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池松壮亮、ピアノ演奏のため半年間猛特訓! 森田剛は池松との二人三脚で「離さないよ!」映画『白鍵と黒鍵の間に』プレミア上映会イベント

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映画『白鍵と黒鍵の間に』のプレミア上映会イベントが、9月4日、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷にて行われ、主演の池松壮亮をはじめ、共演の森田剛、高橋和也と、冨永昌敬監督が舞台挨拶に登壇した。

本作は、ジャズミュージシャンで、エッセイストの南博の小説「白鍵と黒鍵の間に-ジャズピアニスト・エレジー銀座編-」を原作に、鬼才・冨永昌敬監督が大胆にアレンジし、昭和末期の銀座を舞台に「南」と「博」二人のピアニストの運命が交差する“一夜”を描き出す、奇想天外なエンターテイメント。
池松壮亮が一人二役で南と博に扮し、博の大学時代の先輩で、クラブでは南のバンド仲間でもあるピアニスト・千香子役を仲里依紗、刑務所からシャバに出てきたばかりの謎の男“あいつ”役を森田剛、ギャンブル狂だが音楽への想いは失っていないバンドマスター・三木役を高橋和也が演じる。

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満席の会場に登壇し、「緊張して前を見れない・・・」と手を震わせる監督。「原作者の南博さんと映画化の約束をしてから12年も経ちましたが、映画は動き出すとトントン拍子で行くもので、あっという間だったような気もします。南さんと一緒に銀座を歩いたときのワクワクを思い出します」と振り返り、「1人のピアニストが何を考え、ぶつかって、自分の道を見つけたのかを観てほしいです。南さんの若い頃のいろんな経験に感銘を受け、映画化まで10年以上かかりましたが、素晴らしい俳優さん・スタッフの皆さんとこういう日を迎えられて嬉しく思います」と感慨深げ。

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さらに、「僕は23歳から35歳まで(東京・四谷にある)“いーぐる”というジャズ喫茶でアルバイトしていたのですが、並行してジャズライブの撮影をしていました。その頃に南さんの原作が刊行されて。いろんな人から『この本は映像化したほうがいい』と声が上がっていて、誰かがやればいいなと思いながら、内心は僕がやればいいんじゃないかと思っていました(笑)」とエピソードを話し、会場を沸かせた。

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南は才能にあふれているが、夜の世界のしがらみに囚われて夢を見失ってしまったピアニスト。博は希望に満ち、ジャズマンになりたいという夢に向かって邁進する若きロマンチスト。南と博は、時にすれ違い、時にシンクロするカードの裏表のような関係を一人二役で二人のジャズピアニストを繊細に演じ分けてみせた池松。

池松は、撮影を振り返り「本当に楽しかったですね。出来上がりにすごく満足していますし、冨永作品にどっぷり浸れたような気がしています。誰にも似ていない独創的な映画技法を存分に感じられて、冨永監督ならではのイマジンとファンタジックが溢れた作品になっていています」と充実感を滲ませる。

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劇中では、『ゴッドファーザー 愛のテーマ』を池松自身が演奏しているが、撮影の約半年前からレッスンを開始したとのこと。池松は「弾くなんて言わなきゃよかったですよね(笑)。やります!と言って後悔するタイプ。伸び悩みました」と苦笑い。「素晴らしいピアニストの魚返さんが音楽監修で入ってくれたのですが、彼の『愛のテーマ』をジャズアレンジがとてもカッコ良くて。だけど、あまりに難しくて」と苦労した様子。池松の実家では常にジャズが流れていたそうで「父もジャズ好きで、僕の根底に流れているリズムはジャズなんです」とも話す。

ジャズメンを演じたことに「父親がジャズ好きで、実家ではジャズがよく流れていたので、根源的に自分の中に流れているものだと思った」と運命的な出会いを感じていた。

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森田は自身が演じた役について「彼には空白の時間があって、取り残されたような人。時代に合っていない、過去に縛られている感じがします。かわいそう・・・、でも優しい男かなと思いました」と解釈。

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続けて、「冨永さんがその場でいろんな演出をするので怖かったですね。何を言い出すかわからなくてドキドキしていました(笑)」と回顧。思い出深いシーンを聞かれると「池松くんとの二人三脚のシーンは一生忘れられない思い出になりました」と答え、「ズボンも脱げたり武器も転がったりして難しいシーンでした」と回想。

