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リリー・フランキー「愛の話で、世界が愛おしく感じる作品」 映画『コットンテール』特別先行上映会

第18回ローマ国際映画祭最優秀初長編作品賞 受賞!
東京からイギリス湖水地方へ。妻の最後の願いを叶えるための旅
リリー・フランキー、錦戸亮、木村多江、高梨臨、パトリック・ディキンソン監督 登壇

日英合作映画『コットンテール』

日英合作映画の撮影・イギリスロケの思い出に大盛り上がり!
リリー「愛の話で、世界が愛おしく感じる作品」

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東京と、イギリスで最も風光明媚なリゾート地でとして名高い、イングランド北西部に広がる湖水地方・ウィンダミアを舞台に、家族の愛と再生を紡ぎ上げたロードムービー仕立てのヒューマン・ドラマ『コットンテール』。
学生時代にオックスフォード大学と早稲田大学で日本映画を学び、日本に非常に造詣が深いパトリック・ディキンソン監督が、自身の母親を看取った経験を元に書き上げた脚本に深く共鳴したというリリー・フランキーを主演に迎えた本作は、昨年開催された第18回ローマ国際映画祭で最優秀初長編作品賞を受賞した。
長年人生を共に歩んできた妻・明子(木村多江)に先立たれた兼三郎(リリー・フランキー)は、明子の「イギリスのウィンダミア湖に遺灰を撒いて欲しい」という最後の願いを叶えるため、長らく疎遠だった息子の慧(錦戸亮)とその妻・さつき(高梨臨)たちとイギリスへと旅立つ。しかし、互いに長年のわだかまりを抱えた兼三郎と慧はことあるごとに衝突してしまう。さらに兼三郎には、慧に言えない明子とのもう一つの約束があった。

第18回ローマ国際映画祭最優秀初長編作品賞を受賞した日英合作映画『コットンテール』(3月1日公開)。2月13日には都内映画館で特別先行上映会が実施され、リリー・フランキー、錦戸亮、木村多江、高梨臨、そしてパトリック・ディキンソン監督が出席した。

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満席で迎えたこの日。撮影から約2年半の月日を経てついに完成した本作のお披露目にリリーは「まさかこんな大きな劇場で、こんなにも沢山のお客さんが来てくれるとは思わなかった」と感激し「撮影時は本当にコロナ禍真っただ中。撮影でロンドンに行っても隔離生活、日本に帰っても隔離生活。ロンドンの撮影の記憶プラス隔離の記憶が濃い。当時は本当に撮影が出来るのか?という状態でしたから」と当時の狂騒ぶりを回想。イギリスから駆け付けたパトリック監督も、沢山の観客で埋め尽くされた会場を眺めながら「こうなればいいな~とずっと思っていた光景が今目の前に広がっています」と喜びを噛み締めていた。

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ロンドンでの撮影時、自炊ライフを送っていたという錦戸。「僕はお米が好きで、一合炊けるお弁当箱型の炊飯器を持ち込んで毎晩お米を炊いて、次の日の朝に炊きたてのお米を食べていました」と健康的食生活を紹介。するとリリーは「おにぎりを握って来てくれて、たまに僕やパトリック監督にくれた。やっていることはほぼオカンでした」と明かして笑わせ、パトリック監督が「シソのおにぎりが美味しかった。イギリスにはシソがないので残念です」と肩を落とすと、錦戸は「今日作って来ればよかった~!」と悔しそうだった。

リリーと錦戸は意外にも初共演。俳優・錦戸亮のファンだというリリーは「ダメなお父さんと、お母さんと嫁に挟まれて…。錦戸くんが演じた慧はそんな大変な役どころでしたが、それを空気感で説明してくれた。やはり凄いなと。一緒にいやすい人でもあって、ナチュラルに親子感も出た」と手応え。お褒めの言葉に錦戸は照れながらも「リリーさんはダメ親父としてしっかりと僕を振り回してくれた。演じる上では自分自身が抱いている気持ちも出てくるものなので、その過程も観ていただきたい」と観客にアピールしていた。

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一方、木村はパトリック監督の演出術を紹介。「台本はあくまでガイドラインで、みんなで役を作っていく感じでした。パトリック監督は私が感じることが大事だと言ってくれて、現場は居心地が良く誠実で役者に寄り添ってくださる監督でした。いい経験をさせていただきました」と感謝した。そのパトリック監督は、リリーと木村が『ぐるりのこと。』(2008年公開)以来の夫婦共演を果たしたことに「お二人は世界中でも最も素晴らしい役者です。私の作品で『ぐるりのこと。』と同じように夫婦役を演じくれたのが嬉しかったです」と感激しきりだった。

