出監督がトークイベントを行った。

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引きこもりのひねくれ者・花梨役で映画初主演の小野。渋谷のスクランブル交差点で感情を爆発させるシーンについて「二度とこんな思いしたくない!」とゲリラ撮影の過酷さに苦笑いしつつ「監督から、1回しか撮れないと聞いていたので、本番1発に賭けようと、事前に準備しました。照明さんも音声さんもカメラマンさんも近くにいない。そんな中で突然、渋谷の真ん中で私たち二人が叫ぶわけですから、逃げる人もいるし、あえて直視しない人もいる。そんな人間の反応を学びました。」と回想。「でも1回終えたあと、監督から『もう一回!』と言われて(笑)。あまりにも心の衝撃がありすぎて、『ふざけるな!』とかなり動揺してしまいました。
で、結局3回撮ったのですが(笑)」と打ち明けた。

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花梨の唯⼀の理解者であり親友・風子役の見上も、小野とともにスクランブル交差点で感情を爆発させた一人。見上は、「私は映画の経験が少なかったこともあり、こういう撮影も普通の撮影だと思ってしまい、思った以上に声を出してしまいました。」と度胸をみせる。一方の熊坂監督はゲリラ撮影の苦労として「途中でカメラマンの方が足をつってしまって急遽バトンタッチで僕がカメラを回すことに。完全に自主映画の現場でした」と笑いながら過激な舞台裏を明かしていた。

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熊坂監督とは16歳の頃に出演した映画『人狼ゲーム ビーストサイド』以来という小野だが「そこから5年くらいして熊坂監督から脚本を渡されました。私のパーソナルなことについて監督に話した記憶はないのに、その脚本の中に私がいて。」と驚き。小野はソックスの色の指定など不必要に思える校則や大人の理屈が理解できず、学校に通えない時期があったそうで「反抗するとシンプルに怒られ、息苦しい思いをしてきました。でも今回の脚本を読んだ時に、自分だけではなかった…という安堵感と嬉しさを感じました」と役柄やストーリーに感銘。当の熊坂監督は「⼩野花梨主演の映画を撮りたかった」と念願叶った抜擢だったと打ち明けていた。
一方の見上は「脚本を読んだときは、なんだこりゃ!と思った。私は花梨ちゃんとは正反対で、あるものをあるものとして受け入れてきて、生きにくさを感じることもありませんでした。演じた風子に対しても『何なのこの子!?』と思ったり」と素直に語りながら「熊坂監督は自分自身と向き合う場所を提供してくれて、徐々に私って風子だ…と思える瞬間も増え、撮影では風子目線で物語を受け入れることができました」と心境と視点の変化を報告した。

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脚本もそんな小野と見上に寄り添うように変化していったそうで、小野は「監督は脚本上の設定やシーンに関して、私たちと相違があったらその溝を埋めようとしてくれた。風子なんて設定が何度変わったのかわからないほど。私たちが台本に寄せて演じるというより、役を生きていることを実感しながら、キャラクターが私たちに寄ってくるような特殊で恵まれた撮影環境でした」と異色かつ自由度の高い撮影スタイルに感謝していた。

撮影はコロナ禍ならではの影響も受けており、熊坂監督は「シーンの状況をミニマムにしたり、撮影の確約がコロナで白紙になったり、冒頭の入学式のシーンも少ないエキストラで出来るように変更したりもしました」と苦労を打ち明けるが「映画作りとは、他者を理解しようとすること。理解を深めることは大変でぶつかることもある。でも終わってみて振り返ると楽しさしか残っていません」と手応えを得ていた。

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最後に主演の小野は「私は幼少期に辛かった時期があり、この映画と出会いに私自身が救われるところがありました。苦しくてなんで生まれてきてしまったのだろうかと、そういうことを思って生きている人がもしいるのならば、アナタだけじゃないと…。この映画で描かれるメッセージが救いになるのではないかと思います」と感極まって涙をあふれ落とした。常識を常に否定するかのような花梨について「嫌悪感を抱いたり、共感できないキャラクターかもしれないけれど、それは正しい感想でもあると思います。心の中で自分が思う感想を大切にしてほしい」と訴えて「私にとって『プリテンダーズ』は大好きだけれど、同時に二度と見たくないと思えるような、自分にとって特別で大切な作品になりました」と愛憎半ばする複雑な気持ちを言葉にし、見上も「私自身が、この作品と出会うことで自分の持っていない感情や気持ちを知り、成長することができた。共感する作品ではないかもしれないけれど、沢山の方に観ていただいて、ご覧になった方に自由に受け取ってほしい」と公開後の反響と反応に期待を込めていた。

映画『プリテンダーズ』
監督・脚本・編集:熊坂出
音楽:YURI SHIBUICHI
主題歌:踊ってばかりの国「ghost」
出演:小野花梨、見上愛、古舘寛治、奥野瑛太、吉村界人、柳ゆり菜、佐藤玲、加藤諒、浅香航大、村上虹郎、津田寛治、渡辺哲、銀粉蝶 ほか
制作プロダクション:テレビマンユニオン
配給・宣伝:gaie
配給協力:Mou Pro.
©︎2021「プリテンダーズ」製作委員会
公式HP: https://pretenders-film.jp/
公式twitter:@pretenders_film
公式instagram:@pretenders_film

10月16日(土)渋谷ユーロスペースほかにて全国順次公開