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KAI(カイ)独占インタビュー! クロスオーバー歌手&ミュージカル俳優、MC・・・マルチな才能を持つアーティストKAI(前編)

2014年11月より韓国で初上演されているミュージカル『マリー・アントワネット』でアクセル・フェルゼン伯爵役として活躍中の俳優が今、大きな注目を集めている。圧倒的な歌唱力と甘いマスク、迫真の演技で人々を魅了している彼の名は「KAI」。ソウル芸術高校を首席で卒業後、ソウル国立大学声楽科で学士号を取得後、現在も大学院で研鑽を積んでいる。正規の音楽教育を受け、実力は折り紙付きのエリートであるのは間違いないのだが、当の本人は「ただ音楽を愛しているだけ」と屈託なく笑う。10月には待望のセカンドアルバム「KAI IN ITALY」を韓国にてリリース。イタリアをテーマに「O Sole Mio」「She」「Volare」など馴染みあるナンバーでKAIの世界を作り出している。

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「アニョハセヨ~」と人懐っこい笑顔でインタビュールームに登場した彼は、舞台上の自信満々の表情とは一転。時に真剣に、時に目をくるくると回しながら表情豊かに話す爽やかな青年。穏やかな雰囲気のなか、“KAI”としての今の気持ちを存分に語ってくれた。

<ミュージカル俳優KAI・・・いつも今演じている役が自分のなかで一番>

―― 現在、ミュージカル『マリー・アントワネット』に出演中ですが、観客のみなさんの反応はどうですか?
とてもいいですね。僕も含めてのすべての俳優に対して期待していた以上に皆さんが愛してくださって、楽しく公演しています。

――フェルゼン伯爵を演じるにあたって、役づくりのために日本の漫画「ベルサイユのばら」を読まれたそうですが、“フェルゼン”はどんな男性に感じられましたか?
僕なら、そうしなかっただろうと思いました。自分が愛する女性や家族のために本当の愛を伝える表現の仕方は僕と違いますが、愛する人のためにどのような選択をもできるという情熱はよく分かったし、そういうことがKAIのフェルゼンの根底になりました。

――愛する人のための情熱がKAIさん自身と似ている?
そう見ていただけたら嬉しいですね。

――今回、ユン・ヒョンリョルさん、チョン・ドンソクさんとのトリプルキャストで、それぞれ違ったタイプのフェルゼンになると思いますが、KAIさんらしさを出すために特に気をつけている点はありますか?
ほかの作品のときもそうですが、僕はダブルやトリプルの俳優と僕自身を比較したり分析したりすることはありません。彼らの考えと僕の考えが同じところもあるだろうし違うところもあると思いますが、そういうことを比較して差を出すということに重点を置いてはいません。

――他の二人と“フェルゼン”について話をすることはありましたか?
もちろんあります。たくさん話はしますが、その話自体も彼らが考える一部であるだけで、彼らの全部だとは思っていません。彼らと比較したときにどうかということは観客のみなさんが見て評価していただくことだと思います。

――では、彼らにライバル心はない?
僕は・・・そうですね、1%くらいですね(笑)

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――『ストーリー・オブ・マイ・ライフ』『二都物語』『ドラキュラ』『マリー・アントワネット』など、これまで出演したミュージカル作品で思い出深いもの、特に好きだったものはありますか?
これはよく話すことなのですが、僕は、今取り組んでいる作品が一番重要だと思います。そう言うと、たとえば実は昔の作品がいいのだけれども、今やっている作品に集中するためにとか、そうでなければ会社との関係のために「現在の作品」だと言うんじゃないかと思う人もいるかもしれませんが、そういうことではなく、“いつも今に忠実にいよう”というのが、僕の人生のモットーなんです。もし現在出演している作品に対して納得できない面があったとしたら、そこで解決するように努力はします。でも、過ぎてしまったことに対してはすぐ蓋を閉めてしまって振り返らないようにしています。

―― いつも前向きなんですね
時には自分が怖いと思いますけどね(笑)

―― 前回出演したミュージカル『ドラキュラ』では、見事な肉体美を披露してくださいましたが、体作りに苦労されたとか?
はい、食事制限と運動をしてとても大変でした。実は、そのときの演出家のデイビット・スワンさんは「服を脱がなくてもいいよ」と言ってくださったんです。でも僕が今まで演じてきた役柄のイメージとは違う、もっと別なものに挑戦してみたかったんです。劇中の大きな流れ的には必要な部分ではなかったのですが、(脱衣シーンに関しては)僕自身との戦いだったし、目標だったと思います。それと何より誰も僕に(脱衣シーンを)望んでいなかったと思いますし(笑)。

―― 千秋楽のカーテンコールでは、リュ・ジョンハンさんから「もう、君には体しかないよ!(笑)」と、からかわれていましたね。
そうでしたね!(笑)。 ジョンハン兄さんとはとても親しいので冗談でおっしゃっていましたが、もしそれが本当だとしても僕は最善をつくしたので後悔はしません。

―― 今もその体型は維持されていますか?
だいぶ落ち着いてしまいました(笑)。その当時は食事制限をして鶏肉だけ食べて他のものは避けていたので本当に大変だったんです。今は食事制限はしていませんが、運動は続けています。

