映画『嵐電』の公開記念舞台挨拶が、5月25日、東京・テアトル新宿にて行われ、キャストの井浦新、大西礼芳、安部聡子、金井浩人、窪瀬環、石田健太、村井崇記、藤井愛稀、岡島由依と、鈴木卓爾監督が登壇した。
本作は、京都市街を走る路面電車・京福電鉄嵐山線、通称：嵐電（らんでん）の街を舞台に、鎌倉から京都にやってきたノンフィクション作家とその妻、東京から撮影で来た若手俳優と彼に京都弁を教えることになったカフェ店員、修学旅行中の女子学生と地元の少年の3組の男女の恋と愛が描かれる。
ノンフィクション作家の平岡衛星役を演じた井浦は「本日は、映画『嵐電』にご乗車誠にありがとうございます」と挨拶。衛星を演じたことについて「卓爾監督がワンシーン、ワンシーンを撮影する際に、ご自身で書いた台本であるにもかかわらず、『僕もわからないから、あなたたちに演じてもらいたい』と。『わからないから、みんなでやってみよう！』と言うんです。その言葉がとても印象に残っています」と振り返り、「本来、映画作りってそういうものなんだろうなと。本質を感じられた素敵な時間でした」と、監督の言葉に突き動かされたことを吐露。
衛星の妻・斗麻子役を演じる安部は、京都の劇団『地点』に所属する女優。鈴木監督が俳優として「トキワ荘の青春」で共演したことが縁で今作への出演となったそう。安部は「映画を観ると、嵐電はものすごく硬くて重く、電車がきしむ高音も聞こえてくる。そういった鋭さも兼ね備えたやわらかい映画になっています」と映画の印象をアピール。そんな安部との共演を井浦は「僕が『地点』に入団しない限り、共演する機会はないと思っていたので、本当にうれしかった」と喜びをあらわにした。
太秦のカフェで働く小倉嘉子役の大西は、鈴木が准教授を務める京都造形芸術大学映画学科俳優コースを卒業し、現在、放送中のドラマ「俺のスカート、どこ行った？」（日本テレビ系）に出演し活躍中。卒業から6年経っての京都撮影となったが、「卒業してから京都で映画を撮るのは初めて。先生や後輩がどう受け入れてくれるか少し不安でしたが、皆さんが優しく温かく迎えてくれて嬉しかったです」と回顧。
そんな大西とキスシーンを演じる金井は「たぶん実人生でもあんなキスは二度とできない」と照れ笑い。大西も「自分のキスシーンを観て、ドキドキしたのは初めてでした」と語る。鈴木監督も「僕も撮影しながら心臓がバクバクしてました(笑)。一生に一度しか撮れないようなものが撮れたと思っています」と満足げな表情を見せていた。
映画『嵐電』
出演：井浦新、大西礼芳、安部聡子、金井浩人 ほか
監督：鈴木卓爾
音楽：あがた森魚
製作：ミグラントバーズ、オムロ、京都造形芸術大学
制作協力：北白川派
特別協力：京福電気鉄道株式会社、東映京都撮影所、右京じかん
後援：京都市
配給・宣伝：ミグラントバーズ、マジックアワー
(c)Migrant Birds / OMURO / Kyoto University of Art and Design
2019年／日本／114分／
公式サイト：http://www.randen-movie.com/
テアトル新宿ほか全国にて順次公開中
