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映画『羊の木』吉田大八監督&脚本家・香川まさひとが激闘トーク!

「第22回釜山国際映画祭」 キム・ジソク賞受賞

吉田大八監督(『紙の月』『桐島、部活やめるってよ』)が、錦戸亮と豪華俳優陣を迎えて贈る、
心揺さぶる衝撃と希望のヒューマン・サスペンス!

吉田大八監督&脚本家・香川まさひとが激闘トーク!
錦戸亮は「魅力的で説得力がある」
Today at Apple プログラム<Perspectives>

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漫画家・山上たつひこといがらしみきおがタッグを組み、2014年文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞した同名傑作コミックを錦戸亮主演で映画化した『羊の木』(2月3日全国公開)。1月19日には吉田大八監督と脚本家の香川まさひとが、製作の舞台裏を明かすトークライブを東京のApple銀座で行った。

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吉田監督と香川のタッグは映画『クヒオ大佐』以来約10年ぶり。再タッグの経緯について吉田監督は「殺人犯が過疎化の港町にやってくるという原作にある設定が面白いと思ったし、混沌としたパワーもあった。ただそれにどうやって手を付けたらいいのかわからず、辞退しようと思ったときに、香川さんが思い浮かんだ」と回想。すでに原作を読んでいた香川は「企画の打ち合わせはまさに悪夢。70回くらいやりました。それで完成まで2年くらいかかった。ここまで時間をかける映画も珍しい」と過ぎ去った苦労を報告した。

劇中の殺人犯たちの状況は、現実世界の移民問題と置き換えて見ることもできるが「7冊にも及んだ打ち合わせノートには、刑務所の問題や公務員の問題などの新聞記事の切り抜きが貼られているし、移民問題についての視点もあった」と香川が証言すると、吉田監督は「シナリオ作業の時は今ほどに移民問題を切実に考えていたわけではなかったが、今になって移民問題に対する世界の切迫感が強くなった気がする。映画に描かれていることがリアルに迫ってきて怖いけれど、しかし映画は時代の中で見られるものなので、避けられないもの」と本作の持つ世界観に現実問題が接近したことに驚いている。

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元殺人犯たちという〝異物“を受け入れられるか?ということがひとつのテーマになっているが、吉田監督は「現代は考えの違う人との線をはっきりと引きがち。お互いにわからないことに傷つき合いながら、付き合っていくということがなくなってきた」と、SNSなどを中心とした対面しないですむネット社会に危機感あり。香川は「今回の映画の打ち合わせ自体が激しいぶつかり合いで、多い時は17時間も吉田監督と顔を突き合わせて、殺してやろうか!と思うところまでいった」とぶつかり合いの制作過程を報告。これに吉田監督も「決別するかと思うことが3度あったが、それでも香川さんとは付き合い続けた。シナリオ作業はその繰り返し。だからこそのぶつかり合いの熱量が映画にも表れている」と舞台裏の激闘を語った。

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また吉田監督は、主演を務めた錦戸について「普通の青年を演じても魅力的な人。原作よりは若い設定だが、より若い未熟な魂が殺人犯たちとの触れ合いを通してどう変わるのかを見せるのがより映画向きだと思った。錦戸さんはそんな普通を演じても説得力のある人」と自然体演技を賞嘆。男女6人の殺人犯の受け入れを担当することになった市役所職員・月末を演じているが「そんな彼の表情を通して、元受刑者たちの姿や事件を見せていきたかった」と狙いを明かした。

【STORY】
信じるか?疑うか?心揺さぶる、衝撃と希望のヒューマン・サスペンス!
さびれた港町・魚深(うおぶか)に移住してきた互いに見知らぬ6人の男女。市役所職員の月末(つきすえ)は、彼らの受け入れを命じられた。一見普通にみえる彼らは、何かがおかしい。やがて月末は驚愕の事実を知る。「彼らは全員、元殺人犯」。それは、受刑者を仮釈放させ過疎化が進む町で受け入れる、国家の極秘プロジェクトだった。ある日、港で発生した死亡事故をきっかけに、月末の同級生・文(あや)をも巻き込み、小さな町の日常の歯車は、少しずつ狂い始める・・・。

出演:錦戸亮  木村文乃 北村一輝 優香 市川実日子 水澤紳吾 田中泯/松田龍平
監督:吉田大八 『桐島、部活やめるってよ』『紙の月』
脚本:香川まさひと
原作:「羊の木」(講談社イブニングKC刊) 山上たつひこ「がきデカ」、いがらしみきお「ぼのぼの」
© 2018『羊の木』製作委員会 ©山上たつひこ、いがらしみきお/講談社
配給:アスミック・エース
公式サイト:http://hitsujinoki-movie.com/

2月3日(土)全国ロードショー!