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大泉洋「この映画は長尾くんの成長物語!」長尾謙杜のアクションを絶賛も、暴走するイジリに長尾タジタジ!? 『室町無頼』製作発表会見

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映画『室町無頼』の製作発表会見が、2月11日、東京国際フォーラムにて行われ、主演の大泉洋をはじめ、共演の長尾謙杜、松本若菜、北村一輝、柄本明、堤真一の豪華キャストと、監督・脚本を務めた入江悠が登壇した。

垣根涼介の同名小説を、入江悠監督が脚本も務め実写映画化した本作は、室町時代を舞台に、自らの力で時代を切り拓いた「無頼」たちを描いたアクション・エンタテインメント。歴史史料にはあまり残されていないが「無頼」たちは確かに実在していた。腐りきった政治と世の中を叩き直そうと、命がけの戦いに挑む男たちの姿を描き出す。

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会見冒頭で大泉が掛け軸に書かれた『室町無頼』というタイトルを堂々と披露。
日本史上、初めて武士階級として一揆を起こした男・蓮田兵衛を演じた大泉。蓮田は己の腕と才覚だけで混沌とした世を渡る自由人でありながら、ひそかの倒幕と世直しの野望を抱く無頼漢。大泉は「応仁の乱直前のカオスな時代。タイトルを見てワクワクしました。何が起こるかわからない作品」と述べ、「物語を読んで、大変痛快でした。どの時代でもどこか閉塞感を感じたり、政治への違和感を覚えたりする。それは現代にも通じるものがあると思います」と作品に惚れ込んで臨んだ様子。

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ところが、「脚本とト書きを読み進めていくと、『これ、どうやって撮るんですか?』と。スケールが大きすぎて。現場に入ったら、思いのほか人力でやるんだな、もうCGとかでやってくれと(笑)。今の時代、贅沢なやり方ですが、我々(俳優が)大変な映画でした」とぼやき節。

それでも、「僕も50歳ですが、時代劇をたくさん観てきました。ここまでスケールの大きい時代劇に関われることはそうない。さらに入江さんのもとでやれるということは、役者としては心躍るものがありましたね。日本の役者であれば誰だって心躍るのでないかと思います」と出演を喜んだ。

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一方、幕府から京の治安維持と取り締まりを任される悪党一味の首領で、兵衛とは腐れ縁の骨皮道賢を演じる堤は、「本格的な骨太の時代劇。道賢は実在の人物なのですが、ほとんど記録がないんです。伏見稲荷を拠点にしていた人物なので、伏見神社へ行って社務所の方に尋ねたら『誰ですか、それ?』と言われてしまって(笑)。なので想像力を働かせて演じました」と話した。

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長尾は、兵衛に出会い、地獄さながらの修行を経て超人的な棒術を身につける・才蔵を演じ、「この映画ではアクションのほか、たくさんの新しいことに挑戦しました。才蔵として兵衛殿にはたくさん磨きをかけていただき、大泉さんにも磨いていただいて、人としても成長できた作品になりました」と胸を張る。

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棒術の達人で、兵衛と歳三の師匠・唐崎の老人を演じた柄本は「時代劇は大好きです。時代劇は日本の宝だと思っています。京都太秦の撮影所にいられて本当に幸せでした」と満面の笑みを浮かべ、足利義政に仕える有力大名・名和好臣役の北村は「脚本の中に1人、憎たらしい悪役がいて、この役誰がやるんだろうと思っていて(笑)。想像以上にいい仕上がりでワクワクが止まりません」とニヤリ。

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撮影は入江監督のこだわりが詰まっており、現場での苦労も多かったそう。大泉が「たいまつを持った人がたくさんいるんですが、一揆のシーンなのでとんでもない人の数。当時と同じくらいの人を集めたんじゃないかというくらい。カットをかけても声が届かなくて、遠くのほうではまだ一揆をしてるんですよ(笑)」と明かすと、堤も「かなり叫んでいましたね。一揆なので、周りの人たちもワーワーいっているので全然聞こえない。それに『はったい粉』で埃を表現するんですが、大きな扇風機で飛ばすので口の中がジャリジャリになりました」と苦笑い。その扇風機も大型ゆえに音でお互いの声が聞こえない。大泉が「だから勘で喋るんです」と言うと、堤も「今、言ったな・・・って読唇術でやってましたね(笑)」と顔を見合わせて笑った。