――リュ・ジョンハンさんは大学の先輩であり、『二都物語』でも共演されていますが、仲良くされていますか?
はい、とても仲がいいですよ。『マリー・アントワネット』でマリー役のキム・ソヒョンさんも大学の先輩ですし、よく一緒に学校時代の話もしたりします。

―― リュ・ジョンハンさんの存在は、KAIさんがミュージカルを始めるにあたって何か影響がありましたか?
僕の出身校は正統クラッシックに保守的な学校だったので、ミュージカル俳優などクラシック音楽以外の活動をする人たちはごく少数しかいませんでした。でも、僕はクラッシック音楽を専攻しながらも、ポピュラー音楽をやりたいという考えがあったので、僕にとってリュ・ジョンハン先輩は大きな存在でした。

―― 正統クラッシックだけではないのに、大学院まで進みクラッシックを続けて学んでいらっしゃるのはなぜ?それはKAIさんなりのこだわりがあるのか、それとも将来に生かしたいという思いがあるのですか?
まず僕は、音楽の一時点においてだけ関心があるのではなく、音楽の流れや音楽というもの自体を愛しているんです。たとえば、ヴィバルディやモーツァルトなどのある時代の音楽をもう一度逆行していくとういのではなく、そういった古典から今現在までに流れている音楽自体が好きです。時々ベートーヴェンを音楽の歴史から古典派に入れるべきか、それともロマン派に入れるべきかという話がよく出るんですが、古典派の人から見るとベートーヴェンのような人はとても進歩した現代音楽をする人であると思われていて、ロマン派から見ると古典的な面が多いと思われていた人なんです。ベートーヴェンと僕を比較することはできませんが(笑)僕はただ僕が愛する音楽をするだけであって、僕が決まった時代的、ジャンル的部類の音楽に入れなければならないとは思っていません。僕は歴史の全体を学んでいるのであって、そのままずっと僕の道を歩いていくだけです。
※KAIさんはすでに修士号を取得されています。

―― クラッシックを極めるというよりも、音楽全体を知り、音楽を愛しているという意味で勉強していると考えていいですか?
はい、その通りです。

――オペラの舞台にも立ったことがあるかと思いますが、KAIさんにとってミュージカルとは何?ミュージカルの魅力とは?
僕にとってオペラとミュージカルに大きな差はありません。他の人から見たらどう考えられるかわかりませんが、僕にとっては差はないんです。舞台に立つ魅力は、僕ではない他の人になるということでしょうか。

―― 観客の拍手を受けることは?
演じることは好きですし、とても楽しいですね。観客のみなさんの拍手が僕にとって大きな原動力になるのは事実です。でも僕が演技をしたいのは拍手を受けるためではありません。今僕はこの世の中にとても感謝して幸せに暮らしていますが、僕が生まれたのは僕自らの選択ではなかったですよね。観客の愛というのもそうじゃないかと思うんです。幸せな気持ちで僕を強く作り上げてくださいますが、それを受けるために演技をするのではありません。

―― 今後やってみたい役は?
どの作品の何の役柄というのはないのですが、悪役であるとか、人生の底を見せるしかないそんなキャラクターを演じてみたいですね。

 

・・・後編に続く

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<KAI(カイ)>プロフィール
1981年12月5日生まれ、ソウル出身。名門・ソウル国立大学声楽科を卒業後、同大学院にて修士号を取得、現在博士課程に在学中のポペラ(ポップスとオペラのMIX)歌手&ミュージカル俳優。2007年「東亜音楽コンクール声楽部門」3位、2009年「大阪国祭音楽コンクールAge-Gオペラコース」3位など、国内外のコンクールで受賞経験をもつ実力派であり、大物歌手スミ・ジョー全国ツアーの共演で一躍注目の的となった。デビュー・シングルは2009年韓国のジャンル別チャートで4週連続第1位を獲得。また、2012年5月「愛は深く」で日本デビューを果たす。世界のあらゆるジャンルのアーティストとの共演するほか、MC、ラジオDJなどもこなすマルチ・エンターテイナーとして活躍し、2008年『サ・ビ・タ~愛は雨に乗って~』でミュージカルの舞台に立つ。その後『ストーリー・オブ・マイ・ライフ』『二都物語』と演技力を培い、2012年「韓国ミュージカル大賞」新人俳優賞を受賞。その圧倒的な歌唱力とあわせ存在感ある俳優として観客を魅了している。

【ミュージカル作品】
2014 年『マリー·アントワネット』アクセル·フェルゼン伯爵役
2014年『ドラキュラ』ジョナサン役
2012年・2013 年『二都物語』チャールズ・ダーニー役
2011年『ストーリー·オブ·マイ·ライフ』トーマス役
2008年『サ・ビ・タ~愛は雨に乗って~』ドンヒョン役

【ALBUMリリース】
2014年 アルバム「KAI in ITALY」
2014年 Digital Single「ハーモニー」
2013年 Digital Single「FIRST CHRISTMAS」
2012年 Digital Single「私を泣かせてください(Lasciach’iopianga)」
2012年 日本アルバム「愛という名前」
2012年 日本 デビューSingle 「愛は深く」
2011年 アルバム「I AM KAI」
2010年 Digital Single「Clad Meets Piano」
2009年 Digital Single「Edge Walker」
2008年 デビューDigital Single [未完]

写真提供:EA&C

※ミュージカル『マリー・アントワネット』は2015年2月1日まで、
韓国・シャルロッテシアターにて上演中!!
http://musicalmarieantoinette.com/

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