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池松は「脚本では二人三脚はしないはずだったけれど、撮影当日に冨永さんから提案を受けて僕も大賛成だったので」と話し、冨永監督も「森田さんが作って来た役柄があまりにも悲しみにあふれて可哀想な感じだったので、二人三脚をさせてあげたくなった。想いを遂げさせてあげたくて」と二人三脚シーンが生まれた背景を説明し、「当初は“和田”という名前も付けていたんですが、普通の名前は違うなと思って“あいつ”にしました」と裏話も。

森田は「もはやファンみたいな気持ちで、池松くん演じる博を追いかけていた。 “あいつ”が唯一得意だと言う二人三脚ができて嬉しかった」と笑顔を見せると、池松も「二人三脚をやる準備で、だいぶ前から足が繋がれていて。森田さんがずっと手をまわして放してくれなかったんです。ずっとくっついていて。森田さんが前を向きながらボソッと『離さないよ』って言って。ドキドキしました(笑)」と告白し、会場の笑いを誘う場面も。

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一方の高橋は、自身のギター演奏シーンについて「ジャズのギターと普段弾くギターとは全く違っていて…自腹でレッスンを受けたりしたんだけど」と気合の入れよう。それでも「撮影現場に行ったら池松くんがピアノを弾いていて…。これ本物じゃん!と思った。池松くんのピアノを聴いて、改めて俳優って凄いと尊敬しました」と池松のジャズピアニストぶりを絶賛。「クリスタル・ケイさんも松丸契さんも、本物のミュージシャンが俳優として出ている。これはただごとじゃないよなと。いい音楽映画ができました」と感動の面持ち。

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また、本作のテーマ”夢“にちなみ、それぞれの「諦めない夢」を聞かれると、池松は「上京して15年くらい経ちますが、東京の花火大会に行きたいです。いまだに行けてませんがまだ諦めていません!」と笑う。森田は「大きな家に住みたいです。大きな庭がある。部屋はあるだけあった方がいい」と現実的な夢を。高橋は「夢とかはないです。生きているだけで精一杯なので(笑)、ただ、人生で諦めきれないものは酒とタバコ!」とお茶目に答えると、会場から拍手が上がり、嬉しそうに笑っていた。

最後に、池松は「とてもいい作品が完成したという実感があります。この映画が誰かの心の隙間を埋めるような、あるいは変わりゆく時代の移ろいの間を埋めるような映画になってくれれば」と期待を込める。冨永監督も「理想的なキャストに恵まれた作品で、皆さんのお芝居や演奏をどうやってカメラに撮っていくのか撮影当時はそのことで頭がいっぱいでした。僕自身この作品を誇らしく思っています。ぜひ、劇場で何度も観ていただきたいです」とメッセージを送った。

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◆予告編

【あらすじ】
昭和63年の年の瀬。夜の街・銀座では、ジャズピアニスト志望の博(池松壮亮)が場末のキャバレーでピアノを弾いていた。博はふらりと現れた謎の男(森田剛)にリクエストされて、“あの曲”こと「ゴッドファーザー 愛のテーマ」を演奏するが、その曲が大きな災いを招くとは知る由もなかった。“あの曲”をリクエストしていいのは銀座界隈を牛耳る熊野会長(松尾貴史)だけ、演奏を許されているのも会長お気に入りの敏腕ピアニスト、南(池松壮亮、二役)だけだった。夢を追う博と夢を見失った南。二人の運命はもつれ合い、先輩ピアニストの千香子(仲里依紗)、銀座のクラブバンドを仕切るバンマス・三木(高橋和也)、アメリカ人のジャズ・シンガー、リサ(クリスタル・ケイ)らを巻き込みながら、予測不可能な“一夜”を迎えることに・・・。

池松壮亮
仲里依紗 森田剛
クリスタル・ケイ 松丸契 川瀬陽太
杉山ひこひこ 中山来未 福津健創 日高ボブ美
佐野史郎 洞口依子 松尾貴史 / 高橋和也

原作/南博「白鍵と黒鍵の間に」(小学館文庫刊)
監督:冨永昌敬
脚本:冨永昌敬 高橋知由
音楽:魚返明未
製作幹事:ポニーキャニオン/スタイルジャム
制作プロダクション:東京テアトル/スタイルジャム 制作協力:ARAKINC.
配給:東京テアトル 製作:「白鍵と黒鍵の間に」製作委員会
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(映画創造活動支援事業)独立行政法人日本芸術文化振興会
Ⓒ2023 南博/小学館/「白鍵と黒鍵の間に」製作委員会
公式サイト:hakkentokokken.com

10月6日(金)テアトル新宿ほか全国公開