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その迫力について「監督が『マッドマックス』を観ているのを見て、何を目指してるの?と思いました。スケールは『マッドマックス』ですよ」と大泉。監督も「手探りでやっていくうちに『マッドマックス』にたどり着きました」と認めた。

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長尾は関所が爆発するシーンが印象に残っていると。「坂道を登るシーンで(背後で爆発するので)『もし爆発音が聞こえないようだったら、スタッフが手を振って合図を出すのでリアクションを取ってほしい』と言われたのですが、いざ本番が始まってみると、今まで感じたことがないほどの大爆発で(笑)。 ここまでやるのかと! それが初日の撮影だったので、ここからの撮影が楽しみになりました」とニッコリ。大泉も「監督がキューを出していたんですけど、誰でもわかるわ!ってくらいだったね(笑)」と回顧していた。

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高級遊女・芳王子役の松本は「監督は風にこだわっていて、木々の揺れ方にも注意を図っていました。そんな小さなこだわりがスケールの大きさに繋がっていくんだなと」と、大胆な中にも繊細な表現にもこだわる監督を称えた。

また、アクションについて話が及ぶと、大泉は「ここまで殺陣をやったのは初めて。昨年の夏に練習をしたのですが、アクション監督から初日に『とりあえず木刀を持って、振り下ろしを100本!』と言われて・・・」と苦労を語る。練習の甲斐あってか「撮影初日に立ち回りがあったんですが、終わったあとに僕に教えてくれたアクションチームの人たちが(感動して)泣いてくれましたね」と述懐。

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堤は台本にはそれほど大変な殺陣はなかったはずだったが、監督の『大泉さんと堤さんの一騎打ちが見たいな』のひと言で、シーンが追加されたとのこと。「僕も今年還暦ですから、腰が痛くて痛くて。撮影日以外は接骨院やマッサージに行って、京都でえらい散財しました」とぼやく。そこに監督が「堤さんの鎧は本物の鉄で作っちゃったんです。めちゃくちゃ重いんですよ」と補足すると、大泉が「でも、映画を観ても本物かどうかわかんないけどね(笑)」と堤に追い打ちをかけて笑いを誘っていた。

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今回、長尾にとっては初めてのアクション。「棒が6尺もあるので、扱いが難しかったです。僕も『練習初日は100本振ろうか』と言われたのですが、いろんな振り方があったので全部で500本くらい振りました」と稽古の様子を伝えると、大泉は「長尾くんのアクションが本当に凄いです! この映画はほとんど長尾くんの成長の物語。これは長尾くんの映画ですよ」と大絶賛。「かわいそうにね、ふんどし一丁で延々と稽古させられて」と言うと、長尾も「この映画で3分の1くらいはずっとふんどし一丁です」と明かし、暴走する大泉のイジリに慌てながらも大爆笑していた。

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「“大泉洋史上最高にカッコいい男”を演じる」と銘打たれる本作。最後に大泉は「近年ここまでのスケールで撮られた映画はそうないと思います。ここに描かれている人々は本当に必死に生きて、時代を変えようとしています。カッコよくて、美しくて、今の時代にも通じる映画です。この映画が完成しましたらぜひ観ていただいて、明日から何かアクションを起こしたくなる、そんな映画だと思います」と、熱いメッセージを送った。

◆映画『室町無頼』スペシャル映像

【ティザービジュアル】映画『室町無頼』

映画『室町無頼』
監督・脚本:入江悠
原作:垣根涼介『室町無頼』(新潮文庫刊)
出演:
大泉 洋
長尾謙杜 松本若菜
遠藤雄弥 前野朋哉 阿見 201 般若 武田梨奈
水澤紳吾 岩永丞威 吉本実憂 土平ドンペイ 稲荷卓央 芹澤興人
中村 蒼 矢島健一 三宅弘城
柄本 明 北村一輝
堤 真一
配給:東映
コピーライト:© 2025『室町無頼』製作委員会

2025年1月17日(金)公開