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イラン映画の巨匠アッバス・キアロスタミ監督の『ライク・サムワン・イン・ラブ』に出演した経験のある高梨は、ヨーロッパでの人気も高いそうで「ヨーロッパのスタッフからモテていたね」とリリーが報告。高梨はパトリック監督について「日本語もお上手で日本人の気持ちを理解してくれる温かい方でした。外国人ではあるけれど、日本人と近いものを感じながら撮影出来ました」と充実した表情だった。

これが長編映画監督デビューのパトリック監督は「この作品はラブストーリーであり、家族の愛の物語でもあります。僕は日本とイギリスを繋げる作品を作りたかった。日本のスタッフの皆さんは世界的に見ても優秀で、それは役者にも言えること。ワールドクラスの役者さんたちが自分の作品に参加してくれたことに心から感謝しています」と述べ「中でもリリーさんの演者としての情熱は素晴らしく、その姿を日本の観客の皆さんに早く観ていただきたい!」と激賞。これにリリーは上映前の舞台挨拶ということもあり、「いやいや、今それを言ったらお客さんの期待のハードルが上がるから…」と恐縮していた。

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バレンタイン間近ということもあり、この日はイギリススタイルでパトリック監督がキャストそれぞれに一輪の真っ赤なバラをプレゼント。イギリスの粋な習慣にリリーは「なかなか可愛い習慣ですね~」と感心しながら、錦戸ファンに向けて「錦戸さんにチョコレートを持って来ている人もいると思うので、それは僕が預かりますよ」とジョークを飛ばしていた。

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そしてリリーはパトリック監督の第18回ローマ国際映画祭最優秀初長編作品賞受賞を祝福。これにパトリック監督は「ありがとうございます。でも頂いた賞はこの映画に関わった皆さんに贈られたものだと考えています」と『コットンテール』ファミリーを労っていた。

最後に主演のリリーは「パトリック監督がこの作品を撮ってくれたことで、家族が歳をとっていくというのは日本人だけではなく、世界中の問題だということがわかる。重たいテーマを扱っているかもしれないけれど、この物語は愛の話であり、世界が愛おしく感じる作品だと思います。イギリスの綺麗な風景や映像も美しいので、大きなスクリーンで観ていただき、この映画のことを気に入ってもらえたら嬉しいです」とアピール。パトリック監督も「今日はご来場ありがとうございます。映画を楽しんでほしいです。この映画から愛を感じていただき、その愛を他の方にシェアしてもらえたら嬉しいです」と期待を込めていた。
(オフィシャルレポートより)

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映画『コットンテール』
【あらすじ】
60代の作家、大島兼三郎(リリー・フランキー)の最愛の妻、明子(木村多江)が、つらい闘病生活の末に息を引き取った。埋めようのない喪失感に打ちひしがれた兼三郎は、生前の明子が寺の住職に託した一通の手紙を受け取る。そこには明子が子供の頃に訪れたイギリスのウィンダミア湖に、自分の遺灰をまいてほしいという最後の願いが記されていた。兼三郎は遺言を叶えるために、長らく疎遠だった息子の慧(トシ)(錦戸亮)とその妻さつき(高梨臨)、4歳の孫エミとともにイギリスへ旅立つ。しかし互いにわだかまりを抱えた兼三郎と慧は事あるごとに衝突し、単身ロンドンから湖水地方に向かった兼三郎は田園地帯で道に迷い、途方に暮れるはめに。やがて兼三郎は亡き妻に導かれたこの旅の果てに、人生の最も大切なことと向き合っていくのだった……。

出演:リリー・フランキー 錦戸亮 木村多江 高梨臨 / 恒松祐里 工藤孝生 / イーファ・ハインズ and キアラン・ハインズ
監督・脚本:パトリック・ディキンソン
製作プロダクション:マグノリア・マエ・フィルムズ、オフィス・シロウズ
製作総指揮:ガブリエル・タナ
プロデューサー:押田興将、キャロリン・マークス・ブラックウッド、エレーヌ・テオドリー
配給:ロングライド
2022年/イギリス・日本/日本語・英語/94分/2.39:1/カラー/原題:COTTONTAIL
©️2023 Magnolia Mae/ Office Shirous
公式サイトURL:https://longride.jp/cottontail

2024年3月1日(金)新宿ピカデリーほか全国公開