映画『あの頃。』の公開記念イベントが、2月3日、東京・スペースFS汐留にて行われ、主演の松坂桃李をはじめ、共演の仲野太賀、コカドケンタロウと原作者の劔樹人が登壇。さらにゲストとして、藤本美貴がサプライズ登場し、登壇者たちを喜ばせた。
本作は、ロックバンド・神聖かまってちゃんの元マネージャー・劔樹人による、ハロー！プロジェクトへの熱い愛と、大切な仲間たちとの出会いと別れを描いた自伝的青春コミックエッセイ「あの頃。男子かしまし物語」を映画化。監督は多くのヒット作品を手掛ける今泉力哉。主人公・劔役を松坂桃李が演じ、藤本美貴の魅力を熱く語るコズミン役の仲野太賀をはじめとしたオタ活仲間に、山中崇、若葉竜也、芹澤興人、コカドケンタロウら個性豊かな面々が揃った。
この日、劔は劇中で松坂が着用した赤いジャケットを着て登壇。、実はもともと劔の私物だったそうで「僕のところに戻ってきました」とニッコリ。劔・本人そのものという声を多く受けたという松坂は、役作りについて「ありがたいことに、現場に劔さんが結構来てくださって。スタッフさんと談笑している姿や、ちょっとした日常のニュアンスみたいなものを垣間見ることができたので良かったです」と語り、「本当によくいらっしゃったので嬉しい反面、本物さんがいるので緊張もしました」と笑った。
劔は「『明日も来ますか？』って言われて、つい『あ！ 行きます！』と言ってしまって」と苦笑い。「松坂さんがギターを弾いているシーンを見ていたら、カメラのピントが少しボケた時、昔はこんなだったなって思って･･･」と、松坂の姿を自分自身と重なったそうで「そんなこと言ったら『何言ってんだ！』って怒られちゃいますが、松坂さんが僕を観察してくれてたんだなと思いました」と松坂を絶賛した。
他の本物のメンバーたちも完成作品を観て「豪華すぎる再現映像だと喜んでいました」と話す劔。実際にそのメンバーたちも撮影現場に来てくれていたと話す仲野は「皆さんの存在感は凄かったです。怪人感が凄い(笑)」と振り返り、松坂も「当たり前ですが、本物感がありましたね。よくモノマネ番組とかで “ご本人登場！”みたいな感じで」と回想。コカドが「僕が演じたイトウさんは（現場に）来られなかったのですが、実はご本人からTwitterでメッセージをいただいたんです」と明かし、登壇者たちもビックリ。劔は「コズミンの弟さんが作品を観てくれたんですが、家族の前では大人しい人だったらしく『こんなに傍若無人だったんですね』と言ってました」と語った。
個性的な人々を演じるにあたり、仲野は「演じてみて、僕もこんな青春を送ってみたかったなぁと思ったし、もっと伸び伸びしていいんだなということにも気付きました」とコメント松坂は「振り切って演じてみたつもりですが、ご本人たちは僕たちが想像している以上の方たちだったので、どんなにやっても届かないなという感じはしました」と吐露。コカドは「毎日現場に行くのが楽しみで、ワクワクしていました。まさに撮影自体が青春。放課後に誰かの家で遊んでいるような感覚でした」と初の映画出演に満足げ。
そして、2月3日は「絵手紙の日」であるということにちなんで、劔から松坂へ手紙が送られた。「自分を松坂さんが演じてくれるという二度とない素晴らしい経験になりました。僕にとって大切な思い出ですが、少し忘れかけているのも事実です。僕の愛しき記憶が他の誰かの愛しい疑似体験となり残っていく、こんな素敵なことはありません。外見の違いはあれど、僕の内面としっかり向き合い大切に演じてくれました」と読まれると、松坂は「隣のアクリル板がなければ、ぐっと握手かハグしたい気持ちです」と感動しきり。さらに、松坂、仲野、コカドへ似顔絵のプレゼントというサプライズも。
しかし、サプライズはここで終わらず、ここでモーニング娘。OGの藤本美貴が登場すると、 「うわ～！」「すごい！」と声が上がり、仲野は「いや～、汗が止まらない(笑)」と興奮を隠せない。コカドと松坂も「一気に役に戻っちゃうね～」と落ち着かない様子。中でも一番感動していたのは劔。当時は“握手会”というものもなかったので、本物に会うのは初めて。劔が「今でもハロプロ応援しています。この前もM-line Special行って来ました」と報告すると藤本は笑顔で喜んだ。
本作を観て、藤本は「改めてファンの方々がこんなにも熱く人生を掛けて応援してくださっていることを知ることができて、本当に嬉しかったです」と感想を述べ、当時に思いを馳せていた。
最後に松坂は「誰にでも大事にしていた“あの頃”があると思います。それが人生で一番だったということではなく、それがあったからこそ今がある、今を大切にできるんだなと気づかせてくれる映画です。心の風を通してくれるような温かい作品になっています」と自信を持ってメッセージを伝え、イベントを締めくくった。
【ストーリー】
中学10年生の夏休みのような、そんな毎日が永遠に続くような気がしていた――
大学院受験に失敗し、彼女なし、お金なし、地獄のようなバンド活動もうまくいかず、どん底の生活を送っていた劔（つるぎ）。ある日、松浦亜弥の「♡桃色片想い♡」のMVを見たことをきっかけに、劔は一気にハロー！プロジェクトのアイドルたちにドハマりし、オタ活にのめり込んでいく。藤本美貴の魅力を熱く語るケチでプライドが高いコズミンをはじめとした個性的なオタク仲間と出会い、学園祭でのハロプロの啓蒙活動やトークイベント、また「恋愛研究会。」というバンドを結成しライブ活動を行うなど、くだらなくも愛おしい青春の日々を謳歌する。しかし時は流れ、仲間たちはハロプロとおなじくらい大切なものを見つけて次第に離れ離れになり…。
監督：今泉力哉
脚本：冨永昌敬
音楽：長谷川白紙
原作：劔樹人「あの頃。 男子かしまし物語」（イースト・プレス刊）
出演：松坂桃李 仲野太賀
山中崇 若葉竜也 芹澤興人 ／ コカドケンタロウ
大下ヒロト 木口健太 中田青渚 片山友希 ／ 山﨑夢羽（BEYOOOOONDS）／ 西田尚美
製作幹事：日活 ファントム・フィルム
配給：ファントム・フィルム
©2020『あの頃。』製作委員会
2020年／カラー／ヨーロピアンビスタ／5.1ch／117分
映倫区分：G
公式サイト：https://phantom-film.com/anokoro/
公式twitter：＠eiga_anokoro
※「♡桃色片想い♡」は白抜きハートマークが正式表記
※山崎夢羽の崎は立つ崎（たつさき）が正式表記
2021年2月19日（金）